発光する人間 | こけ玉のブログ

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不惑の年などもうとうに過ぎたのに、いまだに自分の道も確立できていない。
そんな男の独り言。

最初にネタバレすると、今回の「発光する人間」は、半分はネットでいうところの釣り(=読み手の興味を引くためのフィクション)である。

おそらく「特殊な能力」のコーナーに「発光する人間」という表題が出れば、多くの人は見た目で分かるくらいの光り方をしている人間を想像するだろう。

しかし、残念なことにこの光は可視光の約1000分の1というわずかなもので、人の目には見えない。

しかも人はだれもがその光を放っていて、特殊能力というわけでもないらしい。

ただし、「人が輝いて見えるとき」とか「肌がきれいに見えるとき」などにこの発光現象も盛んになっている可能性があるというのである。

もしかしたら、イキイキ、キラキラしていて、まぶしいあの人は本当に発光しているのかも(笑)。
 
 
 
その光の正体は「バイオフォトン」と呼ばれるものである。

自分が最初にこの光について聞いたのはもうかれこれ10数年前になるだろうか。

そのときは、

「子供の成長過程で骨が伸びるときに骨端部から光が発する」

というような内容だったと記憶している。

しかし、今回発光する人間の記事を見つけていろいろ調べてみると、生体の発光現象はあらゆるところで起きているようだ。
 
 
 
 
ホタルや深海生物など、生物が明らかに発光している現象は「生物発光」と呼ばれる。

それとは区別し、非常に光の強度が小さい場合や、そのとき放出される光子そのものを指す言葉として、生命を意味する「バイオ」と、光子を意味する「フォトン」を組み合わせて「バイオフォトン」という造語が作られたそうだ。

なので、ホタルの光は「バイオフォトン」ではない。

「生物発光」は発光のもとになる物質と酵素の間でおこる生化学反応によって生じるものだが、

「バイオフォトン」はミトコンドリアにおける細胞呼吸で行われる酸化還元反応に付随して生じる化学発光であるとのこと。

活性酸素などが多いに関わっているというのである。

平たく言うと、生命活動の活発な細胞や酸化ストレスを受けている細胞などにその発光現象は著しく現れるということだ。
 
 

1933年、ロシアの物理学者、アレキサンダー・グルヴィッツ博士は

「すべての生物は光を放出している」

との仮説を立てたという。

アインシュタインのように、その時代にまだ計測できなくとも理論の組み立てによって真実を見出す天才はいるのだねえ。

その後、1960年代になって光電子倍増管という装置の開発によって細胞が光を放出する事実が確認された。

この発光は人に限らず、呼吸活動を行う生命すべてで見られるという。

なので、バイオフォトンの活用は現在のところ、農業や医学、生命科学の分野で期待されている。
 
 
バイオフォトンの観測には完全に光が遮られた環境と、熱のノイズを減らすために冷却された上述の光電子倍増管と、超高感度測定器が必要である。

なので、一般の人が目にすることはほぼ不可能のようだ。

ネット上でバイオフォトンを説明するのによく引用されているのが普段タバコを吸っている人の指先を映した画像である。

指先が非常に輝いているのだ。

タバコには多くの化学物質が含まれており、これらは酸素と結合しやすく、指先の細胞が酸化ストレスを受け、その際に発光現象が起きているからだという。

タバコの害は呼吸器系等のものと思われているが、煙にさらされている皮膚の細胞も影響を受けているのである。

よく副流煙の害で周囲にいる人への影響も取りざたされるが、吸い込まなくとも確実に細胞レベルで影響を受けていることを認識しておかなければならない(と元喫煙者である自分が偉そうに言う)。
 
 

また、医学の分野で活用が期待されているのが、がんの発見である。

がん細胞が活発に増殖しているときにもバイオフォトンがより強く計測されるという。

紫外線照射などに伴う皮膚の酸化ストレスなどの健康状態の計測も可能だとされている。

農業分野では遺伝子操作の影響や、薬剤の効果などの研究にも活用しうるそうだ。

いずれにしろその活用に期待値は大きいようだが、まだまだ始まったばかりというところだろうか。

最初に自分がこのバイオフォトンについて知った時、

「これが『気』の本体なのではないだろうか」

と直感的に考えていた。

やはり同じように考える人はいて、経絡との関りを説明する人もいる。

しかし、経絡のように同じ生体内での現象ならいざ知らず、中には霊的現象やオーラなどのスピリチュアル現象、聞いたことのない様々な代替療法などについてまでバイオフォトンに絡めて説明するサイトも存在する。

まさに玉石混交の感がある。

今の段階ではそれらのすべてを否定するつもりはないが、肯定するつもりもない。

神の話まで出てくると「それはどうよ」と言いたくもなる。
 
 

バイオフォトンには単に活性化している細胞や、酸化ストレスを受けている部分に多く計測されるというだけでなく、それ自体が情報伝達の役割を果たしているとの説もある。

その実態、役割のすべてはまだまだ未知のようである。

確かに世に不思議な現象はたくさんあり、それらには何らかの理由があることだろう。

その時代の常識が、後の世には覆されるということもよくある話である。

もしかしたらスピリチュアルな現象もこのバイオフォトンで説明がつく時代が来るかもしれない。

実際に計測機器があるのであれば、きちんと科学的に実験を行い、学者の責任として玉石混交を整理してほしい。
 
 

細胞レベルで活性化していれば、実際に輝いて見えるのかもしれないのであれば、来年は是非細胞レベルで輝いてみようか!
 
とりあえず、自分の場合は運動でこのメタボ体型をどうにかせにゃあ(笑)。
 
 
当ブログにお立ち寄りいただいた皆さん、ご覧頂きましてありがとうございました。

また来年もよろしくお願いいたします。

それでは皆々様、良いお年を!