大事件1 中部電力課長の発言から一夜 (7/17)
日本のエネルギー政策の公聴会で中部電力課長が「福島では一人の死者も出ない(何を騒いでいるのだ)」と公式に発言し、さらに記者のインタビューに対して「原発を止めたら日本がダメになる」と答えていたのを聞いて、久しぶりに頭に血が上ったのですが、一晩、眠れぬ夜を過ごしてみると、この発言の全貌がわかったような気がします.
私が今、到達している結論は「やはり、日本の指導層は民主主義は間違っていると信じている」と言うことです。これまでも著作物、発言などを読んだり聞いたりして、どうも日本の指導層が民主主義を良いものと思っていないような気がしていましたが、この発言はまさにそのような背景を持ったものです。
日本の原子力は次のようなステップですすんできました。
1)日本の産業と軍事(核武装)を発展させるためには原子力を進めなければならない、
2)しかし原爆を落とされた日本では原子力を進めるのは国民の抵抗が強い、
3)そこで国民に2つのウソをつく必要がある、
4)一つは原子力を平和利用に限ると約束する、
5)もう一つは原発が安全だと約束する、
6)並行して核武装のために遠心分離器によるウラン濃縮と核廃棄物が2.6倍になる再処理をして原爆用のプルトニウムを得る、
7)法規では国際基準に合わせて「1年1ミリ」と決めておくが、事故が起これば1年100ミリまで大丈夫と言う、
8)現実に福島原発の事故が起こってみると、当初の作戦通り、日本の指導者は「1年1ミリの法規を守るのはけしからん!」と豹変してくれた.
この中で「1年1ミリ」は国際基準なので、日本だけが1年100ミリでは食材ばかりではなく、工業製品の輸出もできません.そこは曖昧になっていたものと思います.いわゆるダブルスタンダードで、日本国民と国際的には「1年1ミリ」と言っておいて、心の中は「1年100ミリまで良い」ということです。
この場合の「良い」というのは、「健康に問題はない」というのではなく、「原子力のためにある程度の犠牲を出しても良い」という意味です.日本は集団性の強い民族(文化かも知れない)で「全体のためには個人を犠牲にして良い」という傾向があります。
先の戦争で日本軍が強く、特攻隊が維持できたのは「全体のために我が身を犠牲にする」ということが国民の合意でもあったのです。「我と我が身を犠牲にして日本のために尽くした」という戦記を読むと、日本人の血が騒ぎ、つい感激してしまうのです。
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中部電力課長の発言は、言葉を換えれば「福島原発の事故なんて問題ではない.死者は出ないのだから」ということになる。つまり、逃げたり、除染したり、農作物を捨てたりすること自体が無意味で、人も死んでいないし、これからも死なないから、騒ぐなということだ。
そして「原発は日本にとって必要だ。国を滅ぼすつもりか」と言っているので、もともと原発で福島ぐらいの事故は事故とは言えない。だから福島規模の事故は「危険」とは言えないというのが電力会社の公式見解だ。
たしかに、1年100ミリまで大丈夫といっている人もいるし、1年1ミリの法規がなく、電力会社が今まで国民に説明してきたことも無かったことにすると、理屈は通っている.
仙台と名古屋で2回の公聴会があり、2回とも電力がでて所属を名乗り、仙台では「会社の見解」ということで意見陳述を行っている。つまり、次のことは現在の日本の電力会社の「公式見解」であると考えられる.
1)福島原発の事故は「事故と呼ぶほどのものではない」、
2)従って、福島原発は「安全な原発」だった、
3)従って、日本の他の原発も「安全」である、
4)福島原発の事故を「事故」と呼ぶ方がおかしい、
5)電力が国家であり法であるので法を無視するのは当然だ。
6)従って原発の再開は当たり前のことである。
このことが電力の公式見解であるとすると、これまでの東電、関電の威張った対応や、マスコミのへりくだった電力に対する姿勢を理解する事ができる。
でも、このような電力会社は日本の電力会社としては認められない。従って、九電力のうち東北電力、中部電力は直ちに解散して、新しい会社に移行すべきである.このような暴力団的、反社会的団体を残しておくことはできない。
他の電力会社は急いで見解を発表して、自ら解散するかどうかを決めるべきである.政府の増税に続く、あまりにも大きな反社会活動である.
(平成24年7月17日)
---------ここから音声内容--------
昨日の名古屋におけるエネルギーの将来の公聴会でおける中部電力課長の発言はですね、私にとっては大事件でした。一夜ですね、ややうなされました。日本のエネルギー政策の公聴会でですね、中部電力の課長が自ら名乗り、ま、名乗ったのはいいですけどね、「福島では一人の死者も出ないから問題ではない」と発言して、「原発を止めたら日本がダメになる」と答えました。久しぶりに頭に血が上ったわけですね。
私は実はですね、電力(会社)も、原子力の技術者もですね、共に「事故を起こさないように」と思ってやってると思ってたんですよ、実は。だけど、やむを得ず事故が起こる、これは許せないことだけども、やむを得ず事故が起こったと、こういうふうに思ってたらですね、実はこの中部電力課長の発言はですね、「一人の死者も出ないんだから、いいじゃないか」と、「原発を止めたら日本がダメになるんだから、何言ってんだ」っていうこういうことでしたので、まぁビックリすると共に「やはりか」と思いましたね。
私が一番そう思ったのは、やはり「民主主義を信じてない」っていうことですね。今までもそういう気がしてきたわけですが、私がそう思った、一晩そう思ったですね、経過はですね、「日本の原発は産業と軍事、核武装を発展させるために原子力を進めなければならない」とこう決まってですね、「しかし原爆を落とされた日本では原子力を進めるには国民の抵抗が強い」だろうと。まぁそういうことで、「国民に2つのウソをつく必要がある」ということになったわけですね、今から40年ぐらい前ですが。
「一つは原子力を平和利用に限ると約束する」こと。もう一つは「原発が安全だと約束する」ことの2つなわけですね。その後、核武装用にですね、ウラン濃縮は遠心分離器を使います。再処理は2.6倍に核廃棄物が増えるにもかかわらず、原爆用のプルトニウムが取れるということで実施します。それからもう一つ、国民にウソつくこと。つまり、原発が安全だと約束するということで、「国際基準に合わせて被曝は『1年1ミリにとどめる』ということを決めます」が、「事故が起こったら突如『1年100ミリまで』というふうに言ったわけですね。特に指導者が『1年1ミリの法規を守るのは、けしからん!』と豹変した」わけですが。電力(会社)の計画通りっていうことです。
ただちょっと、その中で私の頭が曇ってるのはですね、「1年1ミリ」ってのは実は国際基準なんで、「1年100ミリ」っていうと食材も輸出できない、工業製品も輸出できないということで、「どうなのかな」と思うんですけど、そこはちょっと曖昧になってたんだと思うんですね。つまりですね、電力会社が「安全だ」と言うのは、「健康に問題がない」っていうんじゃなくて、「原子力のためにある程度の犠牲者を出しても良いんだ」という意味なんですね。
日本は集団性が強いので、「全体のためには1人、2人、個人が犠牲になっても良い」っていう、そういうことがあるんですよ、ええ。それはですね、昔からなんですね。実はあの、かつての戦争で日本軍が非常に強かったし、特攻隊なんかも維持できたということは、「全体のために我が身を犠牲にする」ということが国民の合意だったわけです。「我と我が身を犠牲にして日本のために尽くした」という戦記を読むとですね、私も含めた日本人の血は騒いで、つい感激してしまうわけです。
その時はそれで良かったのかもしれませんが、中部電力課長の発言はですね、言葉を換えて言えば「福島原発の事故なんて問題じゃない」と、「死者が出ないんだから事故じゃない」と、「事故じゃないのに、逃げたり、除染したり、農作物を捨てたり、苦しんだりすること自体が無意味なんだ」と、「人も死んでいないし、これからも死なないんだ」と、「騒ぐな」と、こういうことを言ったわけですからね。そして「原発は日本にとって必要なんだ。原発をやめて国を滅ぼすつもりか」とこう言ったと。いったい電力会社ってあれ私企業なんですからね、別に電気が売れればいいんであって。何て言うのか…何を考えてるか…だから分かりませんでしたね。つまり、今度の福島規模の事故は、電力(会社)から言えば「危険とは言えない」というのが電力(会社)の公式見解なんですよ、ええ。
電力会社は今まで「1年1ミリに抑える」と言ってきたんですよ。いやぁ、だけど、どうですかね。仙台と名古屋で2回の公聴会があり、2回とも電力(会社の社員)が出て、特に仙台では「会社の見解」ということで言いましたからね。ということは、東北電力、中部電力ばかりじゃないんですよ。全ての電力会社がそう思ってるってことですね。つまり、電力会社はこう考えてるわけですよ。「福島原発の事故は『事故と呼ぶほどのものではない』」 従って、「福島原発事故は起こったけども『福島原発は安全な原発』なんだ」と言ってるわけですね。
従って、「日本の他の原発も『安全だ』」とこう言ってるわけですよ。それで、だから「福島原発の事故を『事故』と呼ぶ方がおかしい」んだとこう言ってるわけですよ。私がバッシングされた理由が分かりますよ。そして、「電力は国家だから、法律で決まってたって電力が法を無視するのは当たり前だ」って言ってるわけです。「従って原発の再開は当たり前じゃないか」とこういうわけですね。
まぁ東京電力の勝俣前会長が一回も福島に謝りに行かなかったのが分かりますよ。彼らは謝る必要が無かったんですよ。「別に事故じゃないのに何騒いでんだ」ってこういうことだったんですね。いや~まぁ、これはですね、どうなんだ!?っていう感じですね。他の電力会社も直ちに公式見解を発表して欲しいですね。福島原発は事故なのか? もちろん30ミリシーベルト、40ミリシーベルト浴びた人がいるわけですが、その人達はいいのか? 私はね、もう直ちに解散する必要があると思います、電力会社は。新しい会社に移行して、経営陣を刷新しなきゃいけないですね。
つまり、暴力団的なんですよ、つまり反社会的団体なんですよ。あれだけ法律で決まってて、日本がこれだけ大騒ぎして、それで世界的にも注目されていたのに、「それは事故ではない」って言うんですから。「一人も死んでないじゃないか。これからも死なないよ」と、「だから事故じゃないよ」ってハッキリ言ったんですからね。これは他の電力会社が、まずは東北電力と中部電力は解散してもらうことにして、他の電力会社も急いで見解を発表し、「自分たちはどうなのか」ということですね。
私はこの前の政府の増税は、非常に大きな反社会的活動だったと思うんですが、このですね、原発のこの中部電力課長の発言はビックリしました。というかですね、私、実は名古屋市で中部電力の方とお会いして会議した時に、全くあの福島原発の後、威張ってんですよ。「何が俺たち悪いんだ?」と、こういうふうなことを言われたんで、私も何て言おうかと思いましたね。別に東京電力と違うっつってんじゃないんですよ。「事故が起こったということは別にどうってことはないじゃないか」と言ってるわけですからね。
私のこの文章も、私が言ったことも、ちょっと論理的にまだ少し混乱してますね。あまりのことに、「電力会社が反社会的団体である」っていうことを目の当たりにしてですね、これは動揺しない方がちょっとおかしいんじゃないかと思います。この後もう少し、私は突っ込んで整理を進めて…(ここで音声が途切れていました)
(文字起こし by haru)