JFL後期第1節 AC長野パルセイロ×松本山雅FC | CZOブログ

JFL後期第1節 AC長野パルセイロ×松本山雅FC

2011/7/3  13:00KO


AC長野パルセイロ 1-1 松本山雅FC

【得点】

長野 宇野沢祐次

松本 塩沢勝吾



《試合経過》

http://www.shinmai.co.jp/soccer/2011/07/10-3.html



《試合感想》

あれよあれよと言う間に一週間が経ってしまいました。

と言うか、ブログを更新しなくて約2週間も経っていたのか。

次の試合も終わってるしこのエントリーも今更過ぎて笑えますね。


と言うわけで、先日チケットを融通してもらえたので物見遊山に南長野へ信州ダービーを見に行ってきました。


加藤新監督になってからの山雅は初陣の高崎戦以来。

高崎戦ではまだまだこれからな印象を持ったけど、それがどう変わったか注目して観戦でした。


一方の長野は昨年の地域決勝大会以来かな?
たまたま見た試合の出来が良かったので、JFLでどんなサッカーをしているのか気になっていたものです。



そんな訳で、試合について。

映画「クラシコ」の効果もあってか一部のマニアからは大きな注目を集めた試合だったみたいですね。


個人的な印象を言えば、全体を通して長野の試合だったのかなと思っています。

カウンタリングカウンター気味に1点を先制し、その後相手に一人退場者を出させた訳だから、ある種前半で勝負を決めた様にも見えました。


特に長野は木島良輔選手を「退場させた」のは見事でしたね。

「退場した」んじゃなくて見事に「退場させた」という風に自分は思っています。

と言うのも、序盤から木島選手にボールが入ったときの当たりや寄せが大島選手をはじめ長野の選手全般的に必要以上に荒かった。
「普通そこまで強くいかないでしょ?」みたいなシーンがいくつか続いていたなと。

時間の経過と共に目に見えてイライラ感を募らせていく木島良輔選手を見て、長野の木島潰しの意図と木島選手退場への道筋を感じ始めたものです。

そんな中での前半41分の退場だった訳だから本当に見事だったなと。

それと同時に相手のシナリオ通りにイライラを募らせて退場していった木島選手に対しては呆れてしまいましたね。

あんな分かりやすいちょっかいにそんな易々と嵌ってしまうのかと。


そんな感じで前半の残りが終了。

山雅は厳しくなったけど個人的にはまだまだ試合は分からないとは思っていました。

ただ山雅が勝つためには当然ながら相手より攻守において長野に走り勝たないといけないなとは思っていましたね。


で、後半。

ほどなくして山雅は今井選手・塩沢選手を投入します。

個人的には勝負に出たなと強く感じました。


この試合の長野はラインを高くしDFとMFでしっかりとブロックを作って、入ってきた縦パスへ強くアプローチするような攻撃的なディフェンスをしていた様に感じていました。

なので、山雅はただでさえ得意としない細かくボールを動かしての攻撃では突破口は見出せないなと。

それどころか長野の守備網に引っかかり失点を重ねていくリスクの大きさも感じていたものです。


そんな中での今井選手と塩沢選手を投入。

この2つの交代には長野の中盤の強いプレスを避けて、いっきに前線に当てる事で突破口を見出す狙いがあった様に感じました。

現に塩沢選手投入後はディフェンスラインからシンプルに塩沢選手に当てるボールが目立っていましたしね。

凄く単純で分かりやすくはあるけど、今井選手×長野DFのスピードでの力関係や塩沢選手×長野DFの空中戦での力関係を考えた場合、一人少ない中で山雅が得点を奪う最善の策だったように思っています。


ただそれと共に大きなリスクを負ったなとも。

この2つの交代により山雅のシステムは4-2-3気味になりました。

まぁ両翼に入った木村選手・今井選手をFWとしてみた場合ですがね。

しかも弦巻選手が比較的攻撃に比重を置いていた為、実質中盤のディフェンスは松田選手だけという状態に。

つまり数的な意味で中盤でのディフェンスがほぼ無効化していたなと。

実際にこの交代後、長野は得点にこそ繋げられなかったものの数的有利のカウンターをいくつか見せていますしね。

これらのカウンターを1本でも決めていれば、決められれば決められるほどに山雅は前に出るだろうから大差で長野の勝利と言う結果になっていたのかなと思っています。


しかし実際には決められなかった。

その要因としては長野の甘さや松本ディフェンス陣の奮闘があったとは思います。

ただ「決められなかった」と言う結果が、この試合の最終的な結果の呼び水となったのかなとね。


自分はサッカーはなんだかんだで流れのスポーツだと思っています。

流れがある時は不思議としばらく攻め続けられるし、流れがない時は力で上回っててもなぜかしばらく攻め込まれる。

そして流れのある時間帯にいかに点を獲れるかが試合において非常に大事となってくるものだと。


それと共に早い時間帯に先制し相手に退場者が出た場合、そしてその後もある程度チャンスを作れている場合も意外と危ないと言う持論もあったり。

まぁこれは自分の感覚的なものなんですがね。

なぜかと言えば、実際は1点リードなのに心理的には3点くらい勝ってる様な楽勝ムードになっているからなのかなと。

こういう時にどういう形であれ負けてるチームが1点取るような事があれば、試合はいっきにひっくり返る事が多い

んですよね。

おそらく勝ってた方は1点取られた事で楽勝気分だったものが一瞬で引き分けになってしまった事に必要以上に焦ってバラバラになる、逆に追いついた方は耐えて耐えて返した1点に俄然勢いづくって言うのがあると思っています。


そしてこの試合をまさにそんな展開だなと思ってみていました。

長野が攻めれば攻めるほどに山雅は1点返せばひっくり返せるなと。

まぁその1点が入らなければそれまでなんですがね。

かくして後半44分の塩沢選手のゴールで同点になりました。

個人的にはこの同点ゴールが決まった事で山雅が勝つと思っていたり。

残りロスタイムだったけどひっくり返すには正直十分だと思っていました。

ただ終盤攻めたものの結局同点で終了でしたね。


山雅は厳しい試合で勝点1をなんとかもぎ取ったと思うけど、一方でラストでひっくり返したかったと言う欲も残った試合でした。

一方長野は試合を支配していた気でいたと思うけど、2点目を決め切れなかった時点で実は山雅に支配されてたって事なのかなと。

ただ言えるのは悔いの残る試合だったのは間違いないはず。


とにもかくにも非常に見応えのある熱い試合でした。

木島選手が退場したりとダービーっぽかったし、流れが行ったり来たりで非常に見応えのある試合だったなと思っています。

ただ欲を言うなら決着をつけて欲しかったと言うのも少し。

山雅の最後のセットプレイで飯田選手が上がるのに加藤監督が待ったをかけたのはなんか残念でした。

リーグを通して見れば間違ってないのかもしれないけど、この試合を見に来てる観客はそんなの望んでないよとそんな感じ。

まぁこの試合の決着は天皇杯予選決勝でつければいいでしょう。

なんだかんだ実力的に競ってると思うし、熱い試合になるんじゃないでしょうか?



《気になった選手》

AC長野パルセイロ

DF 大島崇弘

CBで出場。

打点の高いヘディングと激しいディフェンスが印象的だったなと。

そしてとりわけ木島選手には激しく行っていた気がしました。

おそらく挑発して退場に追い込むところまでシナリオ通りだったんでしょうね。

チームの中でも実績のある選手だけにやっぱり力のある選手だと感じました。


松本山雅FC

MF 弦巻健人

木島選手が退場して以降の時間において最も奮闘していたように感じました。

前線を走り回って攻撃の起点になったかと思えば、守備にも走り回っていて驚いたものです。

個人的には今シーズンのキーマンだと思っているので、これからも頑張って欲しいですね。