日本の国を動かしているのは実は首相ではない。新しい首相もすぐにこの歯がゆい事実に気付くことだろう。菅首相は3月11日の東日本大震災後のリー ダーシップに対する批判から退任に追い込まれたということになっているが、変化をもたらそうと試みる政治家をお払い箱にする日本の政治の回転扉によって押 し出されたというのが真実だ。
市民運動家出身の菅首相は事実上日本を支配している階級である官僚との闘いを掲げて就任した。決定権を官僚の手から取り戻す政治主導を確立するととも に、官僚たちの特権を廃し、監督対象の企業や公益会社に退職後に天下るという腐敗した習慣を撤廃することを望んだ。福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故 の原因はそのような癒着にあったと言えるだろう。
自動操縦
名前も顔もない集団が日本を支配し、あらゆる変化に抵抗している。数十年かけて築き上げた領有権を脅かすような変化は断固として阻止する。この結果、首相が手動操縦に切り替えようとしても官僚制度による自動操縦が続くことになる。
菅政権も発足当初には「事業仕分け」で官僚を震え上がらせたが、取り組みはすぐにしぼんだ。福島原発の事故を受けて、強大な原子力発電業界に切り込んだことも政権の寿命を縮めた。
日本の政治の回転扉の回り方はますます目まぐるしくなっている。次期首相が指名された時点で、最近の首相の平均在任期間は1年を切るだろう。政治主導を掲げた民主党 をあざ笑う官僚たちの高笑いが聞こえそうだ。
日本は安全で識字率が高く平均寿命も長い。比較的格差の少ない社会・経済構造を持ち、国として機能している。しかし、日本の周囲で世界は急速に変わりつつあり、経済活性化に日本が真剣になるのを待っていてはくれない。