もうすぐ、娘の夏休みも終わりを告げる。
長いようで、遊んでいるとあっという間に過ぎ去る夏休み。

旅行に行ったり、塾へ連れて行ったり、
イベントへ行ったり、お友達と遊んだり。

今年も娘にとっては濃密な夏休みだったことだろう。

幼い私の夏休みといえば、海辺の別荘。


我が家は決して裕福な家庭ではなかった。
父は自営業を立ち上げたばかりで、
馬車馬のように働いていたし、
母は専業主婦で、兄が少しでも良くなることに対して、お金をかけることを惜しまないひとだった。


そんな我が家だったが、私が小学生になってすぐくらいに、母が突然、ある海辺の街に別荘を買ったのだ。


別荘と言っても、平屋の掘立て小屋のような小さな小屋を建てただけだったけれど、毎年夏休みになると、そこに滞在していた。


なぜ急にそんなところに別荘を構えたのか。
それは、兄が海で楽しそうに遊んでいたから。


記憶は定かではないが、
別荘購入のまえに、家族旅行で白浜へ行った際に、どうやら兄が海遊びを気に入り、楽しそうに遊んでいたのだそう。


それで、母は兄のために別荘を購入したのだ。


海より深い母の愛。


それを地でいく母。


兄のためならば、別荘の一つや二つ、気に入ればポーンと買ってしまうのだ。


そんな母だから、
当時、家には兄が気に入ったから、という理由で
ありとあらゆる遊具が所狭しと置かれていた。


知育玩具はもちろんのこと、
畳4畳はある巨大なトランポリンがリビングを塞いでいたし、
兄がデパートでボートを漕ぐトレーニングマシーンに少し興味を示しただけで、10万近くの器具を迷いもなく買っていた。


そんな兄のための様々なものも、もちろん兄の興味はすぐ失せる。
結果、我が家ではそれが私の一人遊びの道具となっていった。


海辺の別荘での夏休みは、
子供ながらに楽しかった。
自分のためにに買われたものではなかったけれど、
知育玩具のように、これまた私は兄のおこぼれで楽しむことができたのだ。


ところが、そんな私たちの別荘は、実はちょっと曰く付きだったのだ。
次はこれについて書きたいと思う。