☆初めに☆
このデータはアクマで私が持っている本の内容です。
自分の読書日記、もしくは趣味として書いているだけなので、
必ずしも初版本などのデータでもなければ、正しいものでもございません。
ご理解よろしくお願いします。
「神様のボート」
著者/江國香織
発行所/株式会社新潮社
平成14年7月1日発行
平成16年1月30日九刷
定価:本体438円(税別)
この作品は平成十一年七月新潮社より刊行された。
○神様のボート
○あとがき
☆解説☆
昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。‘‘私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。‘‘私はあのひとのいない場所になじむわけには行かないの”‘‘神様のボートに乗ってしまったから”-恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遥かな旅の物語。
☆感想☆
いつもわたしを待ってくれている本。
朝起きて、寂しくなったり。
雨が降っていて、部屋が薄暗かったり、
夜無性に昔の自分を取り戻したくなった時に読む本です。
でも決して、一緒には出歩かない本です。
この本は私の「箱」みたいなもの。
ページをめくるたびに、家に着いた安心感を得られるもの。
揺るがなく、そこで待っててくれる本です。
この本に出てくる「葉子」さんはなぜだか母を思い出します。
なんでだろう。
母は夜の仕事もしてなければ、「あのひと」を待ったりもしなかったし、引越しも繰り返さなければ、髪も短くありませんでした。
でも。
たばこやコーヒーが好きなところ。
朝起きたときの顔色の悪さや、本やピアノが好きなところ。
しぐさや話し方。全体の雰囲気が似てる。
もしかしたら。
草子ちゃんと自分を重ねるのかも知れないな。
草子ちゃんの暮らし方。草子ちゃんの愛情。草子ちゃんの成長。
草子ちゃんの夢。草子ちゃんの目線。
確かに。そこにいて。
確かに。わたしの中にいた。
でも今はすべて「箱」の中。
遠く離れて
わたしと草子ちゃんは別々の人になってしまったけれど、
そこが安心できる思い出の場所には変わりありません。
草子ちゃんとお母さんとの距離。
ゆっくりした穏やかな愛情。
葉子さんが思う「あのひと」への気持ちは狂気かも知れないけれど、わたしは「あのひと」との関係より、草子ちゃんとの家族の関係の方が強く感じます。
たぶん。この話が草子ちゃん→葉子さんと順繰りな目線で話が進んでいき、
お互いの愛情がわかりやすいから。
実は。最後の結末がわたしはあまり好きじゃないです。
だけど。どうか草子ちゃんと葉子さんがまた一緒に暮らせたらいいな。と思ってます。
もう今は別の人となってしまった草子ちゃん。
だけどこれは、確かに繋がっていたわたしの本。
わたしの「箱」の一部分。
そこにもう留まっていないはずの、草子ちゃんと葉子さんと出会い、
ページをめくるたび思いを重ね、そして。最後に行き着くたびに「さよなら」と言ってしまう本です。
‘‘でもそれはかなしいことじゃないわ。”
‘‘すぎたことは絶対変わらないもの。いつもそこにあるのよ。すぎたことだけが、確実にわたしたちのものなんだと思うわ。”
葉子さんの諭す声を聞きながら。