警戒区域内には立ち入り許可証がなければ入ることができない。
今回は大熊町の農家さんの牛を生かすための柵作り。
5月に準備をはじめ、そしてやっと、先週許可証が届いた。
いよいよ柵作りができる!
500M×2段の電気柵と、その内側に小さな単管パイプ柵の設置。
言葉で書くのは簡単だが・・・・
落合さんにアドバイスをいただきながら、設計・・・・。
まずは外周500メートルの電気柵のワイヤー部分の下草、
ジャングルに近づいた絡まる草を刈り、
ポールをハンマーでカーン、カーン、と打ち込む。
そして1キロメートル分のワイヤーを引っ張って、
8メートルずつの間隔でポールに通す。
炎天下の中、気の遠くなるような作業だ。
そして、馴致と治療のための外周60メートル程度の単管パイプ柵を設置する。
作業は、
農家さんご両親2名、
ヘルパー農家さん、
NPO法人犬猫みなしご救援隊
から6名、
おたすけ隊2名、
合計11名で行った。
みなしごさんの男性メンバーの方々・・・頑張って準備してくださってます。
みなしごさんの男性陣と農家さんが小さな草刈り機で
進めていると、ブォーンという音と共に大きな物影が。
何と、大きな草刈り機!
そんな重い機械を力強く運転する農家さんのご両親登場!
お若くはなさそうなのに(すみません)、何てすごい!
池田夫妻も手伝ってくださった!!!
ご自身の牛が17日の視察の際逃げてしまい、
更に逃げてしまったのがあるので大変な中・・・。
漸く得た大きな旅行も何もかも全部キャンセルして大変な中・・・、
草刈り機とホイルローダーだけ貸して頂く話でしたが、
何だかいつの間にか手伝ってくださって
本当にありがとうございました。
部材が不足した時、農家さんご両親がの家にあった資材を解体して使っていいよ~とのこと。
ありがとうございます。
助かりました。
みなしご男性陣が木材をあっという間に加工して立派な構えを
作ってくださいました。
味のある素敵で見事な応急処置。
みなしごさんには、
「大熊町で生かすための柵作りをすることができそうだ。
だが男手が足りない。」と言ったことがあります。
すぐに「わかった。人手をだす。一緒にやろう。」
あっけないぐらい簡単にありがたい言葉をくださいました。
「命を大切にする。」
この気持ちでつながることができれば、
方法論に差があっても、一緒に行動することができるのだ。
毎日壁にぶつかることばかり。
くじけそうな気持ちになる中で、
揺ぎない信念を持つ仲間同士のつながり、
そして、何より農家さんをはじめ皆の心の奥底にある純粋な思いが私たちの希望となっている。
今回の農家さんは、一度、安楽殺処分に同意した農家さんだ。ご近所様に迷惑をかけることはできないと考え、安楽死を受け入れたとのこと。
しかし、自分の牛30頭の殺処分の現実を知り、同意を撤回した。
とても勇気のいった決断だったと思う。
近所迷惑にもならないように囲い、
更に町のためになる飼い方がある。
私たちは彼を支えたいと思います。
彼の心を生かしたい。
自分の家に帰るにも許可証が必要な地域、
生きていくためには仕事もして行かなくてはならない。
そのような中、片道200キロ近い距離をかけて、
牛の面倒をみるために通う決心をすることは、
並大抵のことではない。
現実を考えたら、生かしたいと思っても諦めてしまう農家さんも
多いだろう。
先のみえない中での仮設での暮らし。
そのなかでも諦めずに頑張る農家たちがいる。
もうすぐ二度目の夏が来る・・・・。
文責 谷