「瓦礫」のトリック・・・その危険性とトリックを正しく知ろう | お手伝いさんたちのブログ

お手伝いさんたちのブログ

中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

「瓦礫」のトリック・・・その危険性とトリックを正しく知ろう (2/28)



震災瓦礫の問題を「日本の大変大きな問題」としてとらえ、これを国民としての誠意をもって整理をしてみます。数字は丸めてありますが、正確ですから、まずは問題の本質を良く理解するところから始めたいと思います。本当は政府や自治体が出すべき数値ですが、なかなか出さないので私の方から説明します。



1. 瓦礫の量は阪神淡路大震災と大きく違うのか?

阪神淡路大震災の時の瓦礫の量は2000万トン、東日本大震災2300万トン(環境相発表)で、わずかに東日本大震災の方が多いが、地域が広いことを考えるとほぼ同じか、むしろ東日本の方が面積あたりにすると少ない。



2. 瓦礫全体の内、どのぐらいを被災地の外で処理するのか?

瓦礫総量の内、わずか20%の約400トンを東京やその他の地域で処理する。80%が現地処理。



3. 瓦礫の処理が遅れている理由は何か?

「瓦礫の処理が5%しか進んでいない。これは瓦礫の引き受けが進んでいないから」と2月21日に発表した。しかし、もともと被災地外で処理するのはたったの20%だから、被災地外の引き受けが順調で、もし半分が引き受けても10%の処理率になるに過ぎない。つまり、環境省はこれまでと同じように瓦礫の処理が遅れている理由を、国民が誤解するように発表し、専門家と言われる人はこの辺の事情を十分に知っているのに言わない。新聞も同じである。


さらにNHKは2月末の放送で「瓦礫を不当投棄するので、瓦礫処理が進まない」という自治体の言い分をそのまま放送した。山のように積んである震災瓦礫の数100分の1しかないのに、それがあたかも瓦礫の処理が遅れている理由にしている。またさらにそれを知っているNHKが自治体の言い分だけを放送するというのだから、国民が税金や受信料を支払っていることを忘れているとしか思えないのは当然だろう。



4. 処理価格のトリック

阪神淡路大震災の時の瓦礫の処理費用は2万2千円(トンあたり)、それに対して岩手の瓦礫の処理費用(税金)は6万3千円、宮城5万円。なぜ、阪神淡路大震災の時と比べて物価はやや安くなっているのに、処理費が3倍近いのかについても説明はなされていない。
自治体は政府の圧力とお金の魅力で汚染を引き受けているのではないか。この処理費用のカラクリを市民に言わずに「被災地を助ける」ということしか言わない。



5. 被災地には本格的な瓦礫処理施設を作らない

ある宮城県の自治体が仮説焼却施設を作ったと報道された。その能力を計算してみると実に小さい(このような細かいことはまた機会があったら書くようにしたいが本筋が大切なのであまり細かい数字は割愛する)。
つまり、確かに「見かけ」は「焼却施設を作った」と言うけれど、名古屋市にいくつかある焼却施設のどれにも該当しないような小さな焼却施設だ。でも素人を騙すことはできる。「被災地にも焼却施設を作っている。武田はウソを言ってる」などと言う人もいるが、私を批判する専門家なら焼却能力のカラクリを判って言っているはずである。



6. 汚染の可能性
放射能の量としては、1キロ8000ベクレルが基準値なので、2300万トンでは拡散量は約200兆ベクレルになり、日本人ひとりあたり150万ベクレルに相当する。これは1キロ40ベクレルというまともな食材汚染の限界から言うと一人あたり37年間、汚染された食事をすることを意味する。


また山形と東京が瓦礫を引き受けているが、かりに山形市が半分を引き受けたら、お金はかなり来るだろうが、その代わり山形市の汚染は1平方メートルあたり24万ベクレルと規制値の6倍、警戒領域の60倍にも達する。


このような計算をすると、「山形だけが瓦礫全体の半分を引き受けるワケではない」などという反論がでるし、それを承知でここで示している。もし、数値を問題にするなら、自治体自体が「何トン受け入れて、それによって放射線量は何倍になるのか?」を言わなければならない。民主主義だから「瓦礫を引き受けたら放射線量が何倍になり、付近の人はどのぐらい被曝するか」という数値を出すのが第一である。



まだ瓦礫処理にはトリックがあるけれど、たった20%しか被災地以外で処理せず、放射性物質は拡散します。でも、誰が考えても不合理なことをしていますし、それに「どのぐらい被曝するか」、「どのぐらいお金が入るか」、「1円当たり何ベクレルか」などすべてを透明にすることが必要です。



都知事の「黙れ!」に賛成する人は民主主義をよしとしていないのですから、お殿様のいる別の世界にお住みになったら良いのではないかと思います。人間は無意味なことはやりませんので、これほど無意味なことが行われるということは「裏がある」ということです。それがハッキリ判るように報道して、多くの人が判断できるようにするのが民主主義と言うものです。



もう一つ、瓦礫の問題で私に対する「人格攻撃」が盛んですが、これは私にとっては一つの「楽しみ」でもあります。つまり、事実を言えば相手が納得するなら、別に人格攻撃は不要です。ところが、「武田は事実を調べずに言う」(そんなことを言わずに、その人は淡々と事実を述べれば良い)、「武田大先生の信者」(そんなことを言うなら、瓦礫の説明をした方が早い)などがあります。



人格攻撃をするのは、事実や論理では勝てない(ウソを言う)からで、最後の手段が人格攻撃です。ですから、私は人格攻撃があると「おっ!相手も追い詰められているな」という証拠になるので、ニヤッとしてしまいます。


(平成24年2月28日)



--------ここから音声内容--------




ええと、瓦礫の問題でですね、まぁ多くの人が心配しております。この心配してるということに対してですね、ま、都知事は「黙れ!」と言ったわけですね。自治体や政府は黙って隠しているわけですね。で、私はですね、今度の原発の問題の、まぁ一つの原因はですね、原発のいろんなことを国民の前に言わなかったと、安全だ、「安全神話」って言うぐらいですから、安全だっていうことだけを信じさせるということだったわけですから。起こった直後にですね、また同じように隠すというのは、ちょっと問題なんですね。



えー、しかし私が今まであまり細かく言わなかったのはですね、やっぱりこれは、ほんとに政府とか自治体から出なきゃいけないと、ま、いうふうに思っておりましたんで、少し控えておりましたけども。混乱も見られますので一応、あの瓦礫の処理っていうのはどういうことなのかということを、ここに解説を致します。






まず一つはですね、瓦礫の量が阪神淡路大震災と大きく違うのか?と。あの時、別にあの、みんなに引き受けて下さいなんて全然呼びかけてないんですが。えー、阪神淡路大震災の瓦礫の量は2000万トンでした。今度の東日本の大震災はほとんどそれと同じで2300万トン、これは、ま、環境省の発表なんですね。日本人はお役所の発表じゃなくちゃ信じないんで、ほんとはお役所は間違ってんですが、一応、お役所ベースでお話します。ほとんど同じと言っていいんですね。








ところがまぁ東日本大震災の方は、地域がものすごく広いですからね、あるところにある瓦礫という意味じゃ、ものすごく少ないんですよ。阪神淡路大震災はほとんど、神戸とかそこら辺に集中したんですけど。今度は、まぁ青森県、岩手県ですね、宮城県、福島県と、非常に広い範囲に渡ってますので、瓦礫の置き場所とかそういうことから言ったらですね、全然余裕があるんです。ですから瓦礫が非常に多いからどうのこうのというのはですね、違うんですよね。まずこれはもうハッキリしなきゃいけません、これはもう数字がハッキリしてますから。








それからですね、何かあの、瓦礫を引き受ける自治体がないので、瓦礫の処理が停滞していると、まぁいうようなこと言うんですけど。ま、ほんとにそういうようなことをお役所が言って、それをそのまま、ほんとは違うことを知っていながら伝える報道も問題ですね。計画では瓦礫のうち、わずか20%の400(万)トンしか被災地以外で処理することになっていません。元々、80%が現地処理です。









で、瓦礫の処理が5%しか進んでない、これは他の自治体が、被災してないところが瓦礫の引き受けをしないからだと、環境省が2月21日に発表しましたが全くのウソですね。ていうのはですね、瓦礫の外で処理するやつは結構進んでるんですよ。だけども、もともと20%しか処理しないんですから、全体の5%をもし外で処理してるとしたらですね、それだけでもう4分の1の処理が終わってるということになるんですよ。








で、あの、瓦礫の処理が遅れてるのは、まぁ一つは防災計画の遅れなんですね。防災計画がもうほんと1年経っても、ほとんど何も復興計画が進んでないので、それによるものが多いんです。私ね、ここで非常に不思議なのはですね、専門家はそれ判ってるんですよ、2000万トンとか2300万トンとかですね。そのうちのわずか20%しか外でやらない計画であるとか、5%しか処理が進んでないのは…もちろん80%を処理しなきゃいけない被災地、処理することになってる被災地の瓦礫処理が進んでないからであると、全部判ってるんですよ。








で、まぁNHKの2月の末の放送、もっとひどかったですね。瓦礫に中にゴミを不当投棄するんで、瓦礫処理は進まないって言ってるんですよ。いやいや、とんでもないことですよ。瓦礫っていうのは山のようにあるからこそ、処理できないんですよ。そこにですね、現地の人が自分のところのゴミを少し捨てたから、瓦礫処理が遅れる、って何を言ってんだと思うんですね。私はね、このときのNHKの放送じっくり見てましてね、“あぁ、そうか!”と思いましたよ。








つまり判ってるんですよ、それがウソだってことが。だって今言ったように、瓦礫の処理は自治体が…80%は被災地の自治体がやるんだし、それからその瓦礫の処理が大変だと言ってるのは、住民が出すゴミと比べて多いからなんですよ。それをですね、画像にはどう出たかったら、瓦礫のところにちょこっとね、ほんとに一軒か二軒の人が捨てたような物が入ってるっていうだけなんですよ。だから、まぁなんて言うんでしょうかね、そういう放送をしてですね、それ正しい判断を国民がするってことはできませんからね。やっぱNHKはね、やっぱ受信料取ってるんですから深く反省して欲しいですね。








それから、価格処理のトリックがあるんですよ。阪神淡路大震災のときの瓦礫の処理は2万2千円なんですね、トン当たり。ところが岩手県の瓦礫の処理はその約3倍の6万3千円なんですよ。宮城県、ちょっと安いんですけど。で、物価はちょっと安くなってるわけです、処理費は3倍かかってるわけですよ。それで、これは何なのか?ってことなんですね。あの、それはですね、ええと、「いや、そう言うんだったらこうですよ」と言っちゃいけないんですよ。(質問をされてから、回答を用意するという姿勢ではいけない、の意)








質問のある前に、役所の方からですね、「阪神淡路大震災の処理費用は、2万2千円だった。ところが今度は、岩手県の処理費用に6万3千円を出すんだ。その理由はこれこれなんだ。」、言葉で言うだけじゃなくて、ちゃんとした計算書も出して根拠も出して、国民に説明する、と。「あなた方はお殿様じゃないんですよ」と僕はいつも思うんですよね。








で、それを私がですね、こう民間の私がちょっと間違うとね、ものすごい攻撃してくんですよ。あなたね、自分で出しもしないのに、ね、あの私なんかまぁそれ推定してね、こういう情報、ああいう情報くっつけて出すしかないんですから。それを非難するっていうのはね、ま、“盗人猛々しい”ちゅう感じがします、僕はね。まぁ、そんなこと僕なんて気にしませんけどね。だけどまぁ、もう少し誠意を持ってやって下さいよと、あなたも日本人なんだからと、やっぱり思いたくなっちゃうんですよね。








この価格差はすごいんですよ。で、これに魅力を感じて、つまりトン当たり6万3千円も貰えるので、自治体はですね、「被災地を助ける」と言ってるんですよ。助けることなんかなりません、たった20%しか、しないんだし。この6万3千円を被災地にあげればですね、被災地は簡単に残りの20%ぐらい処理できちゃうんですよ。それを止(と)めてるって私言ってるんですね、それを止めてる。








そして、ええとお金を渡して、裏で交渉してんです。環境省はもう一所懸命、地方自治体に電話して、「受け取れ、受け取れ。何億になるぞ!」って言ってるわけですよ。それ、絶対に表面に出さないんです。何で出さないのか?と、それは民主主義じゃないから。「お殿様のやることは、お前ら黙ってろ!」っていうの、まだやってんですね。








で、まぁそういうことで…えー、ところがね、報道はなかなか巧みなんですよ。宮城県のある自治体が仮説のある焼却装置を作ったと、瓦礫の処理のね。っていうんで、まぁ大々的に報道されてる。それで、「被災地もちゃんとやってるんだ」って言うんです。私が能力計算したらね、全然小さいんですよ。あの、ま、普通の人は能力計算しませんからね、すぐ。そこに2万何千トンって書いたら「へー、大したもんだな」と思うけど、全然小さな、もう普通では使わないような焼却炉なんですよ。








ま、これについては細かく書きたいと思いますが、こう能力計算とかそういうのは少し複雑ですから。えー、ここで書くとですね、ええと、あのまぁ瓦礫の処理が進んでないんだから、そんなこと言わなくてもいいと思いますが…小さいか大きいか、っていうのをですね。つまり、見かけは焼却施設を作った、焼却施設を地元に作ってるけど処理できない、処理できないんだから、あの、広域処理が遅れてんだ、と全部ウソなんですよ。








私はね、なんでそんなウソつくのか、自分がやろうとしてることがあまり正しいと思ってないからなんですよ。自分がやろうと思ってることが正しければですね、人間はですね、ついそれを言いたくなっちゃうんですよ。だけども、そうじゃないので隠しに隠すわけです。専門家はその、処理能力判るんですけどね、ほんとは。








それから汚染の可能性については、もうずいぶん話しました。ちょっと繰り返しますと、えー、今、あの瓦礫は1キロ8000ベクレルが基準ですね。これを2300万トンですから、えー、大体およそですね、瓦礫の移動によって日本全国が汚染される量が約200兆ベクレルになります。これ、ものすごく大きな量なんですが、一人当たり150万ベクレルになりますね。この一人当たり150万ベクレルって言うのは、もしも瓦礫を日本全体にばら撒けばですよ、日本の人が全員、1キロ40ベクレルという、まともな食品の限界から言いますとですね、37年間汚染された食事をすることを意味してます。








私はですね、あの、こういうことをちゃんと言わなきゃダメだっていうことをですね、ええと、去年の5月の国会での陳述でも何回も言いました。つまりですね、今度漏れた量大きいんだから、そっから国民を守るにはどうしたらいいんだと、いうことを考えなきゃいけない。この1キロ8000ベクレルって値はですね、そういうこと考えてないんですよ。単に今までの規制、つまり放射性(物質)がもれてないときの規制を持ち出してるんです。








だからほんの一部だけ汚れてるっていうときは、まぁ1キロ8000ベクレルでもいいんですけど、2300万トンの瓦礫をね、処理するときには、そりゃ1キロ8000ベクレルじゃどうにもならないんですね。例えば、これ地域として見ますとね、今人間一人当たりで見ましたが地域として見ますと、山形は瓦礫を引き受け始めてからずいぶん汚染されてきたんですが、仮にですね、山形市が半分引き受けた場合はお金はたんまり貰うでしょうけど、山形市の汚染は一平方メートル当たり24万ベクレルになりますから、規制値の6倍、警戒領域の60倍になります。








私ね、これちょっとトリックがあるんです、私の方。ちゅうのはですね、こういうとどうせね、山形だけが引き受けるわけじゃないっていう反論が来るんですよ。これが面白いんですよ。私はね、実はね、山形が2分の1の瓦礫を引き受けるわけじゃないと思ってます。だけど、自分たちは何トン受け入れて、それによってこの地方は放射線量が何倍になるということをですね、やっぱり最初に答えなきゃいけないですよ。








私がなんか計算すると、山形だけが引き受けるわけじゃないとかね、東京が2分の1って、東京だけが2分の1引き受けるわけじゃないとかね、そういうくだらないことばっか言ってるんですよ。もっと前向きにね、つまり日本人の健康を守るってことが我々の目的で行動してるんですから。ですから、日本人の健康を守るために、そして瓦礫を片付けるためにはどうしたらいいか、という視点からやんないとですね。まぁ人の文句なんか言ったって始まらないんですけどね、自分で言わないで。








まぁ、まとめますと瓦礫処理にトリックがあるわけですね。20%しか被災地以外で処理しなくて、それで放射性物質が拡散する。だから20%しか被災地以外で処理しないってことは止めなきゃいけないって事ですね。これは、まぁ誰が考えても不合理です。で、それに加えてですね、どのくらい被曝するのか?とか、どれくらい金が入るのか?とか、1平方当たり何ベクレルもらうのか?ということをやっぱり透明にしなきゃいけません。








私はですね、都知事が「黙れ!」って言ったことに対して賛成する人が多いわけですが、私はね、この「黙れ!」はね、このトリックがあるんだから、僕は民主主義じゃないと思います。だけどお殿様のお好きな方もいてね、別にそれはそれでいいんですよね。別にどっかにですね、あの、封建主義のところつくって、お殿様作って自分たちで何も言わない、それもいいかもしれないですね。だけど日本は民主主義なんだってことはみんなで合意してんですからね、やっぱりここは、それをやんなきゃいけないですが。








もう一つ。今度このブログにですね、ちょっと時間を使って書きました。それはどうしてかって言うとですね、この瓦礫の問題で、結構私に対する人格攻撃が多いんですよ。いや、こりゃあねぇ、まぁずいぶんご心配になっていただく私のファンの人もいるんで、ええとまぁ、こんなこと言うと申し訳ないんですが、ちょっと楽しみでもあるんですね。ていうのはですね、私の人格攻撃をするっていうことはですね、あの、言ってる内容が相手を納得させることができないっていう、相手側の非常に自信の無さを言ってるんですね。









例えば、「武田は、事実を調べずに言ってんだ」って言うんですけど、そんなこと言わないでですね、あの2000万トンとか2300万トンとか、2万2千円とか6万3千円て言えばですね、済むんですよ。それから「武田大先生の信者」なんていうのもありましたけどね、こんなね、ことを言わなくたっていいんですよ、別に、ね。それは人は一人一人色々考えがあるんですから、あなた、そう言うこという人自身だけが偉いわけじゃないんですからね。それぞれの人が、それぞれの考えでやってるわけですから。








瓦礫の説明した方が早いですね。私がですね、「人格攻撃も一つの楽しみである」なんて言ってんのはですね、実はね、私の人格攻撃を始めたということはですね、実は私が言ってることが結構正しいかな、と思うことがあるんですよ。ていうのはですね、事実や論理では勝てないので、人格攻撃を始めるんです。で、私は人格攻撃が来ますとね、“おっ、相手も結構追い詰められているな!”というんでですね、ニヤッとこう、するわけですね。







昔ね、こんなことあったんですよ、リサイクルなんかで。リサイクルをしたらですね、どのくらいの資源の浪費になるか。ま、ペットボトル一本リサイクルすると、その3.5倍の石油を使うということにですね、最初のうちは多くの人がですね、具体的な数字で反論してたんですよね。で、私もまぁ一所懸命やってたんです。ところがそのうちですね、「武田はどうだ」とかですね、「あいつはなんか、何とか大学にいて売名のためだ」なんて、そういうのをやりだしたんですよ。で、僕はね、これね、“終わったな・・”と思いましたね。というのは反論できなくなって、そして私の攻撃を始めたわけですよね。これはね、ある意味で必ずそうなんです。








あの、人間っていうのはですね、きちっと話したら相手を説得できるとか、納得させられると思えばですね、事実を静かな感じで淡々と言うんです。ところが、“これは、自分が嘘ついてんのがバレるな”、なんて思うとですね、もう、ものすごい勢いで食ってかかってくるし、ま、あるいは最終的にはいろんなことしてくるんですね。だからこれはですね、ある意味では追い詰められてるっていうことを示してるんですね。ですからまぁ、そうじゃなくて趣味でやってる人もいますけどね、大体はそうなんです。








だけど私はね、これ事がですね、原発とか被曝とか、地震で困った人を助けるとかいう話をしてるんですからね、やっぱりもうちょっと真面目にやらなきゃいけないと思いますよ、ええ。お金儲けも少しこの際、後退させてですね、やっぱり日本人として瓦礫の問題をどうするのかですね、それから被曝を…子供たちの被曝を減らすためにどうするのかっていうのをですね。まぁあまり人格攻撃みたいにしないでですね、ま、自分が悪いんだったら悪いと謝る必要があるんですよ。








ま、原子力の人もまだ謝ってませんし、東電もまだちゃんと謝ってませんけどね。やっぱり人間、悪いときは悪いと、お白州に出されて自分が罪を犯してたら、「恐れ入りました。私がやりました」っていうのが日本文化ですよ。それがね、やっぱり今まだ、自分の立場とか、頑張ってですね、人の人格攻撃をしてるようじゃダメで、我々は今、知恵を集めてですね、日本を再生しようとしてるわけですから。やっぱりね、真面目な報道をして、ちゃんと説明をして、多くの人が納得して進めると、こういう社会になんなきゃいけないと思いますね。


(文字起こし by danielle)