- 聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)/中村 光

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イエスとブッダは、バカンスで日本国東京は立川市に住んでいる。
身分を隠してはいるが、動物は寄ってくるわ、うっかり奇跡を起こしちゃうわで大変な日々。
ぶっとんだ設定のほのぼのギャグ。
イエスとブッダが、ジーパン兄ちゃんと化してアパート住まい。
この、ありそうでなかった設定にプッときて、
お昼寝すると動物がわんさと寄ってきて「ちがうちがう!これ涅槃じゃないから」だの、
お神輿かついで「わっしょい、わっしょい、…アーメンアーメン」と素が出ちゃうだの、
小ネタに多大なる愛を感じて読んでみた。
読後。
なんかこう、ツッコミ不足で、穏やか過ぎて物足りなかった。
更に後。
思い返すたびに、数々のネタにプッとしてしまう、恐るべき持続性。
実はすごいギャグ漫画なのかもしれん。
基本的にはイエスとブッダのボケ倒し。
イエスはちょっと調子が良く、ブッダはちょっと堅苦しい、という違いはあれど、
昨今良く目にする、鋭いツッコミは言語的にも皆無。
漫画的ツッコミ、手だの足だのも出ない。
ふたりとも一人称は”わたし”で、聖人ゆえに、ムカついても、けして相手を攻撃したりしない。
あわあわと気遣い、穏やかに過ごす。
そこがちょっぴりBLちっく。
にて、居心地悪し。
ギャグのメインは、ギャップギャグ。
聖典のエピソードを思わぬところに使うため、1,2コマくらいでかなり笑える。
さっきの涅槃も笑ったけど、
猫に嫌われたい、が一番気に入った。
あのー、兎が身を差し出す話は誰でも知ってると思うんですけど、そのエピソード。
ブッダがお皿持って、庭にいると、にゃんこがぴょんぴょんかけてきて、一生懸命気を遣い、
さらには、ぴょんことお皿の上に身を投げ出し、
「さぁ、このワタシを食べてください(よよよ)」と、自己犠牲。
んで、ブッダが、いらないいらない!そんな重いのいらないから!みたいな。
動物に超好かれちゃうので、
「わたし…どこいっても動物に好かれちゃうんだよね、だから猫にフーッてされたい」(意訳)
とか黄昏るのに大爆笑。
猫にフーッとか……!かわいい(笑)
あと、お祭りに行く話。
2人でテンションマックスでお神輿担いじゃうんだけど、
そこの神社の神様に、おみくじでダメだし食らうやつ。
あれも笑った。
と、このように、かなり笑えるんですよ。
でも穏やかなんだ。
んで、このまったりギャグが後から効いてくる。
ギャグの完成度が高いんだよ…いつまでも笑えるような。
またこれが絵が上手いし、メッセージTシャツというベタな小ネタも楽しみだし。
