小さな小さな私の娘。


お腹の中にいるときに、旦那と名前を決めていた。



『野々花』



広い野原に咲くお花。
誰もが貴女をみて笑顔になりますように…。


そんな想いを込めて名付けた。


妊娠中、旦那と2人で何度も『ののちゃん』とお腹の中の娘に話かけた。



今は、その名前を呼ぶたびに涙が溢れて仕方なくなる。



分娩後、病室に帰ると娘も看護師さんにだかれ部屋へやってきた。



娘の顔をじーっと見つめ、旦那と
『鼻はどっちに似てる?』
『眉毛はじいちゃんかな』
『美人さんだね。』

なんて話した。

娘を見ているときは、私も旦那も不思議と笑顔でいられた。



目を開けて、泣いてくれたら…。


何度もそう思った。


だけど、娘の顔を見れた。この腕で娘を抱っこしてあげられた。


ただそれだけでも良かった。


深い悲しみと苦しさの中で
唯一、感じることができた
大きな喜びだった。



分娩の翌日、退院だった。

保冷剤で冷たくなった娘を小さな棺桶に入れて、家に連れて帰った。



午後には火葬場に行かなければいけない。



時間が経つのがこんなに嫌だったことは今までなかった…。