シネマ歌舞伎『高野聖』を観てきたので、感想を少し(ネタバレあり)。
・頭上から降ってくる山蛭にゾクゾク。
・修行僧・宗朝(そうちょう)の世話を焼く、どこかミステリアスな雰囲気の女。可憐な少女のようにも、慈愛に満ちた母親のようにも感じられた。
・老爺から女への「嬢様」という呼び方が可愛い。
・谷川の場面が美しく幻想的。女の色香が凄まじく、見てはいけないものを見ているような気持ちに。
・夫が人間の腕を食べるのかと思い、ぎょっとした。たくあんで良かった…。
・老爺は秘密を喋り過ぎでは…。
帰る場所を失い、病持ちの男を支えながら山奥でひっそりと暮らす、献身的な姿とやるせなさ。旅人を牛馬に変え、得たお金で鯉を喰らうしたたかさ。女の苦悩と悲しみ、そしてそれでも生きていくという力強さを感じる作品でした。
心清らかな宗朝に女は救いを見たのでしょうか、なんとも切ないです…。