ユノがぐっと僕の奥へ入り込んだ。
痛み、とは少し違う違和感。
それはグリグリと圧迫されるような、
窮屈な僕の世界にあなたという存在が無理やり入ってくる。
尖りあったものをぶつけ合っても虚しいだけだと心のどこかで思っていたのに
想像以上の苦しさと幸福感で無意識に涙が滲む。
望んでいたものを手に入れた喜びは
まるで子供がプレゼンと貰って喜ぶようなそんな感じに似ていて、
いかに自分の思いが幼稚で、だけど、とてつもなく純粋なものだったのかと気づかされる。
そして、ユノはそんな僕に後ろからズンズンと入り込んでくる。
ミシっと軋むベッドのスプリング音と同時に沈んでは浮かび
それを反復させながら僕らはどんどん深く繋がっていく。
お互いの呼吸が一つに重なっていき
こもる吐息が殺伐とした部屋を満たしていって、僕らだけの時間が流れる。
その間も休むことなく腰を打ち続け、
僕はそれに応えるように、もう少し足を広げてあなたをもっと受け入れる。
そんな僕に羞恥心なんてもうどこにもなかった。
「あっ・・・・んっ・・ん・・・・・・」
「もう少し・・っ・・チャンミン・・」
軋むベッドのリズムに合わせてあなたが僕の名前を呼ぶ。
もう少し、僕はどうすればいいの?そう聞き返したいけどそんな余裕はない。
ジワジワ襲ってくるような変な感覚。
吐き出したい欲求ではなく、受け入れたい、いや押し込まれたい欲求が僕を支配する。
そして僕の一番奥にあなたがたどり着いた時
「あ、当たった・・」
あなたがぼそっといったその言葉がやけに生々しくて
僕の中心部が更に隆起しだす。
それを合図にこんな状態の僕を見逃すはずがないユノが思い切り腰を打ち付けてくる。
あなたは僕のこと、よく知ってる。
僕が今どうしてほしいのかも、どうされたいのかも知ってる。
きっと僕の気持ちも・・・
本当は気づいてるんだと思う。
なのに、それを受け入れるわけでもなく、拒むわけでもないあなたは
ズルくて、意地悪な人だと思う。
でも、何も知らないフリをしてこうやって抱かれる僕はもっとズルい人間だ。
どんどん肌をぶつけ合う音が大きくなる。
後ろで感じる刺激はとうに大きな快楽へと姿を変えて、もっともっとと強請るように
僕は無意識に腰を揺らしてしまう。
止められない下半身の熱は
僕らをどこまでも淫らにさせる。
「あっ・・・・ユノっ・・あぁ・・・っ!!」
「チャンミン・・・ヤバい・・・・」
そう言うと、ユノの綺麗な指が僕自身へ伸びてきて、上下へ何度も滑らせた。
たちまち僕の熱量はぐっと増し苦しいほどに疼きだす。
「やめ・・・っ、ダメっ・・ユノっ!!!」
「チャンミン・・・チャンミン・・・・」
うわ言のようにあなたが僕の名前を呼び
それでも打ち付ける腰と手の動きは止まらずに一層加速していき僕を苦しくさせる。
「い・・・ぁぁ・・・・はっ・・・」
言葉にならない嬌声は自分のものじゃないみたいで
それが余計にユノを昂ぶらせたのか、更に奥までねじ込まれ
受け入れる場所ではないはずなのに、僕はそこを刺激され痺れるほどの快感を
得てしまう。
もうだめ。
これ以上は、もう・・・
そう思った瞬間、僕は思い切り熱を吐き出した。
「あぁ・・・・っ!!!んっっ・・・・・・・・ぁぁ!!ユノっ・・・・!」
ビクンと波打つ自分の腹筋に撒き散らした僕の白い熱。
それと同時にグっと体の中にも熱いものを感じて、更に身震いした。
「ぁぁ・・・・っ・・・!!」
小さくユノが震えて倒れこみ僕を抱きしめる。
きついぐらいのその手の力に僕はただじっと身を任せた。
ドクドクと僕の中に注ぎ込まれるあなたの体温は
僕が今まで感じたことのない暖かさで、なんだかそれは涙にも似ているような、
そんな気がした。
もう昨日の僕らには戻れない。
そして、明日からあなたはいない。
僕らはどうなるんだろう。
先に続く言葉が見つからないまま僕らは無言でただ抱き合って眠った。
言いたいことは何一つ言えず。
聴きたい言葉は何一つ聴けず。
だけど、これでいいんだと思えた。
夜風がカーテンを翻す。
思っていたよりも月がとても明るい夜だった。