私はよく娘からお手紙をもらう。
付箋などちょっとした紙に
ママだいすき♡
など、その時の気持ちを書いたものを
気まぐれにくれたりする。
嬉しくて全部とってあるけれど、
お気に入りは冷蔵庫に貼ったり
財布に入れたりして大切にしている。
そんな娘からのプレゼントをもらう度に、
私は自分が母にあげたプレゼントを思い出す。
小学校何年生だったか忘れたが、
いつも貰っていたお小遣いを少しずつ貯めて、
母の誕生日か母の日に、
近くの雑貨店で母のためにプレゼントに財布を買ったことがあった。
母はどんな色でどんな柄が好きか、
どんな形のものが使いやすいか、
自分なりに色々悩んでコレと思うものを買った。
子ども向けの雑貨店で購入したものだったので、
今思えばきっと安っぽい子供騙しのようなものだっただろうけれど、
当時の私は母の喜ぶ顔見たさに、
一生懸命 貯金の予算内で選んで、これが良いと自信満々に買ったものだった。
そしていざ、母にそのプレゼントを手渡した。
その時の母の言葉は、40年近く経った今も覚えている。
こんなもん買うためにお小遣いやってるん違うで。
金は大事にせな。小遣いやらへんで。
てっきり ありがとう!と喜びの言葉が返ってくると信じていた幼い私は、
母からの思いがけない言葉に言葉を失った。
母のために自分の買いたいものも我慢して
一生懸命選んで買ったものだったのに、
母は顔を歪ませて こんなもん と言ってのけたのだ。
母は結局その財布を使うことはなく、
私は母のために選んだ黒色の大人っぽい財布を
数年後に自分で使っていた記憶がある。
その時の幼い私は、母が気に入らないものに大切なお金を使ってしまった自分が悪かったのだ‥
と思っていた。
しかし、大人になると分かった。
子どもがプレゼントしてくれたものに、
あの言葉はない。
そう分かったときに、
私は母という人を本当に理解した気がした。