天国から、地獄に突き落とされたような気分だった。


今後のために、大きい病院できちんと診てもらった方がいいと言われ、近くの総合病院に移された。

初めての出産が死産…。

これから、この子はどうやってお腹から出てくるのだろう。
なんで私はここに居るの?なんでこんなこと考えてるんだろう…。

わからない事だらけだった。

主治医の先生から、死産の処置について説明があった。

海藻でできている短いパスタ麺のようなものを子宮口に入れて開く処置をして、そのあと促進剤を使って、経膣分娩をしますと。


何かの間違いであって欲しい…。

夢ならいいのに…。

説明されている間、ずっとそう思っていました。
結婚してすぐ赤ちゃんを授かった。
お母さんになったんだぁ

そんな思いで胸かいっぱいになって、
幸せだなぁって思た。

私は、普通に妊娠できる。
そして、妊娠したのだから当たり前に出産をする…と思っていました。

妊娠が判る数日前、
保育士である私は子ども達と走り回って遊んでいました。

妊娠が判り、用心して過ごしていました。


27週目の検診で、切迫早産と診断され入院。

病院にいるのだから大丈夫。
そう思っていました。


入院した日の翌朝、看護師さんが赤ちゃんの心拍を確認しに私の部屋へ。

心拍を探してくれのに、やけに時間がかかる…。
段々、不安になっていく…。

『先生に診てもらいましょう。』と慌てて診察室へ連れて行かれた私。

早朝の暗く静かな診察室に先生が走ってやって来た。

『赤ちゃん、診るね。』そう言って、超音波で赤ちゃんを診ていた先生の顔が段々曇っていく。

大丈夫…大丈夫…。
心の中で何回そう呟いただろう。


そんな思いを打ち消すように
『厳しいね…』
そう言って、黙ってしまった先生。



『赤ちゃんの心臓、動いてないんですか?』って聞こうとしたけど、頭が真っ白になって
次の瞬間息ができないくらい苦しくなって

…聞けなかった。

握っていたハンドタオルを精一杯、口に押し当てて声を押し殺して泣いた。

この子を授かった日から、私は母親になった。

だから、取り乱したりしてはいけない。
そんな思いも不思議と湧いていた。


私は、この子を守ってあげれなかった。