集団自殺を回避する方法(3)・・・世界に目を向けて物事を単純に考える (4/22)
原発を再稼働しないときに、日本人が集団自殺をしないようにするための方法の最終回、原発がない国はなぜ集団自殺をしないのか?を整理してみます。
このグラフはアジア諸国のこれまでとこれからの電力に何を使うかを整理したもので、ほぼ同じような統計や見通しが多くの機関からだされています。グラフを見れば一目瞭然で、説明の必要もないぐらいですが、今後の電気は原子力や自然エネルギーもあるものの、主力は「石炭と天然ガス」で、それも2005年から2030年までにほぼ2倍にできるとしていることがわかります。
これは、「石炭や天然ガスがまだたっぷりあるのだから、まずそれから使う」という素直で単純な考えです。ウランの寿命は石炭や天然ガスとほぼ同じぐらいですが、原子炉が危険で、核爆弾の拡散を止める方法もないということですから、やはりまともな神経なら石炭や天然ガスを使うということになるのは普通です。
また自然エネルギーは値段が高い(資源をより多く使う)ので、経済的にも石炭火力などに対抗できるようになるまでマイナー(少量)であるのも当然ともいえます。
でも!! このグラフと日本の政府、マスコミ、専門家の言っていることがあまりに違うことに違和感を覚えない人がおられるでしょうか? 日本では「原発を増やさなければ、集団自殺だ」と言う政府の人があいますが、もともと原発はそれほど主力ではありません。
また、日本では「原発を石炭や天然ガスに変えると電気代が高くなる」というひともいますが、日本より経済力が低いアジアの諸国も、本当に原発が安いなら原発をやりたいのです。でも、ウラン燃料、安全保持、核廃棄物を総合すると原発の方が高くなると見ています。
先日、日本原子力委員会が「原発を止めた方が核廃棄物の処理が10兆円ぐらい少なくなる」という試算を出しましたが、それが普通(国際的)です。
さらに、日本では「石炭や天然ガスを燃やすとCO2がでて地球が温暖化する」と専門家は言うけれど、それは日本だけで、日本以外で1997年の京都会議以後、CO2を削減している国は世界にない(ドイツ5%増加、イギリス11%増加枠、減少枠は世界で日本だけ)という事実を真正面から見なければなりません。
原発を再開するかどうかを考えるときに、私たちは大人の責任として、「日本以外の国の考え方」を参考にしなければならない。まねる必要はありませんが、「なぜ、他の国は石炭と天然ガスなのだろうか?」、「なぜ、他の国はCO2を減らしていないのだろうか?」ぐらいはどうしても考えて自分なりの答えを出しておかなければ子供への責任を果たせないからです。
私はと言えば石炭、天然ガスが多いのだから、おおよそ1000年、少なくとも200年は石炭火力と天然ガス火力を主力にして日本の電力生産を増やし、原発は今の廃棄物をそのまま地下にしまい込むのがもっとも良いと考えています。
「原発を再開でいないのは集団自殺のようなものだ」というような不見識な政治家がいて、本当に困ったものです。
(平成24年4月22日)
--------ここから音声内容--------
ま、1990年にバブルが崩壊した後ですね、日本人は自分で考えなきゃいけないようになりました。そのために若干違う方向に行ってしまいましたね。えー、その一つがですね、リサイクルにしても温暖化にしても、年金にしても国債にしてもですね、ま、それからあの電力を何で、どのエネルギーを使うかということについても、非常に特殊になりましたね。
えーこのグラフは、アジアの電力事情のそのエネルギー源を示したもんですけれども、2005年の調査なので2005年のとこに線が引っぱってありますが、ま、今2012年ですからそこら辺を見ていただきますと、これから何を電源の元にするのかつったら、ま、「石炭と天然ガス」なんですね。えーこれは、あの別にその人たちが・・・その国が悪いって言うのも変なんですよね。「何で石炭と天然ガスを主力にするかっていうと、いくらでもあるから」ですね。それから地球温暖化はあんまり関係ないから、っていうこの二つですね。
で、これが、こういうように他国が考えている、ということを認識する必要があると思うんですね。ええと「日本以外の国はバカだ」と、「日本は非常に優れてるんだから、日本だけは別のことをやってもいいんだ」って、まぁ確かにそれはその通りなんですけども、ほんとですか?っていうことですね。例えば日本で原発が動かせなくなると、自然エネルギーつってですね、もうみんなが自然エネルギーの方に行こうとしてますけども、それは世界の傾向とは全然違いますよ、ってことですね。
これはたまたまアジアなんですが、世界全体でも同じなんです。やっぱり石炭、天然ガス、シェールガスといったですね、従来型の化石燃料、私の分類では石油型燃料と言ってもいいですし、それから還元炭素系資源と言ってもいいんですけども、こういった還元炭素を主体とした資源。これをですね、当面使っていこうっていうのが世界的なコンセンサスなんです。
世界的なコンセンサスだから、えー日本がそれに従わなければならないってことありません。ありませんが、何故日本だけが特殊な議論をしてるのか?ということは、あの考えてみなければいけないと思いますね。
例えば、仙石さんがえー、「原子力発電所を止めると集団自殺みたいなもんだ」と、まぁこう言われたわけですが、これはあの日本社会で独特の言い方ですね。例えばこのグラフ一枚知っていれば、「何言ってんの?」って感じですね。「元々原子力発電ってあんまり増えないんじゃないの?」と、石油・石炭を使うんじゃないか。じゃ石油・石炭を使うと、競争力がなくなる?そんなことありません。
ええとこの前、原子力委員会が「原発を止めると核廃棄物の処理が10兆円ぐらい少なくなる」と、まぁいう発表をしましたが。えー元々ですね、日本の電気代って2倍なんですよ国際価格の、大体。こんなことってないんですね、これはあの電力の独占によってそうなってるだけですね。ですから、元々ですね、原発をやらないと日本の電力の国際競争力が無いんじゃなくて、日本は元々電力会社が独占なので、2倍の電気を売ってるっていうことですね。それをまた今度「石油・石炭にするともっと高くなる」つって脅してるだけのことだと、ま、いうことですね。
そういう点ではですね、やっぱりあのタイミングっていうのは常識がありますからね。もちろんあの、今から1億年後には石油は無いよ、と。それはそうなんですけど、ま、かもしれませんが。しかし我々はそんな先まで考える必要ないわけですね。ま、1万年も経ちますと日本は氷に覆われて誰もいないわけですから、ま、1万年持てばもう十分なわけですね。ま、せめて千年、ま、200年持てば、今別に石油・石炭使ったってまぁ良いわけですから。
これはあの、今まで20年間ぐらいですね、えー天下り先を探す役人、利権を追う政治家というのはまぁ・・・人がいてですね、それに基づいて、ま、作られた、ま、石油・石炭が無いという、ま、還元炭素系資源が無いという、そういうですね、“作られた話が日本だけにある”ということですね。もう少しやっぱり私たちはグローバル時代って言うんですから、やっぱりこう世界に目を向ける必要があると、私はそう思いますね。
えー温暖化もそうです、リサイクルもそうです。年金とか国債もそうですが、やはり我々はですね、常に世界に目を向けながら、その中で日本のポジションをどう取っていくか、ということをちゃんと考えるということが必要じゃないかと思います。
えーこれで失敗したのが、第二次世界大戦でナチス、ヒットラーの後をくっ付いて行って、我々は310万人の人が死ぬという大災害をもたらした。ま、それ以後ですね、やはりあの日本独自の考えもいいけど、やっぱり世界と日本とを比べながら、ええと、よく考えていくということになったはずでありますが。最近またですね、日本の中に閉じこもり、えー特別な情報で操作された考えが横行してるように私は思います。
(文字起こし by danielle)