【サポーターが厳しいことを言うとチームは強くなるのか?】に関する考察 | CZOブログ

【サポーターが厳しいことを言うとチームは強くなるのか?】に関する考察

よく「サポーターが厳しい事言っていかないとチームが強くならない!」って声聞くけど、あれ本当なんですかね?

そんな訳で【サポーターが厳しいことを言うとチームは強くなるのか?】について。

私見としては基本的には”強くならない”と思ってる。
チームが強くなるための最重要要素は「お金」だと思っているのでね。
「お金」が選手を集め、環境を整え、結果チームを強くする、非常にシンプルな話ですね。

つまりこの問題って「サポーターが厳しいことを言う事でお金が集まる確率が上がるのか?」って言い換えられるのかなと。
サッカークラブの収入は一般的に「入場料収入」「スポンサー収入」「放映権収入」が3大柱(日本では放映権が弱いので2大柱とも言われてたり)って言われてるんだけど、それらを踏まえて「厳しい声」の影響を考えてみましょうかね。

まず「入場料収入」の側面から。
要は「厳しい声」で観客は減るのか?って話ですね。
おおよそ“厳しい声≒殺伐とした雰囲気”になりがちなので、単純にそれを不快に感じ離れる層はあると思う。
ただ私はそれよりむしろ厳しい声を発する事でファンの間に「弱い」「頑張ってない」「期待はずれ」と言うネガティブな想いが共有されてしまい、結果的に「見る価値がない」とスタジアムから離れてしまう層の方が大きいのかなと見てる。
現に「厳しい声」を放つサポーターのいるクラブは勝てない時に観客数が減ってる気がするしね。
で「スポンサー収入」とも関ってくるんだけど、観客が減ればそりゃスポンサーも離れますよね、と。

で、面白いのが同じ国なのに「厳しい声」がよく聞こえてくるチームとそうでないチームがあると言う点。
これは何を意味しているかと言えば、所謂“コアサポーター”の色が、程度の差こそあれそのチームのサポーターの色となっていってるって事なんだと思う。
浦和レッズとかFC東京とか川崎フロンターレとかなんて正にじゃないですかね?
つまり極論を言うならば“コアサポーター”と言われる一部の人々の考えが、そのチームのファンの総意となってしまいがち(見えてしまいがち)って事なのかなと。
これは恐ろしい事だと思うんだけど、一方で使い方次第なのかなとも思えてきます。
ちなみにその影響力を行使する行為を先日「ウルトラスシステムを発動させる」と知人から教えてもらいました。

そんな訳で、私は“コアサポーター”はその影響力の大きさをクラブにとってポジティブなものとして使える頭の良さが必要なんだと思ってる。
“コアサポーター”が「あの監督はダメ監督だ!」と言えば周りのファンは「そうなんだな」と思うだろうし、「あいつは頑張ってない」と言えばそんな雰囲気が生まれる。
そしてもちろんその逆もあると思う。
だからこそ「ウルトラスシステムの発動」には慎重であるべきだし、冷静かつ的確にチームを見れていないといけないと思う。

一つ声を発すれば1000人単位の人々がその声に呼応する環境が彼らにはあるので「自分はこのクラブの事を誰よりも考えてるし、しっかりと見れている」とか思ってしまいがちなんだろうけど、こと「サッカーを観る」って事に関してもそれは通用してるのか?
なんとなく「厳しい声」の数々を見てると、私の価値観ではそこが怪しく思えることも少なくないですよね。
ゴール裏って一番安いだけあってスタジアムの中で「サッカーを観る」には最も適していない、しかもその席で歌い跳ねながらの観戦で「しっかりと見れている」のかと言えば正直疑問が残る。
しかも多くの場合、他チームと比較した中でサポートしているチームの現状の立ち位置まで把握は出来てないと思うんですよね。
その状態で発せられる「厳しい声」がチームを良くする上でどれだけ影響力あるのかなと思う訳です。
そしてその影響力はここまで述べてきた「観客減」のリスクと比べて上回ってくるのか、ここもどうなんですかね?

プロのサッカークラブが下す判断は多くの場合ベストではないまでもベターではあるのかなってのが自分の考え。
だから「厳しい声」を発する必要があるとすれば、それは余程の状態なんだと思う。
そして“コアサポーター”はその影響力を考えれば、冷静かつ慎重であり更に建設的に「厳しい声」を発するべきなのかなと。
感情的な状態でスタジアムに居残って出てくるかも分からない社長にぶつける行き当たりばったりのパフォーマンス的「厳しい声」でなく、しっかりとその場を設けて冷静な頭で「厳しい声」をぶつければ良いと思う。

「厳しい声」っておおよそ結果に対してになるんだろうけど、個人的には結果でテンション保てるのは3年だと思ってる。
そこを過ぎるとそこに拘りを持った人は離れ始めていくのかなと。
そしてサッカークラブの中でその期待に応え続けられる資質を持ったクラブなんてほんの一握りに過ぎないんですよね。

数年前からクラブ経営のキーワードは「試合以外も楽しめるスタジアム作り」になってきていて、スタジアムグルメやイベントの充実に努めている訳ですよ。
それは「勝敗と言う不確定要素に依存し過ぎると勝てない時に人が離れる」って認識からスタートしているんですよね。
個人的には「厳しい声」が結果に及ぼす影響なんてほとんどないと思ってるので、それならそのクラブの考え方に乗っかって楽しんじゃえばいいのかなと。

サポーーター目線でチームを強くするには「厳しい声」を発する事より、むしろ「楽しい雰囲気を演出する」事で人が集まる土壌を作り出す事が必要なんじゃないかと思う訳です。
「ウルトラスシステム」をネガティブでなくポジティブに発動させるって考え方ですね。
それと共に「厳しい声言いたい派」を含め多くのファンを味方につける知性と魅力も備える必要があるんだと思う。

そんな感じ。
まとめるとなんでしょうね。
少し肩の力抜いてスタジアムを楽しみましょうよって感じでしょうか?