吉村昭さんの本、「戦艦武蔵」を読んで、「殉国」を読んで、
面白いと思って読んでみました。
短編集で表題作「星への旅」など6編。
この「星への旅」は1966年に太宰治賞を受賞しています。
短編で区切りが短いせいもあってか、集中して次々読めました。
もちろん、内容も濃くて面白かったです。
どれも「死」を扱った内容で、
「少女架刑」「透明標本」は、死体の描写がリアルというのか、独特
で、ちょっと異様な世界です。
「少女架刑」は、死んで骨になってしまったのを親にいらない、と
言われるのが悲しい、というかすごい、と思いました。
物語をそういうふにするというのが、何というか、安易じゃない、
というのか。
「鉄橋」は、推理っぽくもあり、主人公のボクサーの心理、葛藤、
心の揺れが生々しく興味深い。
「星への旅」も、少年たちの集団自殺について書かれた作品で、
いかにもという盛り上げや演出っぽいものはなく、静かな
普段と変わらないような会話の中での感情の表現、
おおげさな感じがない分、かえってずっしりとこたえました。
吉村さんの本は、まだ少ししか読んでいないけど、
重くて深くて、安っぽい演出みたいなのが一切ない。
「記録文学」とも言われているようで、歴史を扱ったものは、
事実をすごく調べて勉強されて書かれているということもあると
思いますが、本当に内容が濃くて深いです。
これから、もっと読んでみたいと思います。
