放送大学の「乳幼児・児童の心理臨床」をみました。

 

 

気になったことだけメモ。

そのままではないので間違っているとこもあるかもしれません。

以下、個人的メモ。

 

アタッチメント理論(Bowlby.j)

 
・乳幼児が危機や不安などを感じる時、特定の対象に近づくことで不安や恐怖がなどが和らぐ感覚
 (日本語では愛着と訳されることがあるが、「愛着」とはちょっと意味が異なる)
・乳児期に形成されたアタッチメント表象は生涯にわたって自己理解や他者との関係に重要な役割を果たす(ボウルビィ&エインワーズ)
 例) 成人のアタッチメントスタイルを計測すると、乳児期アタッチメントタイプは70%近く継続されている
 
・アタッチメントの発達段階
 第1段階…無差別微笑 」8〜12週
 第2段階…特定の対象に対するアタッチメント行動 」6ヶ月
 第3段階…人見知り反応、後追い、8ヶ月不安 」2.3歳ごろ
 第4段階…アタッチメント表象の形成
 
・アタッチメントの表象モデル
 ・周りの世界に対する内的表象の違い。他者や自分に対するとたえ方の基盤になる。
 
・ストレンジシュチュエーション法(SSP法)(エインズワース)
 ・こどもが1歳の時点で、どのようなアタッチメント表象が形成されているか、タイプの分類を行う
 
・アタッチメントタイプ
 ・回避型
  ・こども … 探索:少ない、不安:低い、再会時:回避傾向
  ・養育者 … 子供に拒否的、不安や苦痛の表現を嫌がる
 ・安定型
  ・こども … 探索:多い、不安:高い、再会時:接近
  ・養育者 … 子どもの働きかけに敏感に反応、接近と探索の行き来に適切に反応
 ・アンビバレント型
  ・こども …探索:できない、不安:非常に高い、再会時:アンビバレント
  ・養育者 …子どもの出す信号に敏感に反応できず、一貫性を欠いた応答
 ・無秩序型
  ・こども …探索:できない、不安:不明、再会時:接近と回避の混合
  ・養育者 …こどもを怯えさせたり不適切な養育
 
 

分離ー個体化理論(Mahler.M)

・生後数週間:正常な自閉期  → 2〜6ヶ月:正常な共生期 →その後分離個体化段階に入る
・生後4、5ヶ月〜
・生後6、7ヶ月〜 人見知りも出てくる
※人見知り不安とは別。共生段階が不満足だったために、母親以外の他者の世界に確信を持って入っていく土台ができていない可能性を示唆する
 
・8.9ヶ月〜 初期練習期  母親からの分離の練習。母親の元と、母親から離れることの繰り返し。母親は情緒的補給の基地。
・12〜14,18ヶ月 本来の練習期
・16ヶ月〜 再接近期。再び分離不安が増大。両価的傾向母親からの分離が進んでいることを幼児が認識。こどもの関心は他者との社会的相互作用に移行。
・生後3年目頃〜 情緒的対象恒常性の獲得 個体性の確立
 
 

自己感の発達(Stern.J)

・スターンの自己感の発達(Stern.J)
 ・乳児が生まれながらにして自己の感覚を持っている。身体的に他者から独立していて、統一された自分という感覚。成長と共に新しい自己感が生まれてくる。
 
 新生自己感 …生後2ヶ月頃。外界の出来事を朧げに感じながら外界と交流を図っている
 中核自己感 …生後2~3ヶ月頃。自分自身の発動性、情動、時間的連続性の感覚、境界を持って独立し、まとまりをもって身体的単位で感じる
 主観的自己感 …生後7〜9ヶ月頃。自己の心の中で生じている主観的体験が他者と共有可能であることを学び、情動調律を通して他者と意思疎通を図るための基盤を作っていく。
 言語的自己感 …生後15ヶ月〜象徴的な遊び、言語の使用、自分自身を客観的な存在として捉えられるようになる。他者とも言語を通して意味を共有できるようになる。
 
・それぞれの自己感は生涯にわたって共存し続けるとした。一つの段階が終わったら次の段階へという理論になっているボールビーやマーラーの視点に対して異なる視点を提起。
 
 

エリクソンの心理・社会的発達理論

・個人の発達に影響する社会的環境を考慮
 
乳児期 0〜1歳
 ・心理・社会的危機: 基本的信頼 VS 基本的不審
 ・重要な関係の範囲: 母親的人物
 
幼児期初期 1〜3歳
 ・心理・社会的危機: 自立 VS 恥、疑惑
 ・重要な関係の範囲: 親的人物
遊戲期: 3〜6歳
 ・心理・社会的危機: 自主性 VS 罪悪感
 ・重要な関係の範囲: 基本家族
・E.H.エリクソン「ライフサイクル、その完結」 みすず書房
 
 

児童期

・エリクソン
 学童期 小学生
 ・心理・社会的危機: 勤勉性VS劣等感
 ・重要な関係の範囲: 近隣、学校
 
・小学生の六年間
 ・身体発達、知的発達
 
・ピアジェ
 ・7〜11歳 …具体的操作期 保存の概念、見た目が変わっても同じなどの理解
     <ー10歳の壁
 ・11歳 …形式的操作期 目の前に対象がなくても形式的に基づいて考えることができるようになる
 
・対人関係
 ・9、10歳 …友人関係は外面的特性に基づいたものから、内面的特徴や性格特性に基づいたものに変化
 ・小学校中〜学年 …特定な親密な同性友人との仲間関係ができ、親からの自立が進む(ギャングエイジ)
   →同質性を求めすぎるあまり、いじめにつながったり、仲間間での競争や緊張も。
   哲学的、思索的に自分に向き合い始めている
 

遊戯療法

・体制
 こども ー 子供心理担当
 親   ー 親心理担当
 
・遊戯療法の適用
 ・年齢:3、4〜11、12歳
 ・症状:心因性の正確・行動状の問題
   例)不登校、イライラ・乱暴、引きこもり、場面緘黙(かんもく)、不安、脅迫症状、心身症、発達障害など
 ・頻度・時間: 1回50分〜60分/週
 ・目的:
  不安の消化・不安への対処
  自我機能の向上
  対人関係の形成への援助
  社会性の発達の援助
  感情発達の援助
 ・不安をなくすのではなく、不安を弱めて日常生活に支障がないようにすることをめざして始まった。
 ・自己・他者との関係性、表現的機能(カタルシス、代行行為など)、体験、守りの機能
 
・アセスメント
 ・親からの分離、新しい場所とセラピストに対する不安のアセスメント
  ・不安を感じるか、その強度は対処できる程度か、どのように表すか、どのように対処するか
 ・欲求・衝動・感情、不安、症状・防衛の関連性アセスメント
  ・欲求・衝動・感情→不安→症状・防衛 となっていることが多い。 
  ・症状・防衛の例)抑圧、禁止、隠す、おどける、強がる、迎合、知性化など
  ・遊びを変更・中断する時がポイント
 ・自我機能のアセスメント
  ・枠を守る(時間、遊ぶ場所)
  ・自他との境界を維持する 陣地、壁の維持と強度
  ・ルールの保持
  ・現実と遊びの空想の世界を自由に行き来する
  ・自己の統合
 ・対人関係の持ち方・質のアセスメント
  ・親子観察から(親との分離に対する不安、新しい場所・セラピストに対する不安)
  ・不安に対する対処の仕方 例)親に頼るか否かなど
 ・感情発達の程度のアセスメント
  ・年齢相応の感情表現をしているか
  ・感情コントロールはできているか
  ・感情を遊びの中で象徴的に表現しているか
 
・構成要素
 ・物理的・時間的・心理的構造
  ・プレイルームが決まっている
  ・曜日・時間・頻度が一定
  ・心理的構造・枠組み  例)秘密が守られる、自他への危険な行為は禁止される
 ・遊具
 ・セラピストの態度
  ・共感的応答をする
  ・自己表現できるような環境を提供する
  ・遊びの中でこどもとやりとりする
  ・遊びから子どもの内的世界を理解して、子どもに伝える
  ・感情についても理解したことを子どもに伝える
 
  ※態度・対応・技法の詳細
  ・個別OR集団
  ・遊びの設定 するORしない
  ・遊具を決める OR 決めない
    決める…開放的・構造的遊戯療法、 決めない…精神分析的立場、子ども中心療法
  ・遊びに参加 するORしない
  ・言語的対応 象徴的理解・解釈をするORしない
    する…精神分析的立場 しない…子ども中心療法
 ・映し返し機能(relective function)
 
「こどもは自分が成長するために遊戯療法の中で何をすることが必要であるのかを知っています。ですから私たちが子どもの遊びを邪魔することなく見守っていると、子どもは自覚していない自分の心の動きに従って遊びを続け成長していきます。(中略)私たちはその遊びに付き添っているだけでいいのです」吉田弘道先生
 
 

親面接

・親面接の考え方の種類
 ①子どもの治療をあくまでも中心と考え、親面接をその補助手段とするもの ←子どもの心理療法から
 ②親を心理療法の対象として取り扱い、その自己実現の道を追求していくことを第一義とするもの ←成人のカウンセリングから
 
・親面接の目的
 ・親が安定した役割を果たせるよう援助
 ・親とセラピストが協力して必要な情報を収集
 ・親の協力意欲を高める
 ・親のアセスメントも行う
 ・親の洞察を助ける
 ・広い意味での指導・教育を行う
 ・外部関係者との関係の持ち方をサポート
 
・流れ
1. 初回
 信頼関係を作るための第一歩。慎重で丁寧な対応を心がける。急がない。
 不安への対応や労いなども。目的・動機付けの確認を実施。
 相談の進め方、約束事、料金など説明する。
 無理に安心させようとしなくていい。
 
2. アセスメント
 (1)子どもに対するアセスメント
  子どもについての悩み、症状、状態、
  症状以外の生活状態
  現在の子どもを取り巻く環境(家族、学校、仲間、雰囲気など)
  子どもの生育歴 
   例)出生児の様子・事故の有無、発育状態、病気の有無、運動発達(首の座り、一人歩きの時期)、
     知的発達(言葉、学校での成績など)、親子関係、アタッチメントの発達と質、兄弟・家族関係や葛藤有無
     幼児期からの友達との付き合い方・友達関係、分離ー固体化の程度、
     自我の発達(主張することと我慢することのバランス、自分をコントロールすること、秘密を守ること、
     生活習慣の維持、整理整頓などの能力の発達と現状など)
 ・なぜこれを聞くのか、親と一緒に理解を深める。
 ・タイミングを大切にする。次々と質問していかない。親と一緒に探求する。
 ・明確化、確認しながら話を進める。具体的に目に見えるように聞いていく。
 ・子ども担当者が遊戲療法でアセスメントして得た情報も組み合わせる。←共同作業
 
 (2)親に対するアセスメント
  ・親の自我機能 例)話が混乱しない。こどもと自分のことを分けて話すことができる。
  ・親の心の内側を見る能力 例)親自身の心のうち、こどもの心のうち
  ・子どもに関する親の見方、想い 
    例)親がこどものことをどう思っているか、子供が親のことをどのように思っていると親は思っているか。
  ・親自身の対人関係の持ち方
  ・親自身の情緒と知的能力のバランス、論理的なバランス
  ・親を支える環境の有無
  ・病理の有無 例)精神的病理の有無・程度
 
  ・方法: 親から話を聞く、観察する。セラピスト自身の感情も観察する。
       親がこどもの話をする時の様子など。
 
 (3)アセスメントの結果の伝え方
  ・発達の流れの中で子どもの現状について理解できるよう、ストーリーを描けるように伝える
  ・親の理解を組み立てるつもりで行う。推測ではなく、手元にある情報で理解を組み立てるようにする
  ・因果関係ではないことに留意
  ・親が話した内容や言葉を使って伝える
  親とセラピストが理解を組み立てること=理解の組織化
 ※年齢別の表にして整理するとわかりやすい。
 
3. カウンセリングの段階
 
 
・基本的態度
 ・よく話を聞く、耳を傾ける
 ・親の大変さを労う
 ・親と一緒に探求するという構えを持つ
 ・子どもの成長、親の成長を信頼して関わる
 
・留意点
 ・親本人を治療の対象としない。親本人の心理的問題の解決に向けて関わらない。
   例)親が自分の親子関係の話をした時など
     →話は聞いて、その後にそのことがお子さんにどのように影響していますか?などと聞いて、子どもに話題を戻す。
 ・課題に対して、現実思考的に対応する。
 ・親とポジティブな関係を維持し、その中で、課題について話し合うようにする。
  (親自身の怒りやネガティブな感情が持ち込まれる場合もあるので注意)
 
・親担当と子ども担当との役割分担
 ・親担当者
  ・現実対応(園、学校など)
  ・心理相談の全容を把握しておく
  ・子どもとの交流は最少にする ※親がセラピストに嫉妬する場合があるため
  ・子供との心理療法の世界の秘密性を守る ※プレイルームでの様子などは詳細は教えない。
 
 ・子ども担当者
  ・現実対応は親担当者に任せる
  ・親との交流は最少にする ※親と話さないことによって、親と子どもとの境界を作る
   →遊戯療法の内容が親には伝わらないことが子どもに伝わることが大事
 ・混乱を防ぐために
   ・感情の動きを認識する。親と子どもの感情の動きを認識する。親担当者、子ども担当者共に自分たちの感情を認識する。
   ・親への対応。親の不満や嫉妬を受容して、明確にする。
 ・子どもへの対応。感情を受容して明確にする。
 ・担当者同士の交流を密にしておく。情報交換をまめに行う。進行状態を共有しておく。お互いを尊重する。
 
 

こどもの認知行動療法

・Stallard による子どもの認知行動療法のポイント
Partnership
Right developmental level
Empathy
Creative
Investigation
Self-discovery 事故発見と自己効力感
Enjoyable
+Family
 
・ケースフォーミュレーション(CF): 問題がどのように発言し、維持されているかを説明するメカニズムに関する仮説
 ・ミクロ …問題の維持に関するCF→現在起こっている悪循環の一つを明らかにする
 ・マクロ …問題の発現に関するCF→過去に遡って問題の成り立ちと維持を盛り込み、悪循環を明らかにする
・問題の発現に関するCF
 ・素因/遺伝…体質や気質
 ・発生要因…家族の状況、いじめ、病気、学習のつまづきなど過去の出来事
 ・発展要因…周囲の無理解、不適切な介入
 →現在の悪循環へ
 
・CFによって問題を客観的に見る (外在化する)
・全般性不安障害、特定の恐怖症、広場恐怖症、不登校、強迫性障害、うつ、PTSD、性的虐待/トラウマ、摂食障害、慢性疲労
 
・子どもの不安へのアプローチ
 1. 不安に対する理解、CFの作成
 2. 感情・生理反応、感情のコントロール(感情)
 3. 考え方の見直し、新しい考え方の習得(認知)
 4. 目標を立てる、行動計画を練る、段々やってみる、新しい行動の習得(行動)
 5. 再発予防
 ←心理教育
 強化…ほめる、ご褒美
 
 

グループ

 
・臨床的集団精神療法 …訓練された実践家が行う
・治療的集団 …広い意味で治療的効果をもたらすグループで幅広い実践家によって行われる 例)適応指導教室、相談学級
・心理教育・成長グループ …人格的成長や教育をめざすグループ 例)Tグループ、エンカウンターグループ、学級で担任が行う心理教育など
・自助・相互扶助グループ …メンバー相互援助によって成り立つグループ(専門家のリーダーシップによらない) 例)依存症の会など
 
・ヤング、チャム、ピア
 
・成員:メンバー
・スタッフ:グループワーカー(orメンバー) ←位置付け
・どういった子どもたちと何をめざすか
 ※個人目標と集団の目標に齟齬がないこと
  子ども生育史と現在の状況を踏まえた十分なアセスメントをしておく
・規模:小グループ5〜6人、中グループ10人程度
・時間、頻度
 
・グループの凝集性によって個人が蔑ろにされることがあるという点に注意
・メンバーもうまく意識できない心の動きや相互関係にも注目
 
・グループ・ダイナミクス(集団力学、集団力動): メンバーのグループにおける態度や行動・集団との相互作用
 
・グループメンタリティ …グループのメンバーが全体としてグループの機能・感情の動き、仕事の進捗に貢献しているプール
・活動の種類
 ・ワークグループ …意識的、理性的な存在。それぞれの目的に沿った活動
 ・基底的想定グループ …無意識的、非理性的集団。集団がある根強い葛藤や不安を抱えている時、集団はそれらに意識的に対処することができず、誰かに自分の不安を投げ入れることで、当面の解決を得たと思い込む。
葛藤や不安に対する心理的防衛。問題を解決する方向にはいかない。
無意識、非理性的集団のため、自分たちの心の動きが幻想や衝動によるもの、という理解が難しくなる。
合理的でない情動的な行為が促される
・規定的想定グループの種類:
 ・ペアリング(つがい) …新しいリーダーが全ての問題を解決してくれるだろうという楽観的な情動に支配される
 ・依存 …メンバー同士が現実的な問題に目を向けず相互の温かな依存関係、グループの連帯という一時的な安心感の中に身を委ねる状態
 ・闘争-逃避 …敵対・逃避することでグループのまとまりを維持しようとする。この動きを促進するリーダーを必要とし、グループは課題に直面することができず欲求不満に支配される

 
・グループワークの中である役割を担うことで自分の課題を隠すこともある。
・ただグループが維持されているだけでない状態を意識。
・集団の凝集性はある目的を達成するには強力な要素。ただ、凝集性が強いと排他的にもなる。
・治療的グループでは個別性、多様性を保証する。
・つなぎの役割
 

児童虐待

・虐待 …身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待
・児童虐待は、こどもに対して有害な行為をすること、ネグレクトは子どもに必要なことを親が提供しないこと。
 望ましくないことが繰り返しこどもの身体と心を苦しめ、こどもは自己イメージと対人関係にダメージを受ける。
・トラウマ…非日常的脅威によって受ける心の傷
・代理トラウマ、共感疲労
・凍りつき反応
 
・トラウマによる精神的失調 …PTSD
 侵入(再体験)、回避、認知と気分の陰性の変化、覚醒度と反応性の著しい変化
 まひ、退行
 
・虐待を受けた子どもは、過活動で多動なことも多く、発達障害児特有の行動と重なって見えることもある
・生物的な影響 …脳の海馬の堆積の縮小、身体発達、認知発達の問題など
・子どものトラウマ治療 …トラウマ焦点型認知行動療法(TF-CBT)、EMDR(眼球運動による脱感作および再処理)など。プレイセラピーが選択されることも。
 
・プレイセラピーの際
 ・遊具はしまい、こどもがたくさんの刺激に戸惑わないように、また不用意に自身の心が開かないように配慮
 ・ちょっとした逃げ場になるようなところがあるといい
・個人面談
 ・向き合って座るのがいいか、どれくらいの距離を取るのが良いかなど、子どもと相談しながらすすめる 
 
・事前のアセスメントが前提。
・心理面接 …子供が取り組むべき課題を共有し、そのために必要な場と体験を提供するという原則
 
・距離を詰めすぎない
・あまり個性を出さずに、一定した安定した関わり。
・セラピスト自身がどこまで受け止められるか。枠組みも必要。
・表現された時に、セラピストがどう受け止めるか。
・しつけ →社会性、主体性(自尊心)
・変化、移行の支援←社会的支援
・関係性の困難、トラウマ、困難の連鎖
・育ちのネットワークによる支援
 

発達障害

・自閉症スペクトラム障害(ASD)
 ・①社会的コミュニケーション、 ②限定された反復的な様式(こだわり) の2領域の障害
 ・人と目を合わせられない、挨拶をしない、会話ができない、同じやり方にこだわり変化に対してパニック
 ・一次スクリーニング(乳幼児検診) …M-CHAT(共同注意、お方、対人的関心に関する項目に注目)
  →ニ次スクリーニング …SCQ、AQ-J、SRS2、PARS-TR
   →診断・評価 …ADI-R(養育者面接)、ADOS-2(子どもの行動観察)
 ・カットオフ値
  
・注意欠如・多動性障害(AD/HD)
 ・不注意および/または多動性-衝動性の持続的な様式のために、機能または発達の妨げになっていること
 ・教室で座っていられず立ち歩く、一つの課題に集中できず持続できない
 ・アセスメントのポイント
  ・養育者から過去から現在までの情報聴取
  ・子供との直接やりとりや行動観察 4歳以前は正常範囲との区別が困難
   ※本人と家族のニーズにあった支援方法を検討
 ・検査…ADHD-RS、Conners3、持続処理課題(CPT)
 
・限局性学習障害(SLD)
 ・年齢やその子どもが有する知能に比べて、学習や学業的技能の使用に困難があり、介入がされていても6ヶ月間症状が持続
 ・読字障害、書字障害、算数障害など
 ・アセスメントのポイント
  ・全般的な知能の把握(WISC-IV、K-ABC)、視覚認知や音韻情報処理スキル水準の把握
 ・検査…LDI-R、学習の到達度検査の小学生読み書きスクリーニング検査
 
・アセスメントを通して得た個別のニーズに応じて支援を実施する
 

ひとり親・再婚家庭

・離婚の影響(短期)
 ・喪失体験、新しい生活への不安、両親の間で生じる加藤 …1年ほどの間で徐々に克服
・離婚の影響(長期)
 ・経済問題、監護親の精神積問題、別居親と監護親との高葛藤状態の持続
 ・遅延効果で5、10年後に不適応が現れるのときもある
 
・離婚後長期に影響を受ける条件 (棚瀬,2001)
 ・説明なしの突然の両親別居
 ・愛着対象であった非監護者による拒絶、その後の接触のなさ
 ・監護親の極度の混乱と不適応状態、親機能の長期的低下
 ・監護親の長時間労働による二重の喪失体験
 ・学校・親族等のサポートの薄さ
→ 長期的な影響を防ぐために
 子どもへの説明、別居親との面会交流、親子支援プログラム

・面会交流
 ・2011年民法改正→離婚後の子供の看護に関する事項として面会交流が明示
 ・片親阻害症候群 …片方の親と強固に同盟を組み、もう片方の親との交流を拒絶する
   ←監護親が別居親の悪口を子どもに聞かせて、子どもが会いたくないと思うようにさせるなど
 ・面会交流の支援 …裁判所の父母教育プログラム、家庭問題交流センター(FPIC)、Wink
 ・明石市の面会交流支援
 
・FAITプログラム
・『ココ、君のせいじゃない』
・『ステップキンと七つの家族』
 
 

災害時の心のケア

・サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)
 ・被災直後から数週間以内に支援を提供
 ・活動内容
  ・被災者に近づき、活動を始める
  ・安全と安心感
  ・安定化(必要に応じて)
  ・情報を集めるー今必要なこと、困っていること
  ・現実的な問題の解決を助ける
  ・周囲の人々との関わりを促進する
  ・対処に役立つ情報
  ・紹介と引き継ぎ
 
・『災害時のこころのケアーサイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き』
・PFAは急性期の支援
・以前はディブリーフィングをやっていたが、これはNGとされている
 
・災害後に必要な体験の段階モデル 冨永、2012)
 1.安心安全体験
 2.ストレスマネジメント体験
 3.心理教育体験
 4.生活体験の表現
 5.被災に伴う体験の表現
 6.回避へのチャレンジ
 7.表の作業
 5〜7は長期の支援。
 
・PTSD有病率 自然災害4%、性犯罪50%  罪悪感が絡むことで違いが出ると言われている
・トラウマ反応のセルフケア… 安心・絆→表現・チャレンジ
  →トラウマ後成長を促すことへ(PTG)
 
・仙台市岩切児童館の集団遊戯療法の事例 伊藤良子先生
 

その他メモ

・社会的養護
 理念: 「子ども最善の利益のために」「社会全体で子どもを育む」
 目的: 保護者がいない子ども、あるいは保護者のもとで適当な養育を受けることができない子どもを、公的責任で「社会的に養育」する
 
・他職種協働、育ちのネットワーク
 
・役割の限界を知っておく
・ラ・メゾン・ベルデ(緑の家)
 
・心理士の役割(共通点)
①アセスメント …子ども、保護者、親子関係、スタッフと親子の関係、スタッフ同士の関係
②親子、子ども・家族とスタッフ間、スタッフ同士の関係の調整
③その機関と外部機関との連携、話し合いの場のコーディネート
④予防的介入
⑤危機における心理的支援
 

雑感

 

後半の臨床の現場からの回は、こんなふうなんだぁととても勉強になりました。

また、大人と違って、子どもへの対応はやはり違うんだなぁと思いました。

子どもゆえのストレートさというか…現場でお仕事されている方は本当にすごいと思いました。

 

もっと、子どものこと、心理士のこと、支援のことが世間に知られていくといいなぁ。