さまようさまよう
昨日読んだ本です。
TVドラマ「ガリレオ」とかでも有名な東野圭吾さんの作品、「さまよう刃」。
昨年末( ちょうど大晦日 )に、ツタヤでオトナ買い( 計2冊 )した本のうちの一冊です。
内容は、少年犯罪と少年法がテーマですね。
不良少年たちに拉致され欲望のまま蹂躙され死体となった娘の復讐のため、父親は加害者の一人を激情にまかせ、めった刺しにして殺害する。
無念をはらすため、逃亡したもう一人の主犯格の少年の追跡も開始。
被害者遺族であった父親を加害者として動き出す「警察」と「マスコミ」。
そして世間の考えは賛否両論大きく分かれ、警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上がる。
加害者の少年がこのまま逮捕されると、現行の少年法では大きな罪に問われない可能性がある。
それでもはたして遺族に犯人を裁く権利はあるのか?
そしてラスト10ページ(ぐらい)で急展開を見せるクライマックス!!
文庫本としてはちょっと多めの500ページぐらいの本ですが、登場人物ひとりひとりを巧みな心理描写で捉え、最後まで一気に読み進められる作品でした。
「少年法は加害者の更生を目的とし、加害者を守るだけのものになっていないか?!」
「被害者や遺族の嘆きの声はどこへ向ければいいのか?!」
読み終えてからもいろいろと考えてみましたが、これは本当に難しい問題ですね。
誰も報われず、なんともやるせない読後感が残りつつ、時計を見れば丑三つ時・・・・・。
寝ました。