ひまな時間を無駄に過ごした生徒時代だったと寅子が言った。仲間ということなら。坊ちゃんならうらなり君がよき理解者だったよな。走れメロスは友のために走った約束に感動した権力者だ。武者小路実篤の友情は読んだか。ここにも書かれている気持ちはどうなんだ。団結した労働者が倒したのはなんだ。これなら蟹工船だ。どうだ。これだけの文学作品のカードが僕にはあるぞ。文句があるなら読んでからにしてくれ。日本文学も読まずに。孤独と戦えるか!と言った僕の声に。寅子が泣いている。確かに読んでなかった。そんなあなたの気持ちがうれしいと寅子が言った。あなたと声がつまっていく・・