2008 松本山雅FC
2008年10月22日
第44回 全国社会人サッカー選手権大会 準決勝
松本山雅FC 0 - 1 ホンダロック
http://alwin.org/modules/news/article.php?storyid=932
かくして、地域リーグ決勝大会への切符を手に出来なった松本山雅FCのJFLへの道は潰えました。
おそらく現場は相当切なかったはず。
しかし、全社だけ見れば同じカテゴリーの相手に3勝2敗。
力が足りなかったということでしょう。
そんな訳で、今大会は初戦の奈良クラブ戦のみしか見てないんであえてドライに今シーズンを振り返りたいと思います。
まず今シーズンの松本山雅FCにおいて最大の失敗はシーズン前のTMの使い方だったと考えます。
吉澤氏は監督として松本山雅の最初のシーズンだったにも関わらず、ほとんど選手の適正を見極めることもせずに多くのTMをほぼ固定メンバーで戦い無駄にしてしまったのは軽率というほかないでしょう。
3/1 名古屋グランパス戦
http://alwin.org/modules/news/article.php?storyid=716
3/8 中京大戦
http://alwin.org/modules/news/article.php?storyid=724
3/15 AC長野パルセイロ戦
http://alwin.org/modules/news/article.php?storyid=728
3/20 ヴァンフォーレ甲府戦
http://alwin.org/modules/news/article.php?storyid=730
3/22 湘南ベルマーレ戦
http://alwin.org/modules/news/article.php?storyid=736
3/30 FC岐阜戦
http://alwin.org/modules/news/article.php?storyid=745
鈴木亮平は右サイドが適正だったのか?
吉田賢太郎は不動のFWだったのか?
坂本史生はスタメンを争う価値のある戦力ではなかったのか?
今井昌太はレギュラー組で試さなくて良かったのか?
大して結果が出てないのにほぼ同じメンバーで試合を繰り返し、また大して見極めずに上のカテゴリーから来た選手でメンバーを固めてしまっていたのは、北信越リーグを舐めていたと思わずにはいられません。
そしてそのままHFL開幕。
確かにケガ等でメンバーを組みきれなかったかもしれない。
しかしそれでも開幕から昇格チーム相手にまさかの2試合連続ドロー。
その最悪のスタートにより、ようやく選手の適正を探り始めた感じでした。
そして適正を見つけるまでで、ほぼリーグの前半戦を浪費。
リーグ前半が終了した時点で優勝の芽は限りなく小さくなっていたのです。
2007シーズンあと一歩のところで昇格を逃し、ファンは今シーズンに大きな期待を寄せていたはず。
しかし、そのファンの期待を大きく裏切った事実。
有料化とか天気の事もあっただろうけど、その事が結果的に観客動員に大きな影響を与えたのは間違いないでしょう。
これは大きすぎる失敗。
しかし、7月以降は別のチームかと言いたくなるほどに立派なチームになりました。
もうこれは純粋にそう。
シーズン開幕直後の惨状からは今シーズンがこんなに華のあるシーズンに変わるなんて思えなかったんですがね。
とにかく以前に比べサッカーがアグレッシブ。
しかも、ある程度メンバーが変わっても質が落ちる事のないチームなのも魅力でした。
その結果が、リーグ戦においてツエーゲン金沢・JSCを下したことであり、またAC長野パルセイロを下しての天皇杯進出を果たした事、そして天皇杯での湘南ベルマーレに対する勝利ではないでしょうか。
ただ不幸だったのが、この快進撃のほとんどが県外で行われていた事。
つまりライトな層が直接目に出来なかった事。
最終的に2008年の松本山雅FCは市民にどういうイメージをもたれているんでしょうか?
結果的にリーグが取れたかは別にして、シーズン序盤で躓いた事でライトな層の興味対象から離れてしまったのは残念だったなぁと思います。
では、最終的に今年のチームは昨年のチームより強かったのか?
これは人によって意見が分かれるところだと思いますが、個人的には「強かった」と思います。
前回にも述べたところだけど今シーズンはスタメンでやれる選手が増えたって印象。つまり、ある程度メンバーが欠けても力を落とさずに出来るチームになったなぁとね。
こういうチームは長いリーグを戦わせた時に強いんですよね。
ただ一方でベストメンバーを組んだときの強さと言う面では、そこまで変わってないのかなとも思ってます。
昨年はやっぱりリーグ優勝しただけのメンバーでしたよね。
そしてベストメンバーの強さは短期決戦で発揮されます。
北信越リーグは14節あるけど、上4つと下4つとの差があるため実質は上4つによる6節の短期決戦。
(と言っておきながら今シーズンの松本山雅下4つに勝ち点7を失いその舞台にすら立てていなかった)
つまり、北信越を勝ち抜くにはいかにベストメンバーの質を上げるかと言う事が重要だったはず。
そういう意味では、昨年のメンバーに丸山・土橋らを迎えて量より質の補強をした長野は理にかなってるし、一方で松本の「ターンオーバーをしても勝てるチーム」は昨シーズンリーグを取った事で少し先を見すぎてたいんじゃないでしょうか?
しかし負け惜しみ承知で言うなら、今の力なら1年を通してJFLを戦って上にくるのは松本山雅FCだと思いますがね。
まぁとやかく言ったところで、天皇杯こそ残ってますが今シーズンの結果は出た訳です。
今シーズンだけ見れば昨シーズンより結果が出なかったから失敗と言わざるを得ないでしょう。
しかし、一方で今シーズン最大の戦犯である吉澤英生監督が最終的に全国に誇れる松本山雅FCを作ってくれたのも事実。
結果が出ない中でもサポーターに向かいあい、シーズン終盤には多くの夢と興奮を与えてくれた吉澤監督に感謝しています。
そして来シーズンこそはなんとしても吉澤監督率いる松本山雅FCと昇格の喜びを分かち合いたいですね。
と、その前に天皇杯4回戦ヴィッセル神戸戦。
もう一度全国に松本山雅FCを響かせてくれることでしょう。