きっとマのつく陽が昇る! | お役に立ちません。

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本・漫画・映画のレビューブログ。
本は月に10冊ほど、漫画は随時、
映画はWOWOWとTSUTAYAのお気持ち次第(笑)

きっとマのつく陽が昇る! (角川ビーンズ文庫)/喬林 知
¥440
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呼ばれてもいないのに異世界に出現してしまったユーリ。
いきなり命を狙われ、部下は瀕死、自らも土砂崩れに巻き込まれ、
気が付けば突拍子もない場所へ出ていた。

とかなんとかいってもう1冊読んでみる。
えらい酷評したけど、別に嫌いなわけではない。
というか、ギュンターのとこだけ読みたい。

と思ってまたもや借りてきたら、なんか驚愕のシリアス展開。
申し訳ないけど、これつまらない…
前のギャグに始まり、ギャグに終わるほうが良かったな…
いきなり腕切られるとか、ギャグばっかだった分、すごい衝撃受けるんですけど。

あと、王道少女漫画にありがちな、”空気の読めないお姫様”が本当に嫌い。

つまり、主人公が命を狙われて、部下が体を張って助けようとしているのに、
その気持ちを全く読まず、その場その場で
『あの人が心配』『このことが心配』『あなたの言ってる方法で本当に逃げられるの?』
ともたもたした挙句、仲間は殆ど瀕死、誰も逃げること叶わず、状況は最悪な方向へ…

って展開が死ぬほど嫌い。
これは、物語を盛り上げるための手法だろうし、
主人公が素直で優しくて慈悲深く正義感に溢れ人道的、みたいな表現なんだろう、てことは分かるんだけど、
実際問題、空気読めてないだけだよね。
本当に優しくて部下、仲間思いの人なら、自分が足手まといなことや、
自分が死んだり、敵の手に落ちたらどうにもならない、てことくらい理解してるもんでは?
男性作者でこのテのシチュエーションてまず見ないと思う。

なのに、まず、このシチュエーションから始まり、
主人公の空気読めないトラブルメイカーっぷりがシリアスシーンで延々続くので。
あと、ギャグも充分入ってるんだけど、シリアスシーンとギャグシーンのバランスが悪い…

ギャグがかなり面白い物語での、ギャグとシリアスのバランスってめっちゃ難しいと思うんだよね。
ギャグ作家で無い限り、”シリアスメインですが、ギャグに類まれなる才能があるんです”ってパターンがほとんどなため、
また、物語としての深み、格的な意味合いでシリアスも書く、って人がほとんどだと思うんだけど、
成功するかどうかは微妙。
読者の感じ方の違いもまずあるし、作者の力量もなによりあるから。

非常に偏った個人的意見だと、”ハーメルンのバイオリン弾き”と”無限の住人”のふたつは、神業だと思います(笑)
ギャグもシリアスも振り切ってて、最高に面白く、感動も出来、
スイッチの切り替わりも絶妙だと思うんだけど。

気に食わないのは”銀魂”?
サリオ的にはギャグだけでいいと思うのに、やたらにお行儀のいい正義感によるシリアスをやられると
非常に居心地が悪い。
それでも、新撰組のシリアス話はおもしろかったかな。

て、話が逸れた上に漫画オンリーだったんだけども(笑)、
この話のギャグとシリアスのバランスがひっちゃかめっちゃか。
あと主人公のシリアスモードの行動がイタイ。

その上、非常に中途半端なところで終わる。

いったいこれはどうしたらいいんだ…