立ち話 「もったいない」にも順序がある (10/6)
「もったいない」はよく分かるのですが、
1)目的はなんですか?
2)子供のことが目に入っていますか?
とお聞きすることがあります。子供のことが目に入っていれば「節電」などはしないはずですから。
(ここから立ち話を始めます)
(平成24年10月6日)
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最近節電というのが非常にはやっているわけでありますが、この節電がはやってるっていう現象は非常に奇妙ですね。というのはですね、節電…もったいないっていうのはどういう時にもったいないっていう行動に出るのかっていうとですね、だいたいは戦争の前みたいなもんですね。国がこう…なんとか戦争に勝ちたいと。国民にもったいないということを呼びかけて、国民が生活を犠牲にしたり、人生を少しは犠牲にしてですね、いろんなものをもったいないと思って節約し、それを国の富にして蓄え、それで戦争に勝つと。日本ですと明治の時の日露戦争の前みたいなもんですね。
とにかく勝つまでは我慢しますと。ほしがりません、勝つまではっていう、こういうわけですね。だけど元々国というのはそんなためにあるんではなくて、国民が豊かな生活をして楽しく生活するためにあるわけですから、普通はもったいないというようなことをですね、個人のレベルは別にして、国家のレベルでやるっていうのは、そういうことは普通ないんですね。
そうしますと、どうしていけないかっていうと、国が衰退してしまいます。国というのは常に活動してるものですから、活動量が減りますと、結局その国は衰退しますね。ご家庭で何か生産とか、それから競争に関係ない世界に住んでおられる人はですね、まぁ、もったいないでもいいんですが、企業だとか研究とか大学とかですね、こういった社会の最前線に立っている所はですね、このグローバル時代ですから、まさに競争の社会の中にいるわけですね。
それで私は「今節電とかもったいないとかいうのがずっと言われております。これなんのためですか」とよくお聞きするんですね。環境は非常にいいですよね。空気もきれいで水もいいし、何も別に問題はない。温暖化っていうのを心配してる人もいますけども、私は心配してませんが、心配してるにしてもですね、世界のどこでもやってないようなCO2削減をですね、やるのもちょっと極端なもんですね。
それから日本が特に困ってるっていうわけじゃないんですよね。政治が悪くてちょっと分配が悪いっていやぁ悪いんですけど、なにしろ円高ですから…円高っていうのは外から見た時に、日本は非常に豊かな国だということで円高なわけですね。従って、節約をするとかもったいないとか、節電をするといった目的はいったいなんなのかということがまず私にはわかりませんね。私は…なんのために節約するのかと。
もちろん思想的に節約するってのはあるんですよ。しかし、憲法の基本的人権で定められてる通り、思想っていうのは自由があるんですね。自分の思想を他人に押し付けるっていうことをしますと、他人の思想も自分に押し付けられるっていうことですね。キリスト教の人が仏教を押し付けられたりするとやっぱり嫌なもんですから、やっぱりそれぞれの人の価値観というもので行動するべきですので、みなさんが節約しなさいなんていう、そんなんですねぇ…ことはちょっと言えないわけですよね。
節約しなさいって呼びかけてる人が…鳩山さんが悪いっていうわけじゃないですけど、首相ですから言いますと、鳩山御殿というとこに住んでてですね、まぁふんだんに何かお金を使ってるっていうことになりますと、やっぱりこれちょっとどうかなと思いますよね。
で、もう一つは節約をする時にもですね、どうしても日本が貧乏であると…そんなことありませんが、日本が貧乏であるという時に節約するっていうことになると、できるだけ子供に影響のないものを節約するっていうのが親心なわけですね。
例えば普通でしたらね、ぜいたく物に課税をして、ぜいたく品を使う人から税金を取って、それを国に貯めていく。そうするとぜいたく品は少なくなって国にお金が貯まるっていうことで、これはいいわけですね。
それからまぁ少し飛びますけども、それでも間に合わないという時には、今度は大きな家に課税をしますね。例えば鳩山御殿。膨大な税金をかければ、次第次第に家が小さくなります。これも子どもにあまり影響がないんですね。例えば20畳のリビングルームで生活しても、8畳のリビングルームで生活しても、国の活動力はあまり変わりませんからね。国が衰退するっていうこともない。
その次には自動車でしょうかね。例えばレクサスとかクラウンを買うなら、カローラとか軽自動車で我慢すると。これも若干は活動に影響がありますけれども、それほどですね、国民が研究をしたり企業を運営したりするのに、そんなに大きく影響はない。
で、ずーっとその次は日常生活とか、テレビを少し小さくするとか、そういうのがあって、最後から二番目に省エネっつぅのがあるわけですね。エネルギーっていうのはなんで使うかって言ったら、活動にほぼ比例しとります。もちろん無駄なエネルギーっつぅのはあるんですけども、無駄なエネルギーっていうのはあんまり使わないんですよ。なぜかって言いますとエネルギーにはお金がかかりますから、多くの人はそんなに無駄にエネルギー使わないんですね。
エネルギーを少なく使っても同じ活動ができるっつぅのは悪いことじゃないんですよ。それは技術としては悪いことじゃないんですね。だけども…例えばテレビがですね、昔は200ワットで14インチがあったけど、今は100ワットで14インチちゅうか大きいのが見られると。これはまぁいいんですね。これはだけど技術ですから、みんなに呼びかける必要はないんですね。むしろ今度のテレビは電気代が安いんですよっていう、そういう経済的なものとかね、同じ電気代で大きな画面が見られますよっていう楽しさが増えると、こういうふうなものはいいんですね。
だけどみんなで省エネやりますとね、エネルギーを使わなくなります。特にいけないのがエネルギーに課税するってやつですね。一時問題がありましたけども、地球温暖化を防止するために、石炭とか石油に課税する…こんなことやったらですね、これ大変なわけですね。課税を増やすというね。
それから一番やっちゃいけないのが節電ですね。節電っていうのはですね、どうしていけないかと。電気っつぅのはエネルギーの中でも一番高価なもんなんですね。ですからエネルギー…電気でやっている国民の行動っていうものは一番貴重なものに使ってるはずなんですね。ですからこれを絞りますと、国民の活動力が下がる。
例えば電気代が上がると企業はもう日本ではできなくなるとか、それから受験生は暑くて勉強になかなか熱中できないとか、そういうことが生じてしまいますので、冷房温度なんかは自由にさせてですね、そしてやるというのが一番大切ですね。
しかし今日本人が節電というのが何か良い子のように思うのはですね、国の発展を考えてないんですよ。もちろん官僚もそうですし、政治家もそうですね。それから我々親もそうなんですね。ですから今良い子になればいいとか、今補助金がもらえればいいとか、今税金が取れればいいと、こういうことですね。
しかしかつて明治時代ですね、日本が外国の植民地にならないように頑張った時には、やっぱり節電なんかしようということじゃあないんですね。この所をですね、もう一回考え直す必要があるなぁと思いまして、ちょっと立ち話致しました。