シネマ歌舞伎『高野聖』(ネタバレあり) | 空色ノートのブログ

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こんにちは、空色ノートと申します。このブログでは日記や詩を中心に、たまに旅行記も書いています。
映画、音楽、写真、旅行、漫画が好きです。美術館、博物館、神社、お寺など、時々出かけています。毎週の楽しみは、私の愛した歴代ゲゲゲ、薬屋のひとりごと。

シネマ歌舞伎『高野聖』を観てきたので、感想を少し(ネタバレあり)。

・頭上から降ってくる山蛭にゾクゾク。
・修行僧・宗朝(そうちょう)の世話を焼く、どこかミステリアスな雰囲気の女。可憐な少女のようにも、慈愛に満ちた母親のようにも感じられた。
・老爺から女への「嬢様」という呼び方が可愛い。
・谷川の場面が美しく幻想的。女の色香が凄まじく、見てはいけないものを見ているような気持ちに。
・夫が人間の腕を食べるのかと思い、ぎょっとした。たくあんで良かった…。
・老爺は秘密を喋り過ぎでは…。

帰る場所を失い、病持ちの男を支えながら山奥でひっそりと暮らす、献身的な姿とやるせなさ。旅人を牛馬に変え、得たお金で鯉を喰らうしたたかさ。女の苦悩と悲しみ、そしてそれでも生きていくという力強さを感じる作品でした。
心清らかな宗朝に女は救いを見たのでしょうか、なんとも切ないです…。