田 中 優 の “持 続 す る 志” 優さんメルマガ 第54号 2009.6.8 | 量子力学、科学、哲学、を自己満、承認欲求、備忘録、として思い立った事を好きなだけメモしていくブログ

田 中 優 の “持 続 す る 志” 優さんメルマガ 第54号 2009.6.8



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  田 中 優 の “持 続 す る 志”

   優さんメルマガ 第54号 2009.6.8

    http://tanakayu.blogspot.com/

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□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■□■□


JVC(日本国際ボランティアセンター)が、
ベトナム支援を終えた


 「日本国際ボランティアセンター(JVC)」と聞くと、なん
だか古い建物の片隅に入った公の団体のように聞こえるが、由緒
正しいNGOだ。たしかに古い建物にいるのは事実だが。JVC
はタイ・カンボジア国境難民支援のために、1980年にタイの難民
キャンプで誕生した。日本人の団体だが、生まれは日本ではない
のだ。だからこんな名前になっているのだ。
 ぼくはずいぶん前からこの団体の理事をしている。JVCに関
わることで、とても多くのことを学んできた。JVCはくそまじ
めで律儀で、不正なことはしないし、カネになって有名になれる
ことでも信念を曲げるぐらいなら躊躇せずに断る。ぼくは「硬派
」と呼んでいるが、それを心の底から好ましいことだと思ってい
る。

 そのJVCが今年、ベトナムでの活動を終了した。その理由は、
人々が自分たちでやっていけるようになったからだ。JVCは合
鴨農法の達人を派遣し、農薬に頼らない農法の普及に努めた。
牛・豚の銀行(牛・豚を貸し出し、子どもを増やして返してもら
うので、銀行のような仕組みになる。)や草の根の獣医の育成を
したり、村内の道路整備や井戸の設置、水利用の改善などの小さ
なインフラ整備を支援する。果樹の栽培や作物の多様化を進める
ことによって、安定性の高い暮らしの実現をめざしてきた。
 インフラと言ってもカネは届けないし、自分たちの力でやって
もらう。支援といっても彼らのすることを重視していて余計な口
出しはなるべくしない。その結果、彼らは自信を持って自分たち
の活動を広げ、ついには支援の必要がなくなった。「援助」は
「援助が必要な間だけ」するものだ。だからいつまでも終わらな
い援助はそもそもおかしい。支援団体だけの問題ではないとはい
え。
 ベトナムで活動最後の総括の集まりがあった。約20年いたから、
さまざまな人たちが参加してくれた。しかしそこでベトナムの人
々が口々に言ったのは、「私たちはその後、こんなに活動を広げ
た」という報告だった。
 こんなにうれしいことはない。私たちではなく、ベトナムの彼
らがしているのだ。彼らの心に根付いた活動は、今後も終わるこ
とがない。彼らとは今後も交際させてもらい、まだ十分には進ん
でいないラオスなど各国からの見学者を受け入れてもらう予定だ。
しかしもはや支援ではない。対等な関係での「受け入れのお願い」
だ。

 数年前、タイ東北部での活動が終了した。ここはかつて深刻な
貧困地域で、タイの歓楽街はイサーン地方と呼ばれる東北部と北
部からの女性たちであふれていた。食べられないから人身売買同
然に送られてしまうのだ。JVCはそこで支援活動をした。ある
とき、彼らを招いて日本の地方の農家の活動を見学してもらった。
彼らは山形で見つけた活動をタイの東北部に持ち帰った。それが
「朝市」だった。そもそも伝統的な農村ではないタイ東北部では、
首都バンコクの仲買人に農産物を売り、同じ仲買人から生活用品
を買っていた。
 つまり売るときと買うときの両方で収奪されていたのだ。そこ
で朝市を始めた。最初は恥ずかしいから子どもと老女ばかりが売
っていたのだが、それが生活に貢献することがわかるにつれて母、
父と参加していくようになり、周囲の村々にも伝播していった。
それで変わったのは、売り買いの両方で収奪されていたおカネが
自分たちの中で回るようになり、おカネが残せるようになったこ
とだ。しばらくすると借金を返済できるようになり、人によって
は完済した。借金さえなければ、農家は生活していける。
 一方の朝市は、ローカルマーケットを作るまでに成長した。外
部から金儲けの事業者が参入したり、農薬をたくさん使った作物
が運ばれたりした。そのときにも彼らは自主的にルールを作り、
地域のためのマーケットにしていった。そうしてここも自立し、
JVCは支援を終了したのだ。

 そして今なお果敢に困難地域に関わっている。入ることも困難
なイラクには現地スタッフを通して医療支援をし、今なお戦闘が
続くアフガニスタンでは問題の原因となっているアメリカ軍に抗
議をしながら困難な女性たちの暮らしに支援し、イスラエルの激
しい攻撃のあったパレスチナにはビスケットの栄養支援をし、長
い内戦の続いたスーダン南部には帰還難民の支援をする。世界の
あちこちで活動している。どうしてその国が選ばれたのか。その
理由は支援しようとする人がいたからだ。JVCは分散型の組織
だから、組織のトップが決定することはない。支援したいと思う
人たちの集まりがJVCだ。JVCのポリシーを共有する人のネ
ットワークとして、今なお存在するのだ。29年前のままに。
 しかもきちんと批判する。日本が自衛隊を外に派遣しようとす
れば反対して抗議し、イラクを侵略しようとするアメリカに協力
する政府に抗議しデモする。「政府開発援助(ODA)」のおカ
ネを受けていたとしてもまったくひるみもしない。日本にもこん
な団体があるのだ。ぼくはそれがうれしいし誇らしい。ぼくは理
事をしているが、実務に関わっているわけではないのだから功績
には関係ない。功績はもちろん活動するスタッフたちのものだ。
そんな団体だから支援したい。もしできる余裕があったら、百円
でいいから寄付してほしい。関わりをもってほしいのだ。



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認定NPO 日本国際ボランティアセンター
http://www.ngo-jvc.net/

郵便振込みの場合
口座番号: 00190-9-27495
加入者名: JVC東京事務所
寄付先の指定をご希望の場合は、その旨通信欄にご明記ください。
(例:「アフガニスタン支援」など)

「月500円からの自動引き落とし『マンスリー募金』」
http://www.ngo-jvc.net/jp/support/monthlybokin.html
「クレジットカード募金」
https://gt205.secure.ne.jp/~gt205119/form_creditbokin11.html

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□◆ 新刊情報! ◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□■□


本日6月8日刊行の共著のご紹介です♪

「日本版グリーン革命で経済・雇用を立て直す」 (洋泉社) 
     飯田哲也・田中優・筒井信隆・吉田文和 著

 本体740円+税    新書判・192ページ

http://tanakayu.blogspot.com/2009/06/blog-post_08.html

http://www.yosensha.co.jp/book/b27527.html

内需拡大、雇用創出の切り札として、オバマもEUも積極的に進
めているグリーン・ニューディール政策。100年に1度の産業革
命ともいうべき、その環境エネルギー革命の全貌から日本版グリ
ーン革命の構想、その実現のための方策までを、世界で活躍して
いる環境エネルギー政策シンクタンク代表・飯田哲也氏、環境問
題に力を入れてきたNPOバンク代表・田中優氏、環境経済学の
研究者にして循環型社会研究の第一人者でもある吉田文和氏、そ
して、政策構想に取り組んでいる民主党衆議院議員・筒井信隆氏
が、それぞれの立場から明らかにする。

~*~

※10冊以上まとめて購入希望の方は、どうぞご連絡ください。そ
の際タイトルに「本の注文」などと書いていただくと、
ありがたいです。happykoara3@yahoo.co.jp  (小原まで)



□◆  注目イベント! ◇■□■□◆◇◆◇■□■


来週末は大分県、二日間で四つの市で!(別府市・佐伯市・大分
市・中津市)講演会を開催していただきます。大分県の主催者の
みなさま、どうぞよろしくお願いいたします!

大分県のご友人にも、ぜひお知らせくださいませ♪

____________________________

20日(土)13:30~16:30
「エコな生活だけでは この危機は乗り切れない」
http://www17.ocn.ne.jp/~nonukes/

  地球温暖化の問題や直下型地震による原発事故の危険性に不
安を抱いているあなた。私たちはどのようにすればこの危機から
逃れられるのか。そんなあなたの疑問に田中優は誠実に答えてく
れることでしょう。
 私たちがこの危機を乗り切ることの意志を持って希望を捨てな
い限り、そして、あなたが周りの友人に「諦めないで一緒に行動
しよう」と熱意を持って話しかければ…。諦めないで行動しよう
とするあなたへ!田中優はあなたに元気を与えてくれることでし
ょう。

別府市中央公民館
参加費1000円(脱原発大分ネットワーク・NPO会員は無料)

脱原発大分ネットワーク及び
九州・自然エネルギー推進ネットワーク共催
問い合わせ先 097-529-5030 
E-mail : nonukes@able.ocn.ne.jp

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『いま、ここから出来る、環境への一歩』
田中優氏 講演会
http://ipposaiki.exblog.jp/

環境、経済、平和など、様々なNGO活動に関わる、田中優さんを
講師に迎え、「食育」と「環境」をテーマに、お話しいただき
ます。
身近にあって気付いていない。だけど、すぐに出来ること。
さぁ、できることから始めよう!

日時:2009年6月20日(土)
   開場/18時 開演/18時半
会場:佐伯市まちづくりセンター「よろうや仲町」
   佐伯市内町1-24(なかまちプラザ1階)
料金:無料 ※座席数に限りがあります。予めご了承ください。
問い:tel,0972-22-3486/22-9000
主催:佐伯市役所 企画課
協力:佐伯市食育推進会議/一歩プロジェクト
※駐車場に限りがあります。

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6月21日(日)
第55回  大分県母親大会
記念講演田中優さん
「地球の仲間たちに豊かな未来を残すために」
http://www2.plala.or.jp/sinfujin-oita/hahaoya/hahaoya.htm
大分市コンパルホール
全体会  10:00~12:00 (3階多目的ホール)
分科会  13:00~15:30

参加協力券700円
託児あります 事前申込 費用200円 

主 催 : 第55回大分県母親大会実行委員会
連絡先 : 新日本婦人の会大分県本部気付
       TEL 097-568-8931 FAX 097-568-8930
       E-mail:sinfujin-oita@sky.plala.or.jp

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2009年6月21日(日)19:00~21:00
『Happy Link ~繋がる楽しさ~』
http://ameblo.jp/hisakotoluna/entry-10270106861.html

・場所:天's だいにんぐ 陽なた家(ひなたや)2F
大分県中津市宮夫字259-1電話:0979(24)9151

・参加費:前売り2000円、当日2500円
・主催者:Hisako Morikawa
連絡先:090-4510-7909
kotobuki214@hotmail.co.jp

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□◆ 6月の講演会予定  ◆◇◆◇■□■

6月
12日(金)~13日(土)
     国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)
14日(日)群馬県立県民健康科学大学(群馬県前橋市) 
20日(土)別府市 中央公民館(大分県別府市)
     佐伯市まちづくりセンター(大分県佐伯市)
21日(日)大分コンパルホール(大分県大分市)
     天's だいにんぐ 陽なた家2F(大分県中津市)
22日(月)Naked Loft (東京都新宿区)
23日(火)総評会館(東京都千代田区)
27日(土)山梨県立文学館(山梨県甲府市)
28日(日)寺井地区公民館大ホール(石川県能美市)
29日(月)信頼資本財団(東京都千代田区)


※定員に達していたり、非公開のイベントもございますので
詳しくは、こちらをご覧ください。
  http://tanakayu.blogspot.com



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最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

3月に上京した時、台東区のJVCの事務所をたずねました。
エレベーターを降りると、6階のフロアは活気に満ち溢れていま
した。翌日パレスチナに赴くという藤屋さんがパレスチナの伝統
的なコーヒーを淹れてくださいました。どの方もどの方も、いき
いきとした笑顔でお仕事をしていらした様子が思い出されます。
応援したいです!         (こはら) 


◆◇発行責任者  田中優の“持続する志”メルマガ担当 小原
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