火葬はそう長くはかからなかった。



小さな骨は立派に残ってくれていた。



残された骨を見つめてなんだかホッとしていた。


遺骨を抱えて、また来た道を帰った。

火葬場に向かう時は、灰色にしか見えなかった車窓の景色も、帰り道ではきちんと色がついて見えていた。



アパートに帰ろうと旦那の実家を出たのは、もう夜だった。





星の綺麗な夜だった。


小さな小さなな星がたくさん輝いていた。



娘は星になった。


そう思った。
そう思いたかった。


私のお腹の中は苦しかったんじゃないかな。
あのとき、走ったのがいけなかったんじゃないかな。
何かに気をつけていれば娘は生まれてきたんじゃないかな。


考えたらキリがないけど…

そんな想いでいっぱいだった。



娘を失ったことで、私達夫婦は沢山のことを教えられた。


娘は、私達夫婦を今よりも強くしっかりと結び付けてくれた、かけがえのない命だった。


流産、死産は他人事ではなく誰にでもおこりうること。

経験は大切だけど、
経験とはときに恐ろしいもの。

だけど、この経験を通して
心から他人を思いやれる人の存在を知り、感謝することが出来た。





『ありがとう。』



貴女が見守ってくれているから、今日があるのだよね。

貴女が見守ってくれているから、みんなが幸せに過ごせているのだよね。

貴女が見守ってくれているから、お母さんはもう悲しくないし顔を上げて、前を向いて歩いて行けるよ。


お空を見上げて、いつも貴女に言ってるよ。


『愛してるからね。』