わたしは、アパートにあった荷物といっしょに、

ヒデの待つ関西へ飛んだ。


いまでもヒデはいう。

おしかけ女房だって。


結婚するかもわかんないのに、

会社やめて、家たたんで、

こっちにくるなんて、バカだよ。って。


でも、わたしは今も思う。

だから、今があるんだとおもうって。


ヒデは関西にいってから、

ゆうくんのことに触れることはなかった。

痛いほど、ヒデの決意を感じた。


ずっと一緒にいて、傷つけて、すべてを受け入れてもらったとき、

初めて、なにが大切かわかった。

遅いけど、遅くなかった。



雨ふって、地かたまる。


さいごに、

そのあと、ヒデとわたしを待っていたのは

天使のような男の子、それから、もうすぐ会えるおなかの子。