昔むかし 宇宙を旅する詩人がいました
今夜の寝床を探していたところ 太陽に出会いました
詩人は 尋ねました
あなたの背中は とても暖かそうだ
どうか一晩 休ませてもらえないか
太陽は 答えました
いいですよ その代わりに
何か歌を 聞かせて下さい
どこかの銀河 わたしの知らない歌を
詩人は 一番好きな歌を歌いました
太陽はその歌が とても気に入りました
次の日、
詩人はお礼を言って 旅へと戻っていきました
太陽は 詩人が教えてくれた歌を
今も時どき 口ずさんでいます
その歌は 風になって
星ぼしを 巡っているといいます
遠い昔 物語のひとひら