ad:tech tokyo2010 レポート(Day 1)part2 | PR革命 -PR業界から離れたオトコのアタマの中-

ad:tech tokyo2010 レポート(Day 1)part2


前回に引き続き、アドテック東京のレポートを。

今回は、1日目の専門セッションについて。
(同時に4つのセッションが展開されるので、僕が
 参加できたものだけを)

※例によって、僕の脳内フィルターを通しているのでざっくりとしている
 部分も多いです



■「変化した生活トレンドの本質を知る」
 http://www.adtech-tokyo.com/ja/conference/session_detail/October_28th_04.html

・4つの大きなトレンドがある
 <所得の減少>
  ①ミニマム消費志向

  ②メリハリ消費志向

 <薄れるリアルな関係>
  ③ゆるい人間関係(完全なオン・オフではなく、0.5くらいの感覚)

 <高品質が当然>
  ④感性・体感志向

・あらゆるリサーチによって、データは溢れている。
 大事なのは、どうアクションに結びつけるか。

・リアルとwebの「アクションストリーム」
 行き来するなかで行動は生まれる。

・データから導かれたものが、最終的な意思決定につながらなければいけない
 つまり、Marketingとbusinessのリンクが大切
 (現状、必ずしもここがつながってないことが多い)
 Marketing decision=business decision へ

・ニーズではなく、モチベーションを見つけることが大事

・マーケターの考え方の基本は「差別化」。 
 調査結果のうち60%でも70%でも実際は、あまり変わらない。
 けど、その違いに意味を持たせようとしがち。

・結局のところ、自分に聞いてみることが一番大事
 自分だって一生活者なんだから、分からないはずはない。

・新しい言葉から、新しいトレンドの流れを読み解くことは可能
 だいたい1~2年後くらいであれば見えてくることはある。

・ROIの、「R」に対する意識を強く持とう。
 もっと、マーケティングにサイエンスをあてはめよう。


ざっと、上記のような内容(だったと・・・)
自分の感覚を大事にしろ、ということを「リサーチ」のセッションで
聞くとは新鮮だった。




■「マルチプラットフォームで実現するリアルタイムトラッキングによるデータ解析」
 http://www.adtech-tokyo.com/ja/conference/session_detail/October_28th_08.html

・お題① what is cross platform marketing?

・お題② Notリアルタイムとリアルタイムは共存できるか?
     共存できるとしたら住み分けは?

・multi-platform = As single source data 
 (検索行動、購買行動、ソーシャルグラフ、ADコンタクト 等の様々なデータを
  共有してマーケティングに活用することができる)
 これらのデータを統合し、その人の“source”まで遡ることが可能。
 そうすることで、「どんな言葉を調べようとしているか?」「どのブランドが好きか?」
 「どんなソーシャルグラフに属する可能性があるか?」「何が行動の引き金になるか?」
 などが見えてくる。

 →マーケティングの上流工程にデータを活用刷ることは可能

・精度をあげようとすると、対象のボリュームは小さくなる、というジレンマが存在。
 種まきも刈り取りも重要。ネットマーケティングの世界では、刈り取りにばかり
 目が行きがち。

・オーディエンスデータを使うにあたっては、競合企業もそのデータを
 使うことができる、という懸念は存在。

・米国ではADネットワークが発達しているためオーディエンスターゲティングができる
 という事実。日本や中国ではまだこれから。


普段の業務領域とは違う部分も多いセッションだったため、まだまだ
キャッチアップできていないところも多い。。。
ただ、デジタル領域で入手できるデータとオフラインで得ることができるデータとの
組み合わせ、という可能性はあるんだろうな、ということは分かった。

※この分野に関しては、どっぷりつかっていないからこそ、ある種の懸念も
 可能性と同時に感じた。仕掛ける側としてはとても魅力的だけど、一生活者として
 見た場合、「どこまで自分に関わるデータが集められて使われるんだろう?」と。
 まだまだ議論が出てきそうな分野ですね。




■「ブランド価値を高めるオウンドメディアのコンテンツ戦略」
 http://www.adtech-tokyo.com/ja/conference/session_detail/October_28th_11.html

・フォルクスワーゲンfuntheoryの事例、gatorade replayの事例

・CMOが最もユーザーに近い位置にいなければ、広く受け入れられるコンテンツは
 生まれない。

・コンテンツの中心にはユーザーを置くことが大事。

・大事なのは、「ネタ」になるかどうか。この視点がなければ広がらない。

・発想として持つべきなのは「N=1」。つまりは“御用達”発想。
 100人に受け入れられる必要はない。1人に受け入れられることが大事。
 そして、自分たちが楽しめるかどうか。自分が楽しくないものは誰も楽しまない。

・「N=1」ということは、他の人には嫌われる可能性も十分にある、という前提。
 それでもやりきることが大切。一人の顧客に対する徹底的な忠誠。

・CMOの役割は、主観的に判断すること。
 どうしてもマニュアル化できない、属人的になる、ということも事実として存在している。

・「I want chu」の事例。
 どれだけ売上に貢献したかは分からないが、広まりを得られたし、自分たちも楽しんだ。
 そこに価値がある。

・Branded contentというと、「他と差別化する」発想になりがちだが、本当に行なうべきは
 共通項を見つけ出していくこと。世の中に受け入れられる要素を持つこと。

・それこそ、「利益三分主義」のような考えで。
 

以前このブログで書いた、「一と全」のような考えと似たようなものも感じたセッション。
オウンドコンテンツに対するCMOの位置取りや考え・役割についても触れていて、
かなり興味深いセッションだった。

これだけたくさんのチャネルやメディアが出てきているからこそ、
オウンドコンテンツをどうするか、というところに割く時間や予算が重要になってくると
いうのは、最近強く感じること。


“自分の感覚を大事に”というのはリサーチのセッションでも出てきたキーワード。



今回の自分としての結論は追って書きますが、
「デジタル化と人間性」という要素は、この時点でボンヤリと見えてきました。



ひとまず、ここまで。
どうしてもボリュームが重くなるので、細切れにしていきます。




ad:tech tokyo 2010 report については、
 Day1 opening keynote ←済
    専門セッション① ←イマココ
    専門セッション②

 Day2 keynote、専門セッション
    closing keynote とまとめ 

上記のように計5回の構成でまとめていこうと思っています。