【自転車自叙伝】第1章・懐の恐怖、その2
さて前の日記の続きです。
財布を忘れて40km弱走ってしまい、泣く泣く取りに帰ったところから。
無事、財布をしまい、再び走り出して目指した四国。
根性だけで3日目にはしまなみ海道を渡りきり
四国に自走でたどり着いたその夜のこと。
場所は愛媛県の北西部、佐田岬です。
前にも書いてますが、この旅、初めての長旅でして、
勝手がわからない上に
足もまだ鍛えられる前。
とにかく無茶苦茶な日程でした。
心の準備も不十分。
のっけから財布忘れるとか
そりゃ起こるべくして起こるトラブルでして。
さて、話を戻すと、
このとき時刻は23時を回っていたと思います。
宿の見つけ方も心得ず
フェリー乗場の待合室にて、
あわよくば泊まれないかと立ち寄ったところでした。
係員さんらしき方にきくと
最終のフェリーが出たら鍵を閉めるとのこと。
がっくし(__;)
ちょっとでも休憩して体力を戻そうと思ったときに
ぶるっとひと震えがきました。
ゴールデンウィークとはいえ
海風に煽られた体はかなり冷たくなっていたのです。
それで目の前の自販機のホットレモンを一杯飲んで
ひと息ついたのも、つかの間のこと。
きゅるるる~~。
お腹の虫すらお腹が減りすぎたのか
情けない鳴き声をあげてきました。
ここ佐田岬は50kmほど突き出た半島のさきっちょ。
途中にコンビニはなく
道の駅も営業も18時くらいまでで
日が暮れて、しばらくすると
食事にありつくのも難儀するところでした。
財布には2万円ほどあったのですが、
地獄の沙汰も鬼がいてこそなりたつ話。
鬼にすら会えない状況じゃ紙切れ同様です。
そんな状況の中で、
先ほど飲んだホットレモンの自販機の横に見たのは
カップヌードルの自販機!!!
その神々しいまでの光は、
まさに神の降臨そのものに見えました。
が、しかし………
カップヌードル、160円。
ただいまの所持金、20090円。
さっき飲んだホットレモンが80円。
神と思えたカップヌードル自販機の投入口が待っているのは
硬貨と千円札のみ。
あり?( ̄▽ ̄;)
さっきいた係員さんに両替してもらおうと探したのですが
神隠しにでもあったのか全く見つからない始末。
結局、無力な2枚の1万円札。
金の力でも、いかんともしがたいこともあるもんだって思い知ったのでした。
--まだ第1章は続く--
