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2012年01月22日
東日本大震災の被災地で出たがれきの処理を引き受けるかどうか、政府と県、長岡や新潟など各市の足並みがそろわない。少なくとも6市が受け入れを
検討しているが、放射性物質を含むがれき処理の政府方針に泉田裕彦知事は慎重な姿勢をとり続ける。政府、知事、市長たちの三すくみの構図はなかなか動きそ
うにない。
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岩手県内のがれきは年間処理量の11年分にあたる約476万トン、宮城県は19年分の約1569万トン。環境省が全国に協力を求め、東京
都や山形県内の民間事業者が受け入れたが、多くの自治体は二の足を踏む。がれきに含まれる微量の放射性物質が焼却で濃縮され、その灰の埋め立てへの住民の
不安が強いからだ。
県内では、森民夫・長岡市長が昨年11月14日、「新潟、三条、柏崎の各市と連携しながら前向きに検討したい」と打ち上げた。その後、篠田昭・新潟市長や国定勇人・三条市長、会田洋・柏崎市長が相次いで同調した。
長岡、柏崎、三条の3市長は中越・中越沖地震や7・13水害などで他県にがれき処理を助けてもらった「恩返し」だと口をそろえる。森・長
岡市長が会長を務める全国市長会は、被災地や平野達男復興相から、がれき問題での支援を求められている。十日町市や五泉市も条件つきで受け入れの検討を始
めた。
だが、泉田知事は一貫して受け入れに慎重だ。「焼却灰は(1キロあたりの放射性セシウムが)2千ベクレルを超え、発電所内なら放射性廃棄物。それを埋めるのか」と政府の対応に疑念を示し続けている。
環境省は、焼却灰1キロあたりの放射性セシウムが8千ベクレル以下なら一般廃棄物と同じように埋め立てられる、との方針を示している。一
方、経済産業省や文部科学省は原発内の廃棄物について同100ベクレルを「クリアランスレベル」とし、これを超えたら再利用できないと規制している。知事
が「ダブルスタンダード」だと批判するゆえんだ。
細野環境相は昨年暮れ、がれきを受け入れて焼却してもらい、その後、焼却灰を被災地に戻す選択肢もある、と提案したが、知事は譲らない。今月6日に環境相に会った際も「ダブルスタンダード」だと指摘。「理解に行き違いがある」と反論する環境相と折り合うことはなかった。
こうした知事の姿勢に、受け入れを検討している市に戸惑いや反発が広がりつつある。国定・三条市長は「一般廃棄物の処理は市町村業務。県がものを言うことはどうか」と批判する。