国は正しい?? 水俣病と福島原発 (5/29)
水俣病では多くの人が苦しみました。それは「水銀が毒だ」ということが始めてわかったからです。それまでは神社の朱色は硫化水銀、女性のおしろいは酸化水銀、奈良の大仏は水銀アマルガムを使っていました。
水銀を工場で使ったのは日本窒素という会社でしたが、もちろん国の許可をえて創業を開始し、社会にも貢献していました。でも、事件が起こると国は責任を逃れ、日本窒素は裁判所から「無過失責任(過失はないけれど責任はある)」という判決を受けました。
まさに、何かが起こると「国は正しい、民に罪をかぶせる」ということを裁判所が追認しているのです。操業手順を守り、認可を得て、排水基準を守っていた日本窒素は残念だった出しょう。もちろん日本窒素にも若干の問題点はありましたが、「国が正しい」ということを前提としているので、責任を一手にかぶったのです。
福島原発も同じでした。東京電力の態度はいただけませんが、「民間の会社に任せておいては危険だから」という理由で「原子力安全委員会」、「原子力保安院」、「原子力安全機構」など公の機関を数多く使い、あたかも「安全は国が責任をもって審査している」ということだったのですが、未だに国は訴えられず、誰も罪に服していません。
役人は何をしても罪はない、国の認可は何も認可している訳ではない、でも国の認可を得ないと何も出来ないという社会は間違っています。司法がシッカリしないので、法的に改善されることもないでしょう。私たちがこのことを意識し、日本国の主人として直していくしかないと思います。
(平成24年5月29日)
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ええと、水俣病っていうのがありましてですね、今からもう50年以上(前)になります。多くの人が苦しみました。これはですね、「水銀が毒である」っていうことを初めて知ったんですね。それまではあの、私たちよく知ってるように、神社の鳥居とかそういうとこに塗ってある朱色は硫化水銀でしたし、女性のおしろいは酸化水銀でした。奈良の大仏は水銀アマルガムを使って造りました。このように水銀はですね、普通に日常生活で使われておりまして、誰も病気になった人はいませんでした。
その水銀を初めて使ったのが「日本窒素」という会社でした、工場で使ったわけですね。もちろん国の許可を得て創業を開始し、社会にも大きな貢献をしておりました。しかし、患者さんが出て事件が起こると国は責任を逃れ、日本窒素は裁判所から「無過失責任」という判決を受けるんですね。「過失はないけども、責任はある」。過失は国にあったんですよ、実は。ところが裁判所は国を罰するのは怖いっていうか、裁判所自体が国ですからね。それで国を罰しないで、日本窒素を無過失責任、「過失が無かったのに、お前責任取れ」というんで判決が起こりました。
このようにですね、何かが起こりますと「国は正しい、民に罪を被せる」ということを裁判所が追認してきました。日本窒素にしてみればですね、操業手順を守り、許可を得て、排水基準もきちっと守っておりました。そういう点では残念だったでしょうね。もちろん日本窒素にも若干の問題点はありましたが、「国が正しい」ということを前提としてるので、責任を一手に被ったわけですね。
福島原発も同じです。もちろん東京電力の態度っていうのは頂けないんですけども、「民間の会社に任せていては危険だから」ということで、安全についてはですね、「原子力安全委員会」 「原子力保安院」 「原子力安全機構」など多くの機関があり、膨大な人が出て、また税金をものすごく使って「原子力の安全は国が責任を持ってるんだ」という風に言ってたわけです。そうじゃなかったら、我々税金払えませんからね。
にもかかわらず事故が起こると、国はまだ訴えられていないし誰も罪に服してません。役人は何をしても罪がない、国の認可は何を認可してるわけでもない、原子力の安全を国が認可したわけじゃない、だけども国の認可がなければ何も出来ないという社会ですから、これ間違ってますね。司法がしっかりしないので、法的に改善されるってことはこれはないでしょう。
裁判所っていうのは、今の裁判所は全くダメになってますからね。その意味では私たちがこのことを意識して、私たちが日本国の主人ですから。私たちが動いて、この「役人は何の責任も無い」というのをですね、直していかないと結局、水俣病でも、今度の原発事故でもですね、「被害を受けるのは我々、税金を使われるのも我々」、「逃げるのは役人」と、まぁこういう風になってしまってですね、私たちは自分たちを相互に批判するだけで全然改善されないと、まぁこういうことになってるわけですね。このことにやっぱり気が付くことが必要だと思います。
(文字起こし by danielle)