たなかさんへ

つづきです。

私の最低な最初のうらぎりです。

ひでに別れをいいました。
「いろいろかんがえたの。
 結婚を考えられない人とはおつきあいできません。
 ごめんなさい。」

かれは黙って私の頭をなでて
運ばれてきた食事を食べました。
食べ終わると「でようか」と駅まで歩き、そこで別れました。

別れ際、改札の向こうで
こっちをみつめて「大丈夫?」といいました。
涙がでました。
カレにみられないようにしながらうなづきました。
かれは「去るものは追わない」と、
前からいっていたから
私はあぁこれで本当に終わりだなとおもいました。

(ここからです。私がよくおぼえてないのは)

家にかえりゆー君に電話しました。
「仕事中でいまは話せない」というゆうくんに、
動転していて「ゆうくん、つきあって」
といいました。

(自分でも何やってるんだろう、と寒気がします。)

でもかれはそのとき返事をくれず、電話がきれました。

不安で不安で
わたしは友人に電話しました。
友人はその話を聞くと、
「やめとけやめとけ、そんなやつ すずちゃんがなかなかふりむかないから
おってるだけだよ ふりむいたらばいばいになるにきまってる」
といいました。

そのあとでゆうくんと電話しました。
そのとき私は不安だといいました。
「なぜだ」だというので
友達の意見をいいました(ばか)
するとかれは「おまえとはつきあえない」といい、電話が切れました。

私はこわくてこわくて

こわくてこわくて
ひでを思いました。
ひでといるとかわいていくけど
それでもひでと一緒にいたのはなぜだろうとおもいました。
なぜだろうと、

指は勝手にひでに電話してました。
ねむそうな彼の声に
大きな泣き声で
「ひでごめんなさい
ごめんね、ひで」
というと
やさしく「電話くるとおもってたよ」といいました。

次の日
ゆうくんとはなしました。
ゆうくんは
「二人のことを
友達の意見できめるようなひととは
やっていけないとおもったから
そういった。これから何かあったとき
二人のことを他人の意見できめていくってことだから。」
といっていた。

確かに私はひでとのことを
それまで友人に相談したことなどなかった。
わたしは
そのとき、ゆうくんに
「そうだね。ごめんね。
もうあうのやめよう」といいました。

かれは、無言で30分くらい目を閉じたあと
「いてくれ、おれにはすずが必要なんだ。
でもそいつ(友人)とは二度と電話するな」といった。
わたしは「うん」といった。