宮城県美術館(宮城県仙台市)で開催中の『東日本大震災復興祈念 奈良・中宮寺(ちゅうぐうじ)の国宝展』を観てきました。
奈良県斑鳩町(いかるがちょう)にある中宮寺は、聖徳太子が母・穴穂部間人(あなほべのはしひと)皇后のために創建したとされ、現存する最古の尼寺としても知られるそうです。
この展覧会では、東北では初公開となる御本尊「菩薩半跏思惟像(ぼさつはんかしゆいぞう)」、紙製の仏像「文殊菩薩立像(もんじゅぼさつりゅうぞう)」、きらびやかな襖絵「花鳥散図襖(かちょうちらしずふすま)」など、貴重な寺宝36点が紹介されています。
特に印象的だったのが、
小さな天井画が可愛らしい「花御堂天井画(はなみどうてんじょうが)」。
金地に鳥や草花が描かれ、華やかな雰囲気の「花鳥散図襖」。
繊細な刺繍が目を引く「幡 紅綸子地御簾に菊模様繡小袖裂(ばん べにりんずじみすにきくもようぬいこそでぎれ)」。
慈愛に満ちた表情の「菩薩半跏思惟像(ぼさつはんかしゆいぞう)」。「もう大丈夫だよ」と言われているような、包み込まれるような温かさを感じました。1300年もの間、優しい微笑みで人々の思いを受け止めてきたのだなぁ…と。
斜めのお顔や横顔、頬に添えられた指、流れるような垂髪と衣紋、軽く反った爪先…。様々な角度から拝見し、そのお姿を心に刻みました。
会期は、1月12日までとなっています。