35.富田林市の寺内町にて。

 寺内町を通る度、よくご挨拶を交わすお爺さんがいらっしゃって、昨日もまたお会いした。
 遠くから徐々徐々に近づいていくと、独り言であろうか、何やらムニャムニャおっしゃっているのが耳に入ってきた。そして目が合ったところで、いつものように「こんにちは!」と頭を下げると、お爺さんはやはり頭を下げながら……。

「♪は~やくこいっ!」

 ……と歌いながら、木戸を開けてお家の中へ帰っていかれた。
 どうやら、童謡『春よ来い』を歌ってらしたようだ。


 春の訪れが、待ち遠しいですね!


春よ来い/ポニーキャニオン

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 妻が読んでいます その63。

 『結婚は人生の墓場か?』

 姫野カオルコ 著

 集英社文庫



「結婚は人生の墓場か?」


 そう言えば……。

 私達夫婦が結婚式場の申し込みに行った際、受付のカウンターには、骨壷が置いてあったな。
 そして辺り一面、お線香の香りが漂っていて、読経も聞こえていたな。
 敷地内にはたくさんの参拝者がいらっしゃっていて、喪服姿の人も多かったな……。

 それもその筈、私たちが結婚式を挙げた「大谷本廟」は、京都にある浄土真宗本願寺派(西本願寺)の宗祖、親鸞聖人の墓所で、毎日全国から多くの信者の皆さんが、納骨や法要に訪れる場所。
 そうそうだからある意味……。

 結婚は、墓場でした!

 でも悲しいイメージが強い場所に、突如として現れた私達新郎新婦を目の当たりにした参拝客の皆さんは、一瞬の驚きの後「ここで式挙げてあげはるんや! ええことやええことや!」と、我が身のことのように祝福して下さり、かえって涙を誘うことになった。
 そして私は、やはりその時に聞こえてきたもうひとりの参拝客のひと言が、どうしても忘れることが出来ない。

「ごっつい嫁はんやな~!」


 合掌。



(カテゴリ「妻が読んでいます」は、勝手ながら紹介する本の内容とは一切関係なく、読書感想文や書評といった類のものではありませんので、どうかご容赦下さい)



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 34.近鉄電車内。正面の席にいる女子高生と思しき制服姿3人の会話。


「マツジュンとジョニーデップとタカハシダイスケを足して、3で割って、不細工にしたような顔!」


 いい加減、注意したくなるほど耳障りなお喋りが続いていたのだが、これには思わず吹き出しそうになって、堪えるのに必死だった……。


 どんな顔やろ? おーてみたいな!
 奈良県橿原市今井町のマンホール。


今井町のマンホール1




 重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている、今井町の町並み風景が描かれている。
 


今井町のマンホール2



 真ん中には、町家の玄関先に見られる、牛馬を繋ぎとめる為の金具「駒つなぎ」が、そしてその周りには、瓦葺き屋根の模様が描かれている。


 2014(平成26)年1月3日、同市同町にて撮影。
 近鉄橿原線「八木西口(やぎにしぐち)」駅。


近鉄八木駅



 20年ぐらい前までは、車内の路線図や時刻表にも記載されておらず、また「大和八木」駅の南に位置しているのに、何故「西口」なのか……? 等など、とにかく謎の多い駅であった。

 調べてみると、駅名の「西口」とは、旧八木町の西の端に位置していたのが、その命名の理由らしいが、駅の誕生やその後の変遷には、かなり複雑な事情があったようで、私のような素人が説明するには多少の無理があるので敢えて避けるが、とにかく今現在でも「大和八木」駅と同一駅扱いとなっているという、全国的にも他に類を見ない珍しい駅なのだそうだ。

 その珍しい駅に初めて降りたのは、今月3日。近鉄電車の「橿原神宮初詣1dayチケット」を有効利用するため、少し足を延ばして、念願の謎の駅で降りてみたくなったのだ。

 駅の南西には、丁度私の住む富田林寺内町と同じく、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「今井町」という戦国時代からの風情ある古い町並が広がっていて、その辺りを散策してみたかった。しかし、さすがに正月の三が日は、様々ある施設やお店等も開いていないところが多く、今回は町並を眺めながらぐるっと半周ほど歩いただけになったが、また改めてゆっくり訪れてみたいと思っている。


 私にとっての謎の駅からの謎の旅は、今やっと始まったばかりなのである。



 妻が納豆を買ってきた。結婚八年目にして、初めてのことである。


におわなっとう



 妻は犬猫並みに嗅覚が優れていて、匂いに対して非常に敏感故、納豆のあの臭いがどうしてもだめらしい。よって私は結婚以来丸7年、我が家で納豆を食べたことがなかった。
 私も納豆はそれほど好物でも嫌いなものでもないのだが、たまに食べたくなることがあっても、せいぜい回転寿司の納豆巻きを食べるぐらいに止まっていた。

 しかしここ数年、臭いの少ないタイプのものが出ていることと、健康の為という理由もあってか、とうとう遂に、妻も納豆を食べてみたくなったようである。
 さすがに料理好きの妻らしく、キムチを加えることでより食べやすくなるのでは、というひと工夫もしてみたりして、食べた。

 美味かった!


 今後、我が家の食卓に、時々は納豆が登場することになるのは、間違いないであろうと思う
 いよいよ「十日戎」。
 明日が宵えびすで10日が本えびす、そして11日が残り福というのが定番スケジュールとして知られていますが、実は先日、乗り換えに利用した柏原駅前で、こんな幟を見付けました。



柏原えびす幟


 何と6日が宵宮で、7日が本祭と書かれています。早い!
 長年この辺りに住んでいますが、それはまた初耳、またまた不勉強でした。これは行かねばってことで早速昨日7日にお参りしてきました。



柏原えびす参拝


 なんとなんと! 振る舞い善哉までいただけるとあっては、甘党夫婦の私たちが放ってはおけません。
 向かったのは、JR&近鉄「柏原」駅から北西に5分ほど歩いた所にある「黒田神社」。



柏原えびす神社


 この黒田神社の境内奥に「柏原恵比寿神社」があったのです。


柏原えびす看板&提灯


柏原えびす黒田神社


 お参りをした後、念願の振る舞い善哉をいただきました。
 たくさんのあられが浮いたお善哉、温まりました。



柏原えびす振る舞い善哉


 ひと足お先の、えべっさん参りでした!
 妻が読んでいます その62。

 『19時から作るごはん』

 行正 り香 著

 講談社




19時から作るごはん


 年末年始の長い休み。郷里や実家へ帰ったり旅行に行ったりと、普段の生活とは違うサイクルでお過ごしの皆さんにとっては、いよいよ明日から本格的な再始動。しっかり充電出来てやる気に満ち溢れている方や、お疲れモードを引き摺っていて憂鬱な気分の方など、まあ今夜は色々あるでしょう。

 さて私は……、別に今更開き直るつもりはありませんが、元来がルーズな生活をしているもので、年末年始も正月休み明けも、取り立ててどうこう変化はありません。
 いや私のような輩はともかく、交通、郵便、神社仏閣、農業、漁業、マスコミ……と、世の中には年末年始も盆も正月も、世の中の一般的な流れとは全く違った生活をしている皆さんも、たくさんたくさんいらっしゃるのだということを、こんな時にこそ改めて認識したいものです。

 早寝早起き。お天道様の光を浴びて、快食快眠快便、清潔に健全にといきたいところですが、社会生活、規則正しい毎日を過ごすのは、そうそう容易ではないのが実情。


 もう「泥棒みたいな仕事」なんて言い方は、死語ですよね……。



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 33.昨日1月3日、奈良、橿原神宮参道にて。初老のご婦人お二人の立話から。


「女の子メロメロよ! もう女の子メロメロ!!」


 はて? 女の子をメロメロにしたというのは、どのような男性なのだろか? まさか女性なのか? それとも動物……?
 もしかすると、食べ物とか薬とか……?

 ただただ、想像が膨らむばかり。


 後学の為にも、その真相を訊ねてみるべきだったか……?
 京阪本線「伏見桃山(ふしみももやま)」駅。


京阪伏見桃山駅



 子供の頃から度々利用していた京阪本線ではあるが、この駅に初めて降りたのは、2005(平成17)年の1月。前年2004(平成16)年秋に撮影され、私もエキストラ出演した、テレビ東京系の新春ワイド時代劇『竜馬がゆく』のロケ現場となった、東高瀬川沿いの酒蔵のある風景を再度見たくなって、行った際のことである。

 その後はしばらく乗り降りする機会がなかったのだが、一昨年末そして昨年末と2年連続で、高校時代の友人数人との飲み会が、この駅付近の店で催された。
 一昨年、友人たちとは33年ぶりの再会となった。

「河村はアーティストだった」

 友人は、私のことをそんな印象で記憶してくれていた。別に絵を描いていたとか、音楽をやっていた訳でもないのだが、放送部で昼休みにDJをしていたことや、森昌子のシングル盤を全部持っていたことや、後に『探偵!ナイトスクープ』の依頼ネタとなる、散髪屋さんに耳を切られた話を既に語っていたことなどを挙げて、懐かしく話してくれた。
 友人たちにとって私は、やはり当時からいささか変わった存在、つまり変人であったらしい。


 友人から数々の思い出話を聞いて、改めて力をみなぎらせた、私なのであった。