私には憧れている家族がいる。


それは、フルハウス というアメリカドラマに出てくる家族。


35年ほど前、NHKで夕方から放送していたこのドラマ。
小学生だった私は、当時このドラマが大好きで、
放送されている日は、テレビにかじりついてこのドラマを観ていた。


1階のテレビは母が占領していて好きなものは観せてもらえない。
しかもテレビを観ていると勉強しろ、と言われるので、
いつも放送時間になると勉強するフリをして2階に駆け上がり、真っ暗な寝室でコッソリと観ていた。



アメリカのサンフランシスコに住む家族のお話で、
お母さんを早くに亡くした幼い娘3人が、
父、そして父の男友達と叔父さんと、
不器用ながらも楽しく温かく過ごす日々を描いている。


コメディアンの叔父さんや、ワイルドな男友達、
優しいお父さんというキャラが立った男性陣が、
慣れない育児に奮闘しながら協力して娘たちを育てていく、という心温まる家族のお話。


このドラマが、私には憧れの家族そのものだった。


姉妹3人はいつも賑やかで、お父さんたち男性3人も明るく楽しく温かい。
いつも家庭には愛や笑いが溢れていて、
すごく素敵な家族なのだ。


姉妹たちの楽しさや、父の愛情、
おじさんたちの陽気さや温かさ、
私にはもってないものばかりで、ただただ観ていて羨ましかった。


あまりにも自分の家族とは違いすぎて、
でも幼い私にはそれが何故なのか、具体的にはよく分からなかった。


ただ、漠然と
外国のファミリーはこんな感じなのかな‥。
素敵だな‥。
と、外国に強い憧れを持ったことを覚えている。


いつも娘たちをハグして、
愛を伝える大人たちの姿に、
日本人はそんなことしないけれど、
外国人はみんなそうなんだ。
と思っていた。


成長した私が海外に憧れを抱き、留学を決心したのも、このドラマの影響が大きい。


今でも、元気がなくなると
私はこのドラマのDVDを観て元気をもらう。
自分の家族ではないけれど、観ていると家族愛を感じることができるから、彼らからエネルギーをもらえる気がするのだ。


そして、エネルギーとともに、子育てのヒントももらっている。


私には子育てのお手本になるような母が居ない。
自分自身もあまり愛情を与えてもらえなかった。
だから、どんな母親になれば良いのか、正直よく分からなかったのだ。


だけど、自分の子供には自分のような思いはさせたくなかった。


私のような子にはなってほしくないので、
私は、フルハウスの男性3人をお手本にすることにしたのだ。


常に娘には愛情を示し、
時にはひょうきんに彼女を笑わせて、
辛い時には一緒に悲しむ。


フルハウスの3人が見せてくれた父親像が、
私の理想の母親像であり、私の憧れになっている。