ad:tech tokyo2010 レポート(Day 2)part5
アドテック東京のレポート。5本目。最後。
今回は、2日目の closing keynoteと自分なりのまとめ。
※例によって、僕の脳内フィルターを通しているのでざっくりとしている
部分も多いです
では、スタート!
■マーケターのチャレンジ:
「デジタル・マーケティング」か、それとも「デジタルの世界に向けたマーケティング」か?
http://www.adtech-tokyo.com/ja/conference/session_detail/October_29th_15.html
・デジタルデジタル言われているけれど、日本のマーケティング予算においては
まだ、テレビ新聞の方が上回っている。
・人が集まる場(ソーシャルメディアなど)に飛び込んでいかなければいけないが、企業が
そのまま土足で入っていっても受け入れてもらえない。悩ましい。
ブランドとして、何をしていいのか?何をすべきなのか?
・お金の使い方DBとして、bundle を立ち上げた。言わば、金融版facebook。
・citibankは消費者との約束をした。その約束をするために、「誰と?」を明らかにする
綿密なリサーチを行なった。
結果、4パターンのペルソナを導き出した。
・コミュニケーション設計では、あくまでもカスタマー(導き出したペルソナ)が中心。
・全てをデジタル化。ペーパーレス化によって浮いた予算は別の使い道に。
・デジタル化によって、顧客データベースを統合。
CMSがマーケティングコミュニケーションの中心に。コンテンツも構造化され、
コンタクトポイントに最適化されて顧客に提供される。 (顧客中心の発想)
・店舗もデジタルが中心に。
バックオフィスは必要ない。行員の役割も変化。カスタマーサポートに注力。
・店舗のデザインにもこわだりを。設計は、アップルストアと同じ企業。
・結果的に、日経調べの顧客満足度が1位になった。
セッション詳細でも書かれているが、あくまで「デジタルマーケティング」を貫いたカタチとして
参考になった。単に「デジタルの世界に向けた」マーケティングをしていても、自己満足でしか
ない。
顧客中心で考えながら、その中でデジタルにできることを最大限活用している、という
好例だった、といえる。
デジタル中心発想に染まっている可能性のある会場に対して警鐘を鳴らす、という意味でも
有意義なclosing keynoteだったのでは。
■自分なりのまとめ
2日間、会場にどっぷりとつかって見えてきたこととしていくつかまとめておこうかと。
①“owend contents”の重要性
トリプルメディアという概念が今回の会場でもよく耳にした。
その中で、「earned mediaが重要」という話はよく聞く。が。個人的には
owned contentsの重要性に改めて着目したい。(owend mediaではなく、あえてowend contentsと)
広告も自社サイトもメルマガも社員・店員も店舗も、全てがowned contents。
自社で抱えるコンテンツがしっかりしていないのに、「外部のメディアで良く言われるためには」
なんて話をしても、本末転倒。
こっちの整備をしっかりすることが結果的に近道なんだと思う。
CNNも、ソーシャルメディア/外部の人の情報をうまくowend contentsに変換していた。
“ソーシャル”でどううまくやるか、っていうよりも“ソーシャル”の要素を取り込んで
いくことが大事なんだろな。
②デジタルによる精緻化・可能性
シティバンクの例にしても、E-mailセッションにしても、データを集約し緻密に分析することで、
顧客に対して届ける情報・タッチポイントを精緻化することはできる。
この部分をしっかりと行なうだけでも、だいぶ改善されるんだと思う。
(これは、改めて言うまでもない話かもしれないけれど・・・。とはいえ、実践できている企業は
それほど多くないのでは?)
また、デジタルがインフラとして横たわりながら、全てのコミュニケーション活動を行なうことも
可能になってきているわけで。このあたりは、チャレンジしてみたいところ。
(モバイル・PC・DOOH・店舗などの組み合わせ とか精緻にやってみたい)
③デジタル化でさらに重要性が高まる人の感性
いくつかのセッションでも出てきた意見として、「最終的には企業/CMOの判断(属人的なもの)」
というものがあった。
データ分析によって精度を高めることは出来ても、おそらく計算できる範囲の結果に落ち着く。
ジャンプアップは望めない。
だとすると、「理由はないけど面白い!」といった要素は忘れてはいけない部分。
人は理性的なことだけで行動はしない。必ず感性的な要素も入ってくる。
理性と感性を行ったり来たり、そんな状況を提供することで、より良いマーケティング活動に
つながるのではないか。
④人の役割の変化
シティバンクの例でもあったように、デジタル化によって顧客の購買行動や消費行動は
よりスムーズになることが考えられる。
そうなると、人はどういった役割を果たすのか?
カスタマーサポートに注力してもいい。コミュニケーション活動に注力してもいい。
企業として、役割の最適化ということもこれからは考えていかないと、と。
※「じゃあ、機械が人間のようになったら・・?人間はお役御免なの?」というのは
#comnomaでも話した内容。
⑤なんだかんだでヒトが大事
今回の僕の結論は、ココ。
「なんだ、それだけかよ!」というツッコミはなしで(笑)
デジタルは重要。これまで出来なかったことも可能にする。それは忘れちゃいけない。
でも。
それだけに偏ってしまっては、意味がない。
エクセル表でデータを分析することは大事だけど、エクセル表とにらめっこだけしていても
変わらないこともたくさんある。
今回のアドテックで、マーケティングっていうのは、
様々にある変数を組み合わせることで、ゴールにつなげていくか、ってことなのかなぁ。
なんてことも思った。
理性的アプローチと感性的アプローチのミックスでどこまで詰めていけるか。
どんどん進化していくデジタル分野の知見は身につけなきゃいけない。
一方で、人としての本質的な要素や自分の直感みたいなものも忘れちゃいけない。
各専門セッションで、知識として身につけた部分はもちろん多くあったけど、
自分なりに振り返ってみると、まとめとしては、こんな感じになるのかな。
今回は、社内の分担もあって、敢えて普段触れないようなセッションに参加したけど、
結果的には良かったと思う。
アドテックの一つの楽しみ方かも。
あと、忘れちゃいけないこととして、
アドテック会場と世の中の流れの違い。あの場が、マーケ業界のコミケだと自覚すること。
(#comnomaで出た話)
普通に暮らしている人(こういう業界に関わりのない人)にとっては、
トリプルメディアだとか、CMSなんてどうでもいいわけで。
そんなこんなでつらつらと書いてきましたが、僕のアドテック東京2010レポートは
今回で完結!
自分が聞くことができなかった他の専門セッションについては、改めて社内共有して
知見を貯めていきます。
※追加で思いついたことがあったら書くかも。
今回は、2日目の closing keynoteと自分なりのまとめ。
※例によって、僕の脳内フィルターを通しているのでざっくりとしている
部分も多いです
では、スタート!
■マーケターのチャレンジ:
「デジタル・マーケティング」か、それとも「デジタルの世界に向けたマーケティング」か?
http://www.adtech-tokyo.com/ja/conference/session_detail/October_29th_15.html
・デジタルデジタル言われているけれど、日本のマーケティング予算においては
まだ、テレビ新聞の方が上回っている。
・人が集まる場(ソーシャルメディアなど)に飛び込んでいかなければいけないが、企業が
そのまま土足で入っていっても受け入れてもらえない。悩ましい。
ブランドとして、何をしていいのか?何をすべきなのか?
・お金の使い方DBとして、bundle を立ち上げた。言わば、金融版facebook。
・citibankは消費者との約束をした。その約束をするために、「誰と?」を明らかにする
綿密なリサーチを行なった。
結果、4パターンのペルソナを導き出した。
・コミュニケーション設計では、あくまでもカスタマー(導き出したペルソナ)が中心。
・全てをデジタル化。ペーパーレス化によって浮いた予算は別の使い道に。
・デジタル化によって、顧客データベースを統合。
CMSがマーケティングコミュニケーションの中心に。コンテンツも構造化され、
コンタクトポイントに最適化されて顧客に提供される。 (顧客中心の発想)
・店舗もデジタルが中心に。
バックオフィスは必要ない。行員の役割も変化。カスタマーサポートに注力。
・店舗のデザインにもこわだりを。設計は、アップルストアと同じ企業。
・結果的に、日経調べの顧客満足度が1位になった。
セッション詳細でも書かれているが、あくまで「デジタルマーケティング」を貫いたカタチとして
参考になった。単に「デジタルの世界に向けた」マーケティングをしていても、自己満足でしか
ない。
顧客中心で考えながら、その中でデジタルにできることを最大限活用している、という
好例だった、といえる。
デジタル中心発想に染まっている可能性のある会場に対して警鐘を鳴らす、という意味でも
有意義なclosing keynoteだったのでは。
■自分なりのまとめ
2日間、会場にどっぷりとつかって見えてきたこととしていくつかまとめておこうかと。
①“owend contents”の重要性
トリプルメディアという概念が今回の会場でもよく耳にした。
その中で、「earned mediaが重要」という話はよく聞く。が。個人的には
owned contentsの重要性に改めて着目したい。(owend mediaではなく、あえてowend contentsと)
広告も自社サイトもメルマガも社員・店員も店舗も、全てがowned contents。
自社で抱えるコンテンツがしっかりしていないのに、「外部のメディアで良く言われるためには」
なんて話をしても、本末転倒。
こっちの整備をしっかりすることが結果的に近道なんだと思う。
CNNも、ソーシャルメディア/外部の人の情報をうまくowend contentsに変換していた。
“ソーシャル”でどううまくやるか、っていうよりも“ソーシャル”の要素を取り込んで
いくことが大事なんだろな。
②デジタルによる精緻化・可能性
シティバンクの例にしても、E-mailセッションにしても、データを集約し緻密に分析することで、
顧客に対して届ける情報・タッチポイントを精緻化することはできる。
この部分をしっかりと行なうだけでも、だいぶ改善されるんだと思う。
(これは、改めて言うまでもない話かもしれないけれど・・・。とはいえ、実践できている企業は
それほど多くないのでは?)
また、デジタルがインフラとして横たわりながら、全てのコミュニケーション活動を行なうことも
可能になってきているわけで。このあたりは、チャレンジしてみたいところ。
(モバイル・PC・DOOH・店舗などの組み合わせ とか精緻にやってみたい)
③デジタル化でさらに重要性が高まる人の感性
いくつかのセッションでも出てきた意見として、「最終的には企業/CMOの判断(属人的なもの)」
というものがあった。
データ分析によって精度を高めることは出来ても、おそらく計算できる範囲の結果に落ち着く。
ジャンプアップは望めない。
だとすると、「理由はないけど面白い!」といった要素は忘れてはいけない部分。
人は理性的なことだけで行動はしない。必ず感性的な要素も入ってくる。
理性と感性を行ったり来たり、そんな状況を提供することで、より良いマーケティング活動に
つながるのではないか。
④人の役割の変化
シティバンクの例でもあったように、デジタル化によって顧客の購買行動や消費行動は
よりスムーズになることが考えられる。
そうなると、人はどういった役割を果たすのか?
カスタマーサポートに注力してもいい。コミュニケーション活動に注力してもいい。
企業として、役割の最適化ということもこれからは考えていかないと、と。
※「じゃあ、機械が人間のようになったら・・?人間はお役御免なの?」というのは
#comnomaでも話した内容。
⑤なんだかんだでヒトが大事
今回の僕の結論は、ココ。
「なんだ、それだけかよ!」というツッコミはなしで(笑)
デジタルは重要。これまで出来なかったことも可能にする。それは忘れちゃいけない。
でも。
それだけに偏ってしまっては、意味がない。
エクセル表でデータを分析することは大事だけど、エクセル表とにらめっこだけしていても
変わらないこともたくさんある。
今回のアドテックで、マーケティングっていうのは、
様々にある変数を組み合わせることで、ゴールにつなげていくか、ってことなのかなぁ。
なんてことも思った。
理性的アプローチと感性的アプローチのミックスでどこまで詰めていけるか。
どんどん進化していくデジタル分野の知見は身につけなきゃいけない。
一方で、人としての本質的な要素や自分の直感みたいなものも忘れちゃいけない。
各専門セッションで、知識として身につけた部分はもちろん多くあったけど、
自分なりに振り返ってみると、まとめとしては、こんな感じになるのかな。
今回は、社内の分担もあって、敢えて普段触れないようなセッションに参加したけど、
結果的には良かったと思う。
アドテックの一つの楽しみ方かも。
あと、忘れちゃいけないこととして、
アドテック会場と世の中の流れの違い。あの場が、マーケ業界のコミケだと自覚すること。
(#comnomaで出た話)
普通に暮らしている人(こういう業界に関わりのない人)にとっては、
トリプルメディアだとか、CMSなんてどうでもいいわけで。
そんなこんなでつらつらと書いてきましたが、僕のアドテック東京2010レポートは
今回で完結!
自分が聞くことができなかった他の専門セッションについては、改めて社内共有して
知見を貯めていきます。
※追加で思いついたことがあったら書くかも。