岡田JAPANの総括と日本代表のこれから | CZOブログ

岡田JAPANの総括と日本代表のこれから

と言う訳で、W杯もパラグアイ戦に破れ一段落したところで岡田JAPANの総括を自分なりにしてみたいと思います。


まず岡田監督の本大会での戦いぶりは非常に素晴らしかったと思います。

後ろで守備のブロックをしっかりと作り各選手が自分の役割を全うした成果が結果として現れたなぁと。

本当に統一されたディフェンスは素晴らしかった。

また選手の人選もかなり良かったなぁと

大会前はいろいろと言われた人選だったけど、終わってみれば出てない選手は5選手だけ(うち2人はGK)だったし、特に選手の話を聞いてると川口選手の選出は絶妙だった様です。

普段カメラの前では寡黙で意図を汲み取りにくい監督ではあったけど、日本代表と言うものはよい選手を23人並べれば言い訳ではないと言う事を見事に証明してくれましたね。


ただやっぱり問題は攻撃面だったかなぁと。

ドイツやオランダ、ブラジルの様な強豪国はどのチームも奪ってから手数をかけずに3人ほどでフィニッシュまで持っていけるのに、日本はそこまでのレヴェルには至っていなかった様に感じました。

守る意識が高すぎるのか奪ってからも慎重でスピードが上がらずチャンスのタイミングを失うシーンが多かった様な気がします。


何と言うか時間的に攻撃まで手が回らなかったとでも言いましょうかね?

今年始めの東アジア選手権⇒セルビア戦⇒日韓戦で結果が出ずに高い位置で奪って早く攻めきるサッカーを見切って、本格的な最終強化となったイングランド戦から阿部選手をアンカーとした守備重視の布陣へと大きく舵をきりました。

そこで目に見えて守備面が安定して本大会での躍進の礎を築いたと思います。

ただタイミング的に攻撃面までは手が回らなかった印象でしたね。

おそらく「より守備的に」するのにはそんなに時間がかからない。

それは今大会の変更やトルシエ時代(フランス戦(0●5)⇒スペイン戦(0●1))の変更からもうかがい知れます。

ただそこをベースに攻撃面を構築していくのは多少時間がかかると思うんですよね。

もしもの話をするならあと3ヶ月ほど強化の時間があれば、より良い結果が得られた気がします。


そこで岡田監督が不幸だと思ったのが、高い位置で奪って早く攻めきるサッカー見切らせる様な力のある相手との対戦がこれまでに比べて少なかった点。

その一因として挙げられるのがオシム監督時代にアジアカップ4位に終わった事だと思います。

それにより大事な国際舞台であるコンフェデレーションズカップの出場権を逃し、また次大会の予選免除を失いW杯前の大切な時期に不毛なアジア杯予選を戦わなくてはならなくなった訳ですから。

もしもの話だけど、その2つが得られていたら強化と言う面ではだいぶ違ったでしょうね。

そういう面では岡田監督は不幸だったと思います。


とまぁ岡田JAPANについてはそんな感想ですね。



では、日本代表のこれからについて。


今大会を振り返ってまず大事だと思うのはアジアカップを勝ち獲ること。

そこで勝つことでW杯前の2年間の充実度が大きく変わってきますからね。

はっきり言ってまるまる4年間を「W杯で勝つ」ためのチーム作りはしなくていいと思うんですよ。

まずアジアカップまでを「アジアカップで勝つ」チーム作りに徹する、「W杯で勝つ」チームはそれからでも遅くないとね。

アジアに属している日本が他の地域の強豪国と比べて決定的に不利なのは、本大会でやりたい戦い方を力関係的にアジアで実践しきれない点だと思います。

だからこそアジア杯を勝ち獲り世界での日本の立ち居地を把握する機会を多く手に入れることが大事だと思うんですよね。



また目指すサッカーについて。

これは本当にわからないなぁと。


今大会では守備が本当に良くてその守備こそが日本サッカーの強みだと感じました。

なので、その守備をベースにスピーディに攻めきるサッカーが日本の目指すべきなのかもしれないと思ったものです。

ただ一方で果たして本当に日本は時間を掛ければ攻めきれるような攻撃力が身につくのかというのもあるんですよね。

時間をかけたところで今大会と同じ結末になるんじゃないかってね。


そんな想いの中チリのビエルサ監督が最有力候補との声も聞こえてきます。

今大会のチリは守備的なチームが並ぶ中で非常にアグレッシブに攻める魅力的なサッカーをしていました。

日本も今大会のチリの様なアグレッシブなサッカーをするかと思うと非常に楽しみだし、そんなサッカーでブラジル大会で旋風を起こしたらと思うと興奮してしまいますよね。

だけど単純に「次はビエルサ監督だ!」とも言い切れない。

おそらく楽しく素晴らしいサッカーをするんだろうけど、果たして日本はそれで勝ちきれるのかという想いも。

今大会で強く感じたのは「W杯で大事なのは内容でなく勝利」なんですよね。



そんな事グチグチ言ってると適任は「日本化する」オシム監督なのかもしれませんね。

今更感が凄いあるけどオシム監督の言う「日本化」と言うものを見てみたかったです。

きっとそこに日本の目指すべきものがあるだろうから。



とにもかくにも今大会またこれまでの大会の反省を生かした意図のある監督選考をして欲しいですね。


ちなみに自分はこれまでで一番成功したのはトルシエ監督だと思ってるので、U-20代表監督(次の大会は宇佐美選手らがいるプラチナ世代)・五輪代表監督との兼任をして欲しい。

またトルシエ監督の様に外部からの招聘を期待したいと思います。

まぁ決めるのは日本サッカーのことを考え抜いたプロ中のプロのはず、しかも技術委員長は海外サッカーにも精通してる原博美さんです。

きっといい方を連れてきてくれるでしょう。

新しい日本代表に期待ですね。