もう卒業論文を書けだなんて気が早いんじゃないの。ていうことで、来週の水曜日までにある程度方向性を形にしないと、多分すごく怒られる。
◼︎実際ちゃんと書いてみて、論文を書くってことが如何に難しいかを思い知る。体験に対して感動を述べるのだったら簡単だ。でも論文は新たな視点とかの解釈を読者に与えなきゃいけない。感動した体験に対して更に新たな感動を与える側に回らなきゃいけない。しかも客観的に。自分の新しい発見を客観的に論述するってそれは矛盾じゃないか。私にはそんな風に執筆し得る発想力も語彙力もなんにもない。だから、とにかく吸収しまくるのみだ。だのに、方向性を発表しろだなんて、やはり無理。時間が明らかに足りない。どうなってんだよ、大学教授よ。
◼︎革命家はいつだって問題児だ。真面目な奴が革命家になんかなれないからだ。なぜなら、革命を起こす事自体が新たな発想を必要とし、それが異端でなければ、革命にはならないからだ。しかし、トップに立つような人間は、不真面目では成り立たない。信頼問題に関わるし、マイノリティーでは、支持されないからだ。そうだ、革命家は支持されない、しかし革命には支持が必要だ。
大島渚は革命的存在であった。彼の意見を私は良いと感じた。彼の意見というのが一言では言えないが、
理不尽な状況に陥った時に、これはおかしいと主張する。これが一意見であり(多分)、それは真っ当なことだ。当然だ。
しかし、「社会に出たらもっと理不尽なことが沢山あるんだからキリがないよ」とか言って目を瞑り見て見ぬ振りする奴がいる。そんなこと言う奴はロクでもない人間だ。つまらないの極みだ。でもそういうつまらない人間が世に憚り甘い蜜を吸う時代になった。
ルールに縛られて生きていくことが常に正しいのか。むしろ正しいとは何か。犯罪を犯してはいけない。でも犯罪を犯さない人間が正常か?
何か問題にぶち当たった時に、自分の中でこれはおかしいか、おかしくないかをよく吟味し答えを出さなければいけない。それは必ずしも自分に有利に働くとは限らないが、自分の道徳的観念がそうだと判断するのだからそれは仕方ないことだ。
おかしいとなった時には、それがどんなに厳しい状況でも、ダサくても、おかしいよ!って喚き散らかすべきだ。そうじゃなきゃ自分が死ぬ。大島さんの作品は、私には衝撃的であった。今まで、理不尽でもまあ仕方ないっしょ。と楽していた自分に対して、喝を入れらた気分になった。そんなんじゃいけないだろというかみつくその当たり前を私はいかに蔑ろにしてきたのだろうと思った。
◼︎私の所属するサークルでは良いんだか、悪いんだか分からない伝統がたくさんある。伝統行事はもちろん、精神的に受け継がれたこともある、私が副部長になる時に、その伝統を守っていくのがお前らの使命だ!と先輩に言われ、あまり納得できない内容もあったけど(お酒をたくさん飲むことが良しとされることとか)、わたしはサークル全体を結局はすごく好きだったから守ります!と意気込んだ。しかしやっぱり、お酒を飲むのは好きじゃないし、かと言って楽器も下手くそだし、副部長として今、伝統を引き継げているのかは疑問だ。
そんな中、後輩の時期幹部の役所が決まり、いよいよ役職も終わるなあと呑気にしていたら、後輩の一人が何やら揉めていた。しかも2年のくせして、4年の先輩に囲まれても、恐れることなく自分の言いたいことを堂々と主張し散らかしていた。
聞いてみると、会計の役所を今まで2年に任せていたが、それを全て3年でやってしまう。ということだった。2年で会計を担うのは荷が重すぎるという意見の下の決断だったらしい。
それに対して4年が、たいした理由もなくいままでやってきた伝統を変えるのはよくないし、失敗するのが目に見えている。ということだった。
確かにどっちの意見も頷けた。その通りであった。しかし、その後輩は何を言われようが怯むことなく、「今の会計には不透明金が多くあるから、このまま何に使われているかわからないサークル費用を、何に使ってるか分からない2年が会計し続けるならサークルを辞める」と言った。
なんだこいつ、と思ったが、たしかにわたしも不透明金が多くあるが、仕方ないと目を瞑ってやり過ごしていたから、正論ではあった。
「おかしいと思えたんだったら、会計報告出すなり、自分で行動を起こせばいいじゃないか」とその後輩に言ったところ、サークルにそんな労力を割きたくない、だから辞める。の一点張りだった。
「おかしいと思えたんだったら、会計報告出すなり、自分で行動を起こせばいいじゃないか」とその後輩に言ったところ、サークルにそんな労力を割きたくない、だから辞める。の一点張りだった。
私は後輩を攻めたが、実際のところその言葉をそっくり自分に返してやりたくなった。言っている途中で、偉そうなこと言ってるけど、じゃあお前は何を行動できたんだと自分に非難されている気分だった。その後輩の言うことは、だいたい具体性に欠けているし、口ばっかりで行動が伴わない。しかし、しっかり主張ができる。自分はどうだろうか。ちゃんと自分の価値判断で歯向かえるのだろうか。こんな状況に、バカヤロー!と大島さんなら言うだろうなと悲しくなった。
◼︎ということで、わたしはおかしいことはおかしいと言います。
そして、実際に行動に移してみたら、
おかしかったと白状し改善された上に、
他の人からちゃんと自分の意見を言えてすごいと、褒められたから、
世の中狂ってるなと思った。褒めたお前も狂ってるぞ。
革命家は異端児なんかじゃなかった。おかしいことをおかしくないとか言う奴のが相当狂ってた。
◼︎そして論文は空白のまま…。絶望。