アホは進むとよく言っているが断じて進さんは違う。市役所の道路課に勤める進さんはミーちゃんという女性の介護をした。唯一愛したミーちゃんの苦難の介護の道を僕は知っている。難病のミーちゃんを愛した進さんを。誰もが知っているのがこのコロッケ町の掟である。そして。進さんの誓いである。記憶を次第になくしていくミーちゃんを最後まであきらめずに接した凄い男が進さん。人を前向きにさせたい。それを考えるきっかけになったミーちゃんを愛した日々のこと。そうだと僕は言った。寅子は黙った。進さんが僕に明治の文学。樋口一葉の巻を渡した。明治の女子の青春をどう思うかが僕の課題である。女子の幸せを願うのも進さんである。