ケイゴにお金の相談をして、紹介されてキャバクラで働くことに。
・・・って、書いてて自分で
「ラノベかよ」
って突っ込んでしまった。
どんなに普通に見える人にも、
びっくりするようなストーリーがあるのかもね。
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面接があるって言われたけど、履歴書も必要なくてその日に体験入店。
際どいラインのドレス借りて、ヘアメイクしてもらって、いきなり接客。
同僚も、ほとんどが女子大生のアルバイトで、少し心配してたコワい先輩なんかもいなくて、居心地は悪くなかった。
接客しながらひととおりのお作法教わって、一巡り常連のお客さんの席についてその日は終わり。
体験入店で、ほんの2,3時間ほとんど何もしなかったのに、お客さんの横に座ってきゃーきゃー言うだけで3万円ももらった。
1日目の感想は「な~んだ、楽勝♪」って感じだった。
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週に3日ほど入るだけで、喫茶店のバイト代1か月分以上になった。
学校のレポートのために、もともと減らしていた喫茶店バイトは、そのまま辞めた。
就職先はまだ見つからないけど、お金も心配なくなって、なんとか卒業の見込みが立ったころ、
ケイゴから「折り入って話がある」と呼び出された。
話の内容は、「独立資金が欲しい。お前の店、前借制度があるからそれで工面してくれ」ってことだった。
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この時の私は、ホントに頭の中がお花畑だった。
「愛するケイゴのためなら!!」
なんのヒロインのつもりだったのか、全く何も考えずに二つ返事でOKしてた。
ケイゴの「ありがとう、愛してる」の言葉が聞けたら、それでよかった。
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翌日、同伴で出勤し、vipルームで飲みながら店長に打診。
特に驚きもせず、事務的に書類を出してきた。
言われるがままに署名した書類を渡すと、店長は事務所から茶封筒を持ってきた。
見たことのない厚みの封筒。
初めて札束を見た。
それも、5つも。
その日は店長からそのまま帰るように言われ、ケイゴと一緒に店を出た。
店の近くにあるホテルに入り、部屋に入るや否や抱きすくめられた。
「オレの会社、手伝ってくれるよな」
甘く囁かれ、すっかり馴染んだ手順で融かされていく。
◇
◇
◇
翌朝、目が覚めるとケイゴはもう居なかった。
夕べ持って帰ってきた茶封筒も、まるごとなかった。
もうすぐ独立するんだし、きっと忙しいに違いない。
ケイゴの会社で働ければ、親にも顔が立つ。
ケイゴが隣にいない心細さも、そう考えれば消えていった。
身支度を整え、ホテルを出る。
なんとなく、でしか不安を感じられなかったことを、今は心から後悔している。
この時、私は自覚していなかった。
奨学金400万に、キャバクラから500万。
合計で900万もの借金を背負っていたことを。