どこからか寒い風がとペコが言った。屋台のラーメン屋がある。ラーメン屋の店主もよく見ると村野武之進である。食べようと言って椅子に座った。メニューなど単においしいラーメンとしか書いていない。まずいわけがないと詳細も書いてある。そのまま僕らはラーメンができるのを待った。ジャージを着た祝十郎君が走っている。工藤君がスケッチブックを持っている。おうと言えば祝十郎君が立ち止って。工藤君もやあと言った。祝十郎君が今度メールするねと言ってまた走り出した。おいしいラーメンができても村野武之進の愛想がいいとは言えない。村野武之進が屋台から離れた。僕とペコがおいしいラーメンを食べた。これなと言って村野武之進が自販機のココアをくれた。そういうことかと僕は言った。そういうことだと返事があった。ダブル仮面も懐かしいが君はまだあのときのマスクを持っているんだなと僕は言った。村野武之進が笑った。