イライラしながら職場を出ると土砂降りの雨。
それ、ずっと思ってたこと?他の人にほんとは言いたいやつ?みたいなことを言われてただでさえ解せない中雨で憂鬱な気持ちになるのは癪。
雨にも他人の魂胆にも負けたくない…
そんな時は……♪
イントロが流れてしまえば否応なしに笑顔になる。
嘘太鼓、嘘トランペット、嘘メロディライン…嘘の大洪水。
ひらり きらり 暁を踊れ
継ぐる夢のひとひらは
天穿ち咲き誇る意思
照らす華常世を舞う…
さらに続く嘘歌詞。嘘歌唱。
降る雨はたちまち嘘の大洪水によって流されてミストくらいの存在と化す。
あまりに景気の良い嘘の洪水に、ウケる。と乾いた心で思いながらも、目はギラつき、口角は吊り上がり、心酔している。
この心酔はなんだろう。決して馬鹿にしているわけではないのに、ウケる、というのが一番の感想になってしまう。しかし、ウケるが一番いいに決まっている。おもしろいものが一番偉い。おもしろくないものは私にとって普通とかニュートラルではない。価値がないどころか、害だとすら思っている。だから、この曲は端的に言って最高なのだ。
ラインを開く。
10月に地元のメンバーで行くディズニーランドの話。ひとりこれなくなった。その連絡が三週間前に来ている。それに対し、幹事が一週間後に「日程変えるよ」と連絡する。また一週間後である今日、これなくなった人が「それはわるいから」と言って、幹事は「みんなはかえられないかなー、、」と連絡していた。
正直全員ディズニーなんてどうでも良くなってる。みんなどうでもよくなって数週間単位でしかラインを動かせない。10月のディズニーなんて先過ぎて考えられない。みんな今日の疲労をどうするか、そういうことにしか頭はない。
「おK!行ってきたらみんなで集合写真撮ったあと右上に写真つけて送るよー!」
というところまで打って消した。
楽しく終わらせてなんぼや!と思ったのだけど、とにもかくにもひらりと桜、である。Aメロの落ちるところにいくと面白すぎてさらに何もかもがどうでも良くなる。
月明かり照らす夜に狂い咲く桜
宵闇に映る花びらは夜を明かしてく
嘘演歌。嘘歌謡。嘘花見。あまりにも派手で偽物くさくてパチモン感がすごいのに歌っている人たちが上質すぎて、エンターテインメントで揉まれてきただけあって、ねじ伏せている。泣けてすら来た。なんだろう、切ない。切ない感じで歌ってるオチサビにこちらまで切なさが伝播してきて本当になんだか泣きそうになるこの感じ。
本物のなにかを超えて別の何かになっているものを私は「嘘すぎる」と表現している。
嘘すぎるものが大好きだ。私は嘘すぎを愛しすぎている。
ハモリ。ハモリもある。ハモリっていうのもおもしろいものだ。
いくつかにわかれた音を添わせていく活動。ハモっているものたちのハモっている時の表情ってすごく親密で共通の嫌いな奴が変なことをしてそれをこっそり目くばせするときの感じがする。だから、好きな人たちのハモりってたまらないけれど、感想が「うるさいな」くらいの人たちのハモリってめちゃくちゃ不快な感じがする。あやかとコブクロの曲がりくねった~とかめっちゃうるさいと思うし、ハモリを売りにした何らかのグループとかハモネプとかもしんどい、見てて。
その点、この人らのハモリはいいなと思う。
ひらりと桜を何度かリピートしたころにはわたしのこころはすっかり元の勝手に戻っていた。
咲き誇る意志