先日、夕飯を食べていると娘がこんな質問をしてきた。
ママの理想の朝ごはんてなに?
唐突なその質問にしばらく考える。
そして、ハッと思い出した。
ママの理想の朝ごはんは、
小さい頃に食べた、ホットクロスのロールパン!
私が2、3歳だった頃、
自宅の近くにホットクロスという小さなパン屋さんがあった。
パン職人が3-4人、入り口近くでせっせとパンを焼いていて、
お店に入るとパンの焼けたとても良い匂いがするお店だった。
小さなお店の奥には喫茶スペースもあって、
朝は焼きたてのパンと小さなサラダ、ゆで卵がついたモーニングセットを食べられたのだ。
パンはトーストかロールパンを選べたけれど、
小さな私は、バターの香りがするふわふわのロールパンが大好きだった。
その中でもホットクロスのロールパンは絶品で、
パン職人が焼いたばかりの香ばしい香りと、
芳醇なバターの溶けた風味がなんとも言えない美味しさだった。
週末になると、いつも家族4人で食べていたホットクロスの美味しいロールパン。
4歳を目前に家を引っ越したので、
それ以降は残念ながら食べてはいないけれど、
その美味しさは、強烈なまでに鮮明な記憶として私の中に刻まれている。
あの頃の私は、まだ幼すぎて兄の病気のことも分かっていなかったし、母も父も優しかった。
まだ無知で何も知らなかったころの私。
ホットクロスのパンの美味しさが心に刻まれているのは、そんな家族の一瞬の幸福な記憶が、より一層その味を温かく幸せの味にしているのかもしれない。