あの明るかった日本に戻るために(2)・・・空気を事実としないで、事実を事実とする (3/28)
とても重要なことがわかったような気がします。そして、あるいは私の長年の苦闘は意味が無かったのかも知れません。リサイクル、ダイオキシン、温暖化、そして国債や年金問題・・・こんなに簡単なことをなぜ知識も頭の回転も良い評論家が判らないのだろうか?と訝った(いぶかった)ものです。
ところが最近、あるテレビに出ているときに、その理由がよく判ったのです。テレビに出ているときには気が張っていますから、集中力もあり、普段気がつかないことを気がつくものですが、これもその一つでした。
明らかに事実がはっきりわかっているのに、目の前の評論家がそれを否定するのです。私は思わず声を荒げました。「これほど事実がはっきりしているのに、否定するのですか?」というわけです.その人はそれでも頑(ガン)として否定しました。その時、私ははっきりと判ったのです。その人の目は「わかっている」と言っていたからです。
私は「事実を事実として認める」のは誰でも否定できないと思ったのですが、その評論家は「事実より、空気(みんながそう思っていること)が事実である」という確信があるのです。みんなが「地球は平らである」と言えば平らであり、事実は地球が丸くてもそんなことは関係がないという考え方です.
「みんながそう思っていることが事実」というのは昔からあることです。たとえば中世のヨーロッパでは何か悪いことが起こると「魔女のせい」と言うことで、みんなで相談して普通のおばさんを魔女にして火あぶりにするということが長く行われてきました。これなども「空気を事実とする」という典型的なものです。
それの少し変形バージョンが「政府が言ったことをそのまま信じてはいけないのですか?」という問いです.2012年3月にある地方の人が質問したのにはビックリしました。なにしろ民主党が政権を取った選挙以来、今の政権が何回ウソをついたか数え切れないぐらいなのに、その事実を認めずに「政府は信用できるものである」という前提を崩さないのですから、日本人は本来、空気の中に生きているのではないかと思ったりしました。
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「事実を事実とするのではなく、空気を事実とする」ということと「東京の評論家や官僚、東大教授」というのが密接に関係していることも納得できます。私は実験系の科学者でしたし、農業、建築業、工業、学校、医師・・・などは「事実は事実」としないと失敗します。目の前にある事実、科学的事実に基づかないと、すぐダメになるからです。
ところが、東京の人は食糧自給率1%、原発の電気は使うけれど核廃棄物もイヤだという架空の世界に住んでいます。だから、現実にCO2で温暖化してようとしていなくても、原発を動かせば廃棄物がでることも知っていますが、そんなことは関係なく、みんなが「CO2で温暖化している」、「核廃棄物はないも同然」と言えば、それを事実にしてもまったく困らないのです。
東京の人は力(政治、学問(東大)、報道(NHK))を持ち、お金が豊富ですから、「原発の電気はいるが、原発の運転の危険性は貧乏な福島と新潟がやり、廃棄物は青森がやれ!」と言っても、それで通る(つまり本当に事実になる)のです。
私が接している評論家も、「事実」を懇切丁寧に話してもほとんど興味がありません。「空気を事実とする」という強力なグループ(環境省、東大、NHK)がいて、それでしっかりとバインドをしているので、「事実」など認めなくてもちっとも困らない体制ができています。
科学的、合理的なことが認められない社会、それこそがかつての憲兵の社会であり、ソ連が崩壊した独裁の社会だったのです。ソ連の崩壊の最後に起こった「ペレストロイカ」、これは情報公開と訳されていますが、「空気(ソ連政府)による事実」から「事実を事実として見る」ということであり、それによってソ連の国民がなにが起こっているかを知ったのです。
2011年3月11日まで「被曝は危険」と言って来たのに、12日から「被曝は大丈夫」に代わったのは、被曝と健康に関する「事実」が代わったのではなく、事故があまりに大きいので被曝の法律を守ることができないと考えた人が作りだした「空気」が代わったからです。
日本にもペレストロイカが必要です。それには、多くの日本人が「何か変だ」、「政府は信用できない」と思っているその原因が「東京の評論家や学者による「空気を事実とする」という報道」にあることが判れば、また明るい日本に戻ることができるでしょう。
(平成24年3月28日)
--------ここから音声内容--------
ええと、まぁあの、「最近、日本暗い」ということで、私もブログに書いておりますし、ま、そういうこと言う人も多いわけですが。ま、それはですね、ま、暗いつって、ま、ガッカリしちゃいけなくて、ま、原因さえ判れば、ま、それを明るくすることができるわけですね。
私、最近非常に重要なことが判ったような、自分で気がしております。もしくはですね、私が今まで、ま、学問的には別にそんなに苦労しませんでしたけど、ええと、もう社会的な活動としては大変に苦労したのが、例えばリサイクルとかダイオキシン、温暖化、そして、まぁちょっと分野が違いますが国債問題、年金問題、ま、こういったことでですね、何か事実がこう、皆さんちょっと…評論家ですね、主にね。評論家と科学者が分かんないんだろうかなぁ?と、その訝(いぶか)ってきたわけですね。ま、結構知識もある、頭の回転も良いのに、何か話が噛み合わないんですよ。
で、ところが最近、あるテレビに出てたときにその理由がですね、パッと判りました。え、まぁテレビに出てるっていうのはですね、まぁあの番組の、ま、程度っていうのはどうにしてもですね、まぁグッと集中してますしね。えー、そいで相当、ま、力も入れますから、やっぱり普段気が付かないことが気が付いたりするわけですが。
その一番大きかったのがですね、もうハッキリと議論で事実が判ってるんですよ、そこで。それなのに私の目の前にいる評論家が、それを否定したんですよね。私はね、あん時、思わず声をちょっと荒げました。「何で?これほどはっきり事実が判ってるのに、何で否定するんですか?」って、こう聞いたわけですけど。その人はね、私の目の前で頑(がん)として否定するんです。
そのとき私は、その人の目を見ながら話しましたからね、相手の人が「事実を知ってる」ということを判ったんですよ。“あ、なるほど!”って思ったんですね。つまりですね、私の相手をした評論家はですね、「事実を事実として認める」つうのが僕は当たり前だ思ったんですけど、そうじゃなくて、「空気」・・・つまり“みんながそう思ってること”が「事実」であるという、本人に確信があるんですね。
つまり、えー、地球は実際は丸いんですけども、みんなが地球が平らであると言えばですね、もう事実が丸くったって、そんな事どうでもいいんですね。平らと言って済めば。それはそうですよね、平らつったって別に日常生活、困るわけじゃないわけですね。もちろんこういったですね、事実を事実として認めなくて、「みんながそう思ってることを事実」と言うのは、まぁ昔からあるわけです。
まぁその、一番良い例がその、「魔女」なんですね、中世のヨーロッパの。何かこう、台風が来たりなんかして悪い事が起こると、みんなで相談して、普通のおばさん一人、魔女にして火あぶりにする、と。一応これでもう、「あ、あの悪いことは無くなった」っていうふうにみんなで思う、っていうことですね。それはあの、事実であるかどうかってことはあまり気にしないわけですね、気にする必要ない。つまり人間社会はどうせ架空でできてるから、そんなこと気にしなくていいよ、っていうことですね。
これの少し変形バージョンで、少し難しいんで、あの混乱するかもしれませんが。この前ですね、ある地方に行きましたらですね、「政府が言ったことをそのまま信じていけないんですか?」って質問を受けました。これビックリしましたね。何でビックリしたかっていうとですね、民主党が政権取って以来、今回の政権はですね、ま、十回以上はウソついたでしょうね。十回以上ウソついた政府を信用できないのは当たり前で、これは事実がそういうことですからそれでいいんですけども。まぁ空気としては、日本人は本来、「政府を正しいことを言う」という前提に立ってますからね、だから、そっから抜けられないんですね。これもやっぱり事実を見ないっていうことですね。
えーつまり、このようにですね、「事実を事実とするんではなくて、空気・・・みんながそう思ってるとかですね、今までそう言われてきた、ということを事実にする」というのはですね、実はそん時、同時に気が付いたのは、「東京の評論家、官僚、東大教授」というのはですね、東京のですよ、これが密接に関係してることは納得しました。
つまりですね、私は実験系の科学者ですし、それからまぁ農業やってる人、建設業やってる人、工業やってる人、ま、セールスマンの方もそうですね、ビジネスの方、学校で教えてる人、医師。こういうのはみんなですね、相手が事実ですから、事実を事実としないとですね、えー、クラスに40人いるのに80人だつったって、ま、現実に40人ですから、これしょうがないんですね。えー、工場を運転してる人で、温度が60℃を無理やり80℃つったら、ダメになっちゃいますからね。だからまぁ、「事実を事実」としてやらないと失敗するわけです。
ところがですね、東京で、例えば評論家やってる人はですね、食料自給率1%ですから、自分たちの食料作らなくていいんですよ。そいで、たらふく食べられるんですね。そいで私が最近よく言いますが、「原発の電気は使いたいけど、核廃棄物はイヤだ!」って言うんですね。いや、だから、「核廃棄物が無くても、電気は使える」と思ってるんですよ。だから考えてみればですね、変な話ん中にいるわけですね。
だから現実に、まぁ私が言ってきた、「CO2で温暖化していない」と私が言ってもですね、そんなこと興味ないんですよ。いや、みんなが「CO2で温暖化してる」と言えば、みんなっていうのは世界は違うんですけど、日本がですね。そうすっともう、これは「温暖化してる」ということになるし。そいからあの、原発から核廃棄物が出ないとしとけば、一応もう、発電所の中に積み重ねときゃいいだろう、と。誰にも見えないんだから、それは無いという事にしといて、子供にツケたらいいじゃないか、と。こういうことなんですね。
ところがね、この架空の事をですね、事実とするのにグループがいるんですよ。そのグループはどこのグループかつったら、実は私が今まで断片的に書いてきたのは何かっていうとですね、それが政治であり…現在の政治であり、東大を代表とする学問であり、NHKを代表とする報道なんですね。この人たちはお金が豊富ですからね、「原発の電気は欲しいけれども、原発の運転の危険性は貧乏な福島と新潟がやって、廃棄物は青森がやれ!」と言ったらですね、一応それで通るんですよね。つまり、架空の事もですね、えーっと、通ってしまうわけです。「お金の力とか権力の力で通ってしまう」。通ってしまうのがですね、これがやっぱり、「現実的にみんなの言うことがほんとになるから、いいんじゃないか」ってことですね。
だから私はですね、今までその、私の目の前にいる東大の評論家に対して、「事実」を懇切丁寧に説明してたわけですが、これね、ほとんど相手興味ないんですよ。というのは、私は事実を話そうとしてる、向こうはですね、空気を知りたいとしてるわけですから、どうにもなんないんですよね。
この、ま、お役所で言えば環境省、例えば私の相手にした東大、NHKがいてですね、これが固くバインドしてるんですよ、団結してるわけですね。この人たちは、別に「事実」を認めなくても全然困らないんですね。
だから、例えばIPCC(気候変動に関する政府間パネル)がですね、えー、「温暖化すると南極の氷は“増える”」と書いてある文章を、その、「温暖化したら南極の氷が“減る”」と訳すわけです。これはまぁ、一種の詐欺ですけども、訳しても全然どうってことないんですよ。東大教授がそれをまた裏付けし、NHKがそれを報道すれば、えー、IPCCの報告書に「南極の氷は温暖化したら増える」と書いてあっても、日本の中はもう「減る」というのが事実になってしまうんですね。で、その「IPCCにほんとには『増える』と書いてありますよ」って私なんかの方を、罵倒するという、ま、そういうことになるわけですね。
ま、こういった社会、これは科学的、合理的なことが認められなかった、かつての日本の憲兵の時代であり、ソ連が崩壊した独裁の時代であり、まぁ世界的にはナチスの時代だったわけですね。こう考えますとですね、えー、ソ連が崩壊したのは、ウソが積み重なった後、「ペレストロイカ」、つまり「情報公開」と訳されておりますが、これは単なる情報公開じゃありませんね。
えー、日本も今、ま、一応情報公開の世界ですが、えー、ペレストロイカの前はですね、ソ連はですね、ソ連政府が作った空気による事実ですね、今で言えば東大教授とNHKが一緒になって作る、「空気による事実」からですね、「事実そのものを見る」というふうに変わった。それによってソ連国民がですね、自分の国で何が起こってるかを知ったわけですね。
その一つとして、今度起こりましたね、えー、2011年3月11日。福島原発が爆発する前は、「被曝はいけないことだ、危険だ」と全員が言ってたのに・・・全員っていうのは、政府、東大、NHKグループですよ。3月12日になって爆発しますと、「被曝は大丈夫」と変わりましてですね。えー、それまでの法律をそのまま言ってた私はもう、えらいバッシング受けましたが。
これはですね、被曝と健康に関する「事実」が変化したんじゃないんですね、ええ。事故があんまり大きいので、被曝の法律を守ることができないと考えた人が作り出した「空気」に拠ってる事実に変わったからですね。そう考えますとですね、日本を明るくするのは簡単なんです、“ペレストロイカ”選べばですね。
今、多くの日本人が「何か変だ!」と思ってます。高校生の97%が「政府が信用できない」と言っております。その原因の一番大きいのはですね、私は、「東京の評論家や学者が発する『空気を事実とする』という報道」…NHKの報道にあるわけですから、これが判ってですね。ま、ソ連もずいぶんペレストロイカになってロシアになって、明るくなりましたね。その点ではですね、明るい日本取り戻すのはペレストロイカですね、ええ。えー、情報公開。
ま、逆の言葉を言えば、「事実を事実とする」んであって、「空気を事実としてはいけない」っていうことですね。これには背景がもちろんあります。何故「空気を事実とするの?」って言ったら、例えば御用学者は、政府がAと言えば御用学者はAと言う、と。そうしたら研究費が来る、例えばこういうことですね。例えば、官僚はBを何と言ってもですね、とにかく天下りのところを作ればいいと、こういうことになりますね、みんなそうですから。
だからまぁ、日本が大きくなり、全体が見えにくくなり、そして食料自給率1%、原発の電気は使ってるけど原発の汚いとこは全部イヤと、こういったですね、架空の人たちがしっかりとしたバインドを組んで団結してるんですね、これが問題なんですね。この団結力に負けちゃうんですよ。
例えば、あるところに「武田先生、こんなこと言ってるんですけど」、「あんなのウソだ」とこう言う人が10人いるとですね、「あんなのがウソだ」という方がホントになる、と。これもうしょうがないですね、これはまぁ、社会がそういうもんなんで。
しかし、もちろん、あのソ連の例を見ても、どこ見ても分かりますけどね、ナチスのヒットラーの例も分かりますように、こんな架空的な世界が長く続くわけありませんから、そのうちこれが判ってですね、ま、全部ダメになる。しかしダメになる前に我々は気が付いて、我々の子供たちに、良い日本を引き継ぐようにしなきゃいけないと、私は思います。
(文字起こし by danielle)