2012年1月31日 20:00
安心して暮らせる場所はあるか?
昨年3月11日に発生した東日本大震災では、多くの人たちが被害に遭った。さらにその後に続いた福島第1原発事故の影響はいまだに続いており、避難を余儀なくされるなど、生活基盤を失った人も多数にのぼる。30日の「現代ビジネス」はそんな事情を踏まえ、日本でいちばん安心して暮らせる地域を探している。
原発事故で第二の人生を破壊された
日本人初の宇宙飛行士として有名な元TBS社員秋山豊寛氏(69歳)は、早期退職後、福島県田村市に移住した。終の棲家として田舎暮らしを選び、無農薬農業に従事する第二の人生だったという。
福島第1原発事故により、県外避難を強いられた同氏は現代ビジネスの取材に「私の老後は原発によって破壊されました」と語った。
自然が豊かで、夏涼しく冬も比較的温暖な福島県は、近年、首都圏などでリタイヤした人たちが終の棲家を求めて移住するケースが増えていた。
秋山氏と同じく、原発事故により老後の人生を奪われた人は多数にのぼる。
安全なのは瀬戸内エリア?
元内閣府原子力委員会の専門委員で、現在中部大学教授の武田邦彦氏(68歳)は原発の影響については、距離よりも風向きや地形を考えるべき、と語る。『原発列島を行く』を書いたノンフィクション作家の鎌田慧氏(73歳)は、岡山県をすすめる。県内にある人形峠にはウラン鉱床があることから、核廃棄物の処理施設建設を国から何度も打診されてきたが、断固として拒否してきた自治体の姿勢を評価してのことだ。
ただ、日本では地球表面の0.07%しかない国土に、全世界の約13%にあたる原発がひしめき合っている。
また、地震については、国内のあらゆる地域で活断層が見られ、安全と言える場所はほとんど存在しない。
日本地震学会会長で京都大学大学院教授の平原和朗氏(59歳)は「日本に安心して住める場所はない」という。
そんな同氏が強いて言えば、と勧めるのが、同氏の故郷である広島県呉市だ。安芸灘を震源とする震度5以下の地震が60~100年周期で発生するが、直近では2001年に発生したばかりであるためという。
隣県である岡山県もこれまで大地震の被害が少なく、首都機能の移転先として、しばしば候補に挙げられている。