ユノが僕の臍に口づけた。

鍛えすぎた僕の腹筋がピクリと反応する。

 

「・・・綺麗な腹筋してる。」

 

そう言うと、次は筋肉に添ってゆっくり舌を這わせていく。

少しザラっとした舌の感触も、わき腹を流れ落ちる唾液も、時々小さく噛まれる痛みも

今は与えられる刺激の全てが快楽へと姿を変える。

 

「鍛えてるのに、こういうのには弱い?」

 

少し馬鹿にするような口ぶりは余裕の証なのか、ただ僕だけが手の平で転がされてる

みたいでいい気分はしないはずなのに・・・

抵抗は出来なかった。

 

 

だって望んでいたことが現実になったんだから。

これが夢だろうが、何だろうが今僕は崖から飛び降りるような気持ちで

あなたの次の行動を今か今かと待ちわびてる。

 

知ってる?

人間は行き場を失ったときが一番無力なんだって。

そして、僕はもうずっと長い間行き場を失ったままなんだ。

きっとあなたはそんな僕に気づいてはいないだろう。

 

だけど

崖のてっぺんに立たされてあとは海へ飛び込むだけの道しか残されていない今、ようやく

行き場を見つけた気がした。

 

この海へ落ちてしまおう。

落ちるのか、飛び込むのか、その行動の違いは今の僕には分からないけど

溺れても、流されても

ここではない何処かへいけるのなら、それでいいと思った。

 

 

「・・・・・激しくして」

 

急な僕の言葉にユノは驚いたような顔を一瞬見せてコクリと小さく頷いた。

 

臍から下へ少しずつ進んでいくユノの頭。

短くなったその髪の毛に手を添える。

チクチクしてる・・・・・手のひらに感じるそのくすぐったいような感触すら愛おしくて

泣きたくなる。

 

その間も止まることなく僕の腹回りや太ももを何度も往復する柔らかい舌。

なのに、望む部分には触れてもらえない歯がゆさに思わず腰を浮かす。

だけどその都度ぐっと強い力で抑えられ、身動きが取れなくなる。

 

その繰り返しに焦らされ急かされ、身体も心もどんどんあなたに縛られていくような気がした。

 

 

まだ中途半端に足首にひっかかったままの下着をおろされ

無理やり大きく開かれた両足の中心には疼いて仕方のない僕自身がすっかり形を成していた。

見なくても分かる。

体中の血液がそこに集中しているみたいに強く脈を打っている。

 

「どうする?」

そういいながら、次にすることは決まってるくせにわざと聞いてくる。

なかなか次を言い出せない僕を急かすみたいに、ペロリと僕の先端を舐めた。

 

「あっ!!」

急な刺激に耐えられず大きく腰を跳ね上げた。

たったそれだけの刺激で僕の先端からはタラリと透明な液体が流れてくる。

 

「その声、もっと聴きたい」

 

聞いてきたのはそっちのくせに、僕の答えなんて待たずにいっぺんに僕自身を全部口に

含んで強く吸い上げる。

 

開けっ放しの窓の向こうでは車のエンジン音が聞こえてる。

高層マンションとはいえ、もしかしたら僕の声も聞こえてるかもしれない。

 

それなのに、僕は我慢できずに声をあげた。

「あぁぁぁっ・・・・・・・!!!!!」

 

目の前が白むような刺激に酔いしれて、僕は思わず自分から腰を揺らす。

本能ってこういうものなんだろうか。

自分が動物だってことを思い知らされる。

 

ユノがゆっくり頭を上下させる。

ぴったりと僕自身にユノの舌が張り付き、緩急をつけながら耐えず与えられる刺激。

ユノの口から流れる唾液がシーツにシミを作っていく。

 

時折もれる卑猥な水音と、僕らの呼吸、ベッドのスプリング音

そして、いつの間にか絡ませていた指と指。

 

扉の向こうには友人たちがいるのに。

窓は開いているのに。

 

そんなことは1つも気にならなかった。

 

今はただ、

あなたから与えられる悦びにだけ浸り、繋がれていたいと心の底からそう思った。