宮城県美術館(宮城県仙台市)で開催された『東日本大震災復興祈念 東山魁夷 唐招提寺御影堂(みえいどう)障壁画展』を観てきました。
画家・東山魁夷が10年以上の歳月を費やして完成させた、奈良・唐招提寺の障壁画。この展覧会では、全68面の障壁画と共に、制作に至るスケッチや下絵も紹介されています。
実際の間取りに近い形で展示されているそうで、御影堂の中にいるような気持ちで鑑賞できました。
特に印象的だったのが、
海の色が爽やかで美しい「濤声(とうせい)」。波の音、潮の香り、頬を撫でる海風まで感じられそうです。
山の匂いに思わず深呼吸したくなる「山雲」。滝の音が心地好く響いてくるようでした。下絵ではクチバシを閉じていたホトトギスですが、完成した画では開いているのだなぁ…と。
鑑真和上の故郷が描かれた「揚州薫風」。風や土はどんな匂いなのかなぁ…と想像しながら、鑑賞しました。
通常、年に数日しか公開されないものだそうで、御影堂修復中の今だからこそ観ることのできる、貴重な機会となりました。
いつか唐招提寺にも行ってみたいなぁ…と思いながら、美術館を後にしました。