春の雪。そういう気分になっている。ひとひらの雪が降ったら。前に住んでいた木賃アパート。この近くまできた。敵がその時あらわれた。僕の胸倉をつかんだ。「お前の闇は消えたのか。消えてはいないぞ。ゴーストもポルターガイストも。お前をいつか倒すだろう。その時。すべてを失う。泣け。喚け。両親が死んだ時。本来の力を失った。そういうことだ」と敵が言った。雪が雨に変わった。敵の姿が消えた。