本を買った
小川洋子さんのエッセイ
なんというか
心が安らかになる
あったかいとは
また違うんだけど
数年前
くたくたに疲れて入った本屋さんで
偶然な幸福
という本を見つけた
癒されたいと思い
題名に引かれ
買った本だったが
読み始めて
すぐ
面喰らってしまった
そこには
出て来る人
出て来る人
孤独や不幸に
似通ったものを
背負い込んでいて
なんというか
それも桁違いだった
ひっそりした
暗くしめっている
光りに遮断された場所
あるいは
止みそうにない
土砂降りの雨の中
にいるような気がした
自分がそれを
避けることはできない
読むほどに
同じ場所に連れられ
徐々に
体温がなくなっていく
そんな
錯覚に陥り
静かに
本を開くのをやめた
博士の愛した数式
のイメージが
強かったからかもしれない
私は
頭を撫でて欲しくて
その場所に出向いたのに
けれど結局
少し経った今
それは愛読書になっている
前向きオーラが
自分には辛すぎる時
自分の底の力を
探す手立てとなる
それは
しみじみと行き渡り
もう一度
再生させてくれる
決して
押し付けがましくない
ひっそりした場所で
傷を癒す本能を
思い出す
よく見れば
そこには少しだけ
幸福が訪れてることに
気付く
小川洋子さん
なかなか良いです
