140ページほどと短く、通勤時間のみ5日間ほどで読み終わりました。
とても有名な作品なので、部分的には知っている人も多いのでは?
私も何となくは知っていたけど、ちゃんと読んでみないとわからないので。
出だしは
「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。」と、
よく知られていると思います。
小学校のときに同級生に冷やかされて2階から飛び降りて
腰を抜かして帰ったら、
おやじが2階くらいから飛び降りて腰を抜かす奴があるかといったから、
この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。
とか、
月給40円で四国の中学に赴任することになり、
自分を可愛がってくれた下女の清にみやげに何がほしいかきいたところ
「越後の笹飴が食べたい」といった。越後の笹飴なんて聞いた事もない。
第一方角が違う。
「おれの行く田舎には笹飴はなさそうだ」といって聞かしたら
「そんなら、どっちの見当です」と聞き返した。
「西の方だよ」というと「箱根のさきですか手前ですか」と問う。随分持てあました。
とか、
赴任した学校で校長先生から教育の精神について
長い御談義を聞かされるところでは、校長のいうようにはとても出来ない。
おれ見たような無鉄砲なものをつらまえて、生徒の模範になれの、
一校の師表と仰がれなくては行かんの、・・・(中略)
むやみに法外な注文をする。そんなえらい人が月給四十円で
遥々こんな田舎へくるもんか。
とか、
最初の下宿での出来事で、
宿の主人が御茶を入れましょうといってやってくる。
御茶を入れるというから御馳走するのかと思うと、
おれの茶を遠慮なく入れて自分が飲むのだ。
この様子では留守中も勝手に御茶を入れましょうを
人で履行しているかも知れない。
とか、
面白い表現が次々出てきて、通勤電車で笑いを我慢することも多々ありました。
引っ越した先の下宿のお婆さんの語り口も「何ぞなもし」とか
「~じゃがなもし」とかなんだか間が抜けていて笑えるし、
送別会でのどんちゃんさわぎの場面では、
送別会なんて転任を惜しむためのものではなくて、
みんなが酒を呑んで遊ぶためのものだ。
こんな送別会ならひらいてもらわない方がましだ、
とあって、面白くもするどく、今の時代にも通じる見方だなぁと思ったり・・・。
とにかく、すごく表現がうまいなぁと終始感心しながら読み、笑い、
でも、「坊っちゃん、坊っちゃん」と自分のことを大事にしてくれた
清さんへの思いは、じ~んと来るところもあり、
意外にも(?)泣かされてしまいました。
しかも、ずっとそんな気配はなく、笑える感じで話が進み最後の9行で
「清のことを話すのを忘れていた。」として書かれている部分。
短いし、簡潔だけど深く響くラストでした。
さすが、名作!だと思いました。
